CockroachDBについて、ミリ知らから実践的な知識を身につける!🔥
CockroachDBを本番で使うための実践ガイド:料金・セキュリティ・Cloud Run統合まで
本記事のサマリ
この記事では、分散SQLデータベースCockroachDBを本番環境で活用するための実践的な知識をお届けします!具体的には、料金プランの選び方、セキュリティと認証の実装方法、Google Cloud Runとの統合手順、そして本番環境で注意すべきポイントを詳しく解説していきますね。NetflixやAppleなど大手企業が採用している理由も含めて、実際の運用に必要な情報を網羅的にカバーしました!
はじめに:なぜCockroachDBなのか
私が最初にCockroachDBに出会ったのは、個人開発でアーキテクチャを選定していた時のことでした。データベースって、どんなに小さく構成しても月額2,000円前後はかかるものだと思っていたんですよね。そんな中、Xで偶然見かけたポストで、CockroachDBのBasicプランが0円から使えるという情報を知って、もうびっくりしました!「本当に0円でどこまで使えるんだろう?」って、めちゃくちゃ興味が湧いたんです。
CockroachDBは、その名の通り「ゴキブリのようにしぶといデータベースを作る」というコンセプトのもと開発されたんですよね。正直、命名としては勿体無いなと感じる部分もありますが笑、その名前が表す「何があっても生き残る」という考えは、技術的にも見事に体現されてました!
公式ドキュメントによると、Googleのスケーラビリティとネットワーク分断耐性を持ちながら、PostgreSQLとの互換性を保った分散SQLデータベースとして設計されているそうで、最大の特徴は、複数のデータセンターに跨って自動的にデータを複製して、ノードに障害が発生しても自動回復するところみたいなんです。NetflixやApple、Cloudflareなどの大手企業が380以上のクラスタを本番運用しているっていう実績も、その「しぶとさ」の実績を物語ってますよね!
料金体系の実態:どのプランを選ぶべきか
CockroachDBの料金体系は現在、Basic、Standard、Advancedの3つのプランが用意されています。
Basic プラン:スタートアップや小規模プロジェクト向け
Basicプランは、Request Units(RU) という独自の課金方式を採用してます。月間50百万RUと10GiBのストレージが無料で提供されて、追加分は1百万RUあたり0.20ドルで課金されます。
私がBasicプランを推してるのは、トラフィックが読めない初期段階のアプリケーションや、バースト的な負荷がかかるワークロードなんです。特に、スケールダウンしてゼロまで下がる自動スケーリング機能は、コスト効率の面で本当に魅力的だなと感じてます!
Standard プラン:成長期のアプリケーション向け
Standardプランは、プロビジョニングされたvCPU(2vCPUから開始、時間あたり0.18ドル)と使用量ベースのストレージを組み合わせたハイブリッド課金モデルです。最大200vCPUまでスケールできて、安定したワークロードに適してますね。
このプランの大きなメリットは、プライベート接続やDatadogへのメトリクス・ログエクスポートが標準で含まれていることですね。
Advanced プラン:エンタープライズ向け
Advancedプランは、4vCPUから開始(時間あたり0.60ドル)で、プロビジョニングされたコンピュート・ストレージ・IOPSすべてが含まれてるんです。99.999%という高いSLA、Customer Managed Encryption Keys(CMEK)、PCI DSS/HIPAA準拠など、エンタープライズ要件を満たす機能が充実してますね。
実際の選び方としては、まずは無料クレジット400ドルでBasicプランから始めて、アプリケーションの成長に合わせてプランアップしていくのが現実的なやり方だと思っています!
