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個人開発が失敗に終わった3つの理由

2024/01/15に公開

こんにちは、ネットではウマたんというハンドルネームで活動していて普段はスタビジというメディアやスタアカという教育サービスを運営しています。主に基本AIデータサイエンスについて発信する活動をしています。

最近は色んなサービス開発や海外事業の立ち上げに挑戦しているのですが、やっぱりそう簡単にうまくはいかない。ということで様々な挑戦をする中で失敗に終わったサービスについて自分のための備忘録もかねてつらつらと書き連ねていきたいと思います!

(正直失敗と書いてますが、サービス開発の厳しさを知るめちゃくちゃいい経験だったので失敗だとは思っていません。笑
どんどん失敗しよう!)

いい感じにグロースしているサービスもあるのでそれについては別の回で書く予定です。

失敗したサービスTracky(トラッキー)とは

Tracky(トラッキー)は自分の書いた記事を他の競合と比較して文字数を増やした方がよいよーとかキーワードを増やした方がよいよーとかアドバイスしてくれるサービス。

記事分析AI Tracky | たった1分であなたの記事の改善点が分かる「AI SEOツール」
https://ai-tracky.com/

いわゆるSEOツールで、個人ブロガーやSEOコンサルタントの人がターゲット。
サブスクリプション型のSaaSサービスとして開発していました。

2021年末くらいに構想して知り合いのエンジニアと二人でコツコツ開発し、β版を2022年3月にリリース!初日は1000人くらいアクセスがあったのですがリピーターはつかずみるみる間にアクセスは落ちていくことに・・・

SaaSサービス開発の難しさの壁にぶち当たりました。

そしてその後も色々な機能追加を試み2023年も開発に勤しんでいたのですが結局鳴かず飛ばずで開発終了に。

サービス失敗の原因

なぜTrackyは失敗に終わってしまったのかいくつかポイントをピックアップして書いてみたいと思います。

継続的な集客導線を考えずに作ってしまった

集客のことをあまり考えずに、よいサービスを開発したら使ってくれるでしょ!?的なノリで開発をはじめてしまいました。

色んなところで言われていることではありますが、良いサービスを作ったとしても(Trackyが良いサービスなのかはさておき)ユーザーに届かなければ意味がありません。

そしていっときのバズを生むことができても、継続的にユーザーを連れてこれる導線が設計できていないと一過性のもので終わってしまいます。

そしてよっぽど資金力に余裕のある大きな法人でない限り広告頼みは危険だと思っています。

そのためSEOなのかSNSなのか、広告以外のオーガニックでお客さんを継続的に連れてくる導線を設計しておくことが大事です。

例えば以下の割り勘アプリ「Walica」の開発話の記事を読んでもSEO集客が大事だということがわかります。

そこから成長軌道に乗り始めたのは、SEOでそれなりに上位に来るようになってからだと思います。「割り勘 アプリ」「割り勘 計算」といったワードで露出するようになってきました。

https://qiita.com/mycndev/items/b76a7ff961ded7d49d70

僕自身かなりコンテンツ発信には力を入れてきたし、マーケティング畑で仕事をしてきたので集客には自信があったのですが、そこをすっかり抜かした状態でサービス開発をしてしまったのが完全に敗北の理由です。

逆に少しでも継続的に集客できる下地が出来てれば成功は近いです。

開発にものすごい時間をかけてしまった

構想が2021年末で初期リリースが2022年3月。そこまではいいんです。しかし、そこからリピーター獲得のための機能改善をあぁでもないこうでもないと考えた挙げ句、、、次のバージョンをリリースしたのはなんと2023年の10月。

あまりにも開発期間長すぎますよね・・・

これにはいくつか理由があるのですが、大きく分けると

  • 途中で技術スタックを変えた
  • 途中で開発機能の路線変更
  • やる気がなくなってきた

途中で技術スタックを変えた

最初は比較的得意なPythonのフレームワークDjangoで開発していたのですが、途中でもっとサクサク動くUIUXの方がよいよね!というあまり本質的ではない理由でNuxt.jsというJavascriptのフレームワークに変更しました。

