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Fastly Origin Inspector のはじめかた

2022/10/05に公開約4,100字

はじめに

Fastly は2022年度より新たな製品 Origin Inspector の提供を開始しました。
Origin Inspector は、
オリジンからのトラフィック詳細をリアルタイムかつ総合的に可視化する
ことができるソリューションです。

本記事では、Origin Inspector の目的と導入方法、使い方についてご紹介します。

Origin Inspector とは

弊社 Fastly のみならず CDN をご利用頂くのが非常に一般的になり、かつ、深くご利用頂くケースが増えてきました。
様々な機能をフロントである CDN Edge に統合し、単一のエンドポイントを利用した複合的な環境も増加の一途を辿っていると感じます。

このような複雑な CDN 環境を継続的に利用していく為に、ログ分析は運用上欠かせません。
Fastly も Stats ページ でログ分析が可能ですが、当該ページで表示・分析できる範囲は、あくまでも「弊社の Edge サーバーから配信したデータの分析」がメインとなります。

ログストリーミング機能と外部ツールを組み合わせることでより詳細な分析が可能ですが、複数ツールの管理・ログ出力設定と言った運用上の手間が生じるのが従来の課題でした。
また、外部にログを送信する仕組みにおいては、データ喪失の可能性も常に生じるという問題も存在します。

Origin Inspector はそれらの解消を目的として提供を開始しています。

  • 複雑な設定が不要 → クリック一回!
  • 複数のオリジンに対するグラフを一括して管理可能
  • リアルタイムと過去履歴の両方のログにアクセス可能

導入ケースと目的

まずは、Origin Inspector がどのようなお客様・目的への導入ケースがあるか考えてみましょう。

  • オリジンで発生する問題をリアルタイムに把握・対応
  • セールやライブなどのスパイク時、単一 UI でエンドツーエンドの可視化
  • オリジンの Egress Cost を可視化させ、コスト削減効果を Fastly 環境のみで把握

これまで分断されていた「オリジンからのトラフィック」と「Edge で配信するトラフィック」のログを、一括してリアルタイムに監視・把握することが大きな目的と言えます。
また、CDN という Edge が分散されたネットワークにおいて、本機能のようにリアルタイムにログを可視化できるのも Fastly の大きな特徴と言えます。

導入方法

機能の有効化は非常に簡単です。
Origin Inspector はデフォルトでは無効になっていますので、まずは弊社宛てにお問い合わせください。
ご契約が完了後、Fastly 管理画面の Stats > Origins の Origin Inspector を ON にするだけで機能が有効化されます。


表示内容と分析項目について

ページによる違い

Stats ページは「Real-time」と「Historic」に分かれています。
どちらも分析可能な項目は同じですが、表示可能な期間と表示方法が異なります。

ページ 目的
Real-time 75sec 前までのグラフがリアルタイムに更新される
Historic 時間を指定して過去データを遡ることが可能


分析項目

1. 概要データ

「Real-time」および「Historic」の各ページを開くと、概要データが表示されます。
このページでは、概要ダッシュボードに加えて Response Status CodesOrigin Bandwidth の二種類のグラフが表示されます。

概要ダッシュボードには、以下の項目が表示されます。

項目 内容
Responses オリジンから Fastly が受信したレスポンス数
Bandwidth オリジンから受信した帯域、データ転送量。計算式は、response header bytes + response body bytes
Status xxx オリジンから返されたレスポンスを、各タイプ別にグループ化


2. 詳細データ

各ホスト名 または More origin details をクリックすると詳細データを確認することが可能です。
詳細データページでは、より細かいグラフが確認可能です。

  • Origin Latency: オリジンのレイテンシ時間の分散グラフを表示します。

  • Status xxx: 各ステータスコードごとのグラフを表示します。

  • リージョン: Global または各リージョンごとにグラフを表示します。


制限事項

ご購入頂いた製品パッケージにより、集計タイミングや履歴保持期間に対する制限が異なります。

パッケージ リアルタイム可視化 履歴データの集計 履歴保持期間
Essential 可能 1時間毎 8日
Professional 可能 1分毎 15日
Enterprise 可能 1分毎 45日

また、2022年9月現在は Compute@edge を正式にサポートしておりませんが、今後サポートする予定となっています。

API利用も可能

ここでは Fastly UI での表示項目を中心に解説してきましたが、API を利用することも可能です。
参考ドキュメント
Real-time と Historic 別にデータを取得する事が可能となっており、弊社 UI 以外でのデータ活用が可能ですので是非ご活用ください。

まとめ

Origin Inspector を利用することで、細かい設定を施すこと無く「オリジンからのトラフィック」と「Edge で配信するトラフィック」をまとめて管理することが可能になります。
特に複数のオリジンをご利用のお客様にとっては、どのオリジンでエラーが表示されているのか、遅延が発生しているのか、なども一括してリアルタイムで確認が可能です。

これまで複数のツールを用いて確認してきた項目も、本機能を使うことで非常に簡単に分析することが可能になりますので、是非一度お試し頂ければ幸いです。


なお、Fastly は Domain Inspector という製品もリリースいたしました。
複数のドメインのトラフィックを簡単に監視できる機能となり、こちらも Fastly をご活用頂いているお客様に非常に有用な製品となっていますので、別途ご案内の記事をまとめてみたいと思います。


Fastly 機能のアップデートを継続して行っています。
当記事掲載後に新たな機能がアップデートされている可能性もございますので、
最新の仕様・サポート情報は https://docs.fastly.com/ を参照ください。

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