具体的な料金試算:Basicプランで1,000ユーザーのチャットサービスを運用する場合
ここで、より現実的な料金イメージを掴むために、Basicプランを使った具体的なユースケースで試算してみましょう。
仮に1,000ユーザーが利用するチャットサービスを構築したとして、月額コストはどのくらいになるでしょうか。
公式ドキュメントによると、BasicプランのRequest Unitsの計算は以下の換算率で行われます。典型的な SELECTクエリは1〜15 RU、INSERTや UPDATEは10〜25 RUを消費します。チャットサービスの場合、以下のような想定で計算できます。
想定するワークロード:
- アクティブユーザー:1,000人
- 1ユーザーあたり平均50メッセージ/日を送信・受信
- メッセージ送信(
INSERT): 15 RU - メッセージ取得(
SELECT): 10 RU - メッセージ一覧表示(複数行
SELECT): 20 RU
月間クエリ数の試算:
- メッセージ送信: 1,000人 × 50メッセージ × 30日 = 150万回
- メッセージ取得: 150万回 × 2(送受信) = 300万回
- 一覧表示: 1,000人 × 10回/日 × 30日 = 30万回
RU消費量の計算:
- 送信: 150万 × 15 RU = 2,250万 RU
- 取得: 300万 × 10 RU = 3,000万 RU
- 一覧: 30万 × 20 RU = 600万 RU
- 合計: 約5,850万 RU/月
コスト計算(1ドル=150円として):
- 無料枠: 5,000万 RU
- 超過分: 850万 RU
- 料金: (8.5M RU / 1M) × $0.20 = $1.70 ≈ 255円/月
ストレージについては、1,000ユーザー × 平均1,500メッセージ × 1KB/メッセージ = 約1.5GiBと仮定すると、無料枠10GiB以内に収まるため追加費用なしです。
合計: 約255円/月(税抜)
この試算から分かるように、Basicプランなら個人開発レベルでも非常に低コストでサービスを運用できます。また、初期の無料クレジット400ドルがあれば、約19ヶ月は実質無料で運用できる計算になります。トラフィックが少ない開発初期段階であれば、月50M RUの無料枠内に収まる可能性も十分にあります。
Basicプランの最大の利点は、使った分だけ課金されるRequest Units方式のため、トラフィックが変動するサービスでもコストを最適化しやすい点です。StandardやAdvancedプランと違い、固定のvCPU課金ではないため、アクセスが少ない時期のコストを抑えられます。
参考1:無料枠がなかった場合の費用
仮に無料枠(月間50M RU、10GiBストレージ)がない場合でも、1,000ユーザー規模では以下のコストとなります。
- RU料金: (58.5M RU / 1M) × $0.20 = $11.70 ≈ 1,755円/月
- ストレージ料金: 1.5GiB × $0.50 = $0.75 ≈ 113円/月
- 合計: 約1,868円/月(税抜)
参考2:10,000ユーザー規模の場合
同じ条件で10,000ユーザーに拡大した場合:
- 月間RU消費量: 約5億8,500万 RU
- RU料金: (585M RU / 1M) × $0.20 = $117(超過分$107)
- ストレージ: 約15GiB(超過分5GiB × $0.50 = $2.50)
- 合計: 約16,500円/月(税抜)
サービスの成長に合わせて段階的にコストが増える形になるため、スタートアップにとっても予算計画が立てやすい料金体系と言えます。
セキュリティと認証の実装:本番レベルのセキュリティを実現する
CockroachDBのセキュリティモデルは、組織レベルとクラスタレベルの2層構造になっているそうです。これを理解することで、適切なセキュリティ実装が可能になります!