Javascriptで本格的に開発するのは初めてだった上に最新バージョンのNuxt3で開発したのであまりネットに情報がなくちょっとした機能を開発するのにも苦労しました。

もちろん技術選定は大事ですが、開発にあまりにも時間をかけてしまうのであれば慣れている言語でサクッと開発してリリースすることが大事だと身にしみて感じました。

途中で開発機能の路線変更

どうすればリピート利用してくれるかを考える上で、分析した自分の記事の順位を日々トラッキングして上がったが下がったかトラッキングしてくれるダッシュボードを作ろう!という話になりました(というか僕が一方的に提案しました)。

そして順調に開発が進んでいたのですが、割と完成間近になってそもそもその機能って本当に必要??って話になりました(これも僕が問題提起しました・・・笑)。

確かによくよく考えると記事を分析して記事を改善してくれるサービスなのに、それに順位トラッキングの機能もつけると提供する価値がぶれるし誰のためのサービスなのか分からなくなる・・・
ということで結構な期間頑張って開発してきた機能を潰すことに。

ちょうど当時ChatGPTが登場して世間を話題にしていた時期でもあり、分析機能を尖らせてAIで文書を自動生成する機能を作る方がいいのでは?ということになりました。

サービス開発ではスモールに作ってクイックにリリースすることが大事なのに大きな時間のロスを生んでしまいました。

やる気がなくなってきた

上記の理由などもありかなり開発に時間をかけてしまっていました。

そうすると、もはやすぐにリリースしないといけない!という逼迫感もなくなり、徐々にやる気がなくなってきました。

時間をかけてしまうと、段々と飽きてきてやる気がなくなってきてさらに時間をかけてしまうという悪循環に陥ってしまうので、正味サービス開発には時間をかけすぎないようにするべきだと改めて思いました。

もし構想タイミングや前回のリリースから1年以上も経っているのであれば見直すべきかもしれません。

自分が使わないサービスを開発してしまった

当初このサービスはブロガーやSEOコンサルタントなどSEO領域で活動している人をターゲットとしていました。

僕自身そこまでSEOに詳しいわけではないのですが、メディアをいくつか運営しているのでGoogle検索でなるべくメディアの記事の順位を上げるのには興味があります。

しかし、そんな自分自身が全く使わないサービスになっていました。

結局自分が使わなくては意味がありません。
世界的に個人開発で成功しているlevelsio氏も以下のように言っています。

just focus on your own problems. Get ideas from your life experience.

自分の課題にフォーカスせよ!自分の経験から着想を得よ!

大きな会社では新規事業を立ち上げる上でマーケット調査などを大々的にやりますが、資本力のない個人がやるのであれば、自分の感じている課題にフォーカスするのが手っ取り早いです。

すなわち自分がこれだったら継続的に使いたい!!と思えるサービスになっていることが重要。

Trackyはそんなサービスになっていなかったのです。

まとめ

他にも失敗の理由はたくさんあると思いますが、その中でも特に強く感じた理由を取り上げてきました。

とはいえ、開発するのって楽しいしこの経験自体はめちゃくちゃよかったと思ってます。開発だって人生だって失敗してなんぼです!

いっぱい挑戦していっぱい失敗してる人の人生って面白いですよね!笑

ちなみに2024年からジョージアという国に移住して引き続きサービス開発・事業立ち上げに励んでます。

今年はどうにかして海外で事業を立ち上げるもしくは既存事業の海外展開ができないか四苦八苦してます。

海外での発信は以下のアカウントでTweetしていきますのでフォローしてくれると嬉しいです!英語でコミュニケーションしましょう!

https://twitter.com/stat_biz

ということでまた何か学びがあったら書きたいと思います。

ちなみに今回紹介したサービスTrackyのAPI部分をデプロイする方法がまなべるコースを以下のスタアカという教育サービスにリリースしているので興味のある方は見てみてください!!

https://toukei-lab.com/achademy/?sfwd-courses=api-create

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