データベースへの実際のアクセスは、ユーザー名・パスワード認証またはPKI証明書認証(Advancedプランのみ)で行います。本番環境では、TLS 1.3による暗号化が必須となって、クライアント-ノード間の通信ではTLS 1.2/1.3が対応してますね。
接続情報の設定では、verify-fullモードの使用が公式も推してるそうです。これによって、Man-in-the-Middle攻撃やなりすまし攻撃を防ぐことができます!設定例では、CA証明書をダウンロードして、接続情報に適切な証明書パスを指定します。
postgresql://username:password@host:26257/database?sslmode=verify-full&sslrootcert=/path/to/ca-cert.crt
セキュリティのベストプラクティス
実際の運用では、本番環境では絶対にinsecureモードを使用しない、定期的な証明書の更新とローテーション、そして最小権限の原則に基づくユーザー権限設定が重要です!これらは基本的なことですが、見落とさないように注意ですね。
Google Cloud Runとの統合:サーバーレスとの完璧な組み合わせ
CockroachDBとGoogle Cloud Runの組み合わせは、私が今期待している構成の一つです!サーバーレスアプリケーションと分散データベースの組み合わせによって、めちゃくちゃ柔軟でスケーラブルなシステムを「低コスト」で構築できると考えてます。
統合の基本的な流れ
公式チュートリアルでは、DjangoアプリケーションをCloud Runにデプロイする例が詳しく解説されてるんです。基本的な流れは、CockroachDB Standardクラスタの作成、証明書とデータベース接続の設定、アプリケーションのコンテナ化、そしてCloud Runへのデプロイですね。
しっかりと、Google Cloud Secret Managerで接続情報を(環境変数)
実践的な統合のポイント
CockroachDBクラスタとCloud Runサービスを同じリージョンに配置することで、レイテンシを最小化することも大事ですね。
また、Google Integration Connectorsを使用することで、より高度な統合も可能になるそうです。これによって、Apigee IntegrationやApplication Integrationからも直接CockroachDBにアクセスできるようになります。
パフォーマンス最適化の考慮点
Cloud Runの特性を考慮すると、コネクションプールの設定が特に重要になるんですよね。Cloud Runインスタンスのライフサイクルに合わせて、適切なコネクション数を設定して、不要なコネクションによるリソース浪費を避ける必要があります。
PostgreSQLへの移行は可能か:ベンダーロックインを避けるために…
個人開発でCockroachDBを採用する際、将来的に「やっぱりPostgreSQLに戻したい」という状況になったらどうすればいいでしょうか?使い始めたもののデメリットが際立ってしまったら...移行できる余地は残しておきたいですよね。
公式ドキュメントによると、CockroachDBはPostgreSQL wire protocol(バージョン3.0)との互換性を持ってて、大部分のPostgreSQL構文をサポートしてるんですよね。つまり、基本的なSQL文はそのまま動作するっていうことなんです!
なので、pg_dumpやEXPORTコマンドでSQL形式でダンプすれば、問題なく移行もできるかと!
※ 移行時の注意点
CockroachDBとPostgreSQLには、いくつかの構文やデータ型の違いが存在するんです。
公式ドキュメントで明示されている主な相違点として、整数除算の挙動(CockroachDBでは DECIMALを返す)、ビット演算子の優先順位、CHECK制約の検証タイミングなどがあります。
また、CockroachDB特有の機能(マルチリージョン設定、生存目標設定など)を使用している場合、これらは標準的なPostgreSQL構文に変換する必要があるんです。とはいえ、一般的なCRUD操作を中心としたアプリケーションであれば、移行の難易度は比較的低いと言えるでしょう!
Airbyteなどのデータ統合ツールを使えば、さらに簡単にCockroachDBからPostgreSQLへの移行パイプラインを構築できるんです。つまり、ベンダーロックインのリスクは限定的であって、将来の選択肢を狭めることなく、CockroachDBの利点を享受できそうですね!
まとめ:CockroachDBで始める次世代のデータベース運用
CockroachDBは、個人開発からエンタープライズまで実用的なデータベースサービスだと確信が持てました!実際Netflixが380以上のクラスタを運用している点も安心要素ですね(長いものには巻かれるスタイル!!)
最初は無料の400ドルクレジットとBasicプランから始めて、アプリケーションの成長に合わせて段階的にスケールアップしていく。そんなサーバーレスなDBとして今後ガンガン活用していければと思います!皆さんも是非ご活用してみてください🔥
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