Amazon Quicksightを利用する上でのTips集
こんにちは! スターフェスティバルでインフラエンジニア/データ基盤エンジニアをやっております @koonagiです。
最近弊社をご利用していただいている飲食業者様向けに、これまでスターフェスティバルで溜めてきたデータを提供し、ビジネスに活用していただこうと検証を進めています。
BIツールとして、Amazon Quicksightの利用を検討しており色々触っていたのですが、ドキュメントが見当たらずハマったことや困ったことが幾つかあったので、書き起こして行こうと思います!
Amazon QuickSightとは
Amazon QuicksightはAWSが提供しているシンプルなBIツールです。
TableauやSplunkなどの有名なBIと比べると機能は少ないですが、AWS上にあるデータと簡単に連携できるため、AWS上にデータがあれば簡単に分析環境が作れます。
また、金額的にも他のBIと比べて安いので、AWSで環境構築している環境で分析を初めたいという方にはピッタリなサービスだと思います。
引用元: https://pages.awscloud.com/rs/112-TZM-766/images/AmazonQuickSight事例祭り_AWS発表_0812.pdf
ちなみに、初めてAmazon Quicksightで分析環境を作るという方は以下のAWSの資料が、BIを作る上での考え方も含めてとても参考になるので是非読んでみてください。
ハマった/困ったところ
それでは、ハマったことや困ったことについて、各対処方法も含めて幾つか記載していきます!
① 行レベルのセキュリティ (RLS)を有効化したデータセットを複製できない
ユーザーベースの行レベルのセキュリティ(RLS)を有効化したデータセットはデータのセットの複製ができなくなります。何故かタグベースのRLSでは複製ができます。
■ 対処方法
色々試したのですが、 ユーザーベースRLSを有効化すると、無効化してもデータセットの複製ができませんでした。そのため、検証環境用などにデータセットを分けたい場合はユーザーベースのRLS設定前に複製することをおすすめします。
② データセットの結合がうまくいかない
Amazon Quicksightでは、テーブルの結合と同じ要領で、データセット同士の結合ができるのですが、SQLでは結合がうまくいくのに、データセット上だとうまく行かず、以下のようにプレビューでみると空白になることがありました。
■ 対処方法
データセット内のプレビューのバグ っぽく、実際に分析画面で、データを確認したところ問題なく結合できていました。
プレビューでなにか問題が発生したら、分析で確認してみるのが良き。
③ Amazon Quicksightグループが削除できない
ユーザーベースのRLSの検証で、Amazon Quicksightのグループをいじっていたのですが、Amazon Quicksightのコンソール上でグループの削除が見当たりませんでした。
■ 対処方法
AWSのドキュメント確認していたら、グループはGUIでは消せず、 CLIで消す 必要があるという記述がありました。作成と編集はできるのに...!
グループを削除するコマンドはこちら。
aws quicksight delete-group --aws-account-id 111122223333 --namespace default --group-name Marketing-East
④ タグベースのRLSを有効化していると、分析画面で権限エラーとなりデータが見えない
タイトルどおりですが、タグベースのRLSを有効化すると、そのデータセットを利用したビジュアルがデータセットの所有者であっても、権限エラーとなりデータが見れなくなります。
■ 対処方法
ユーザーベースのRLSも有効化して、該当のAmazon Quicksightユーザーに許可設定をすると見れるようになります。
RLSはユーザーベースとタグベースどちらも有効化することができて、ホワイトリスト形式で、評価の順番として「ユーザーベース -> タグベース」 となるようです。ユーザーベースで許可されているユーザーは、タグベースのルールは適用されるAmazon Quicksightの分析でデータが閲覧できるようになります。
⑤ テキストの背景色が変更できない
ダッシュボードを作る際に、AWSのソリューションギャラリーを参考に作っていたのですが、ギャラリーではテキストの背景を変更していたのですが、実際にやってみるとテキストの背景を変更ができず、結構困りました。
文字の色は変更できるのですが、背景を変更ができない感じでした。
■ 対処方法
シートのレイアウトをフリーフォームに変更する と背景色を変更できるようになります。
フリーフォームに変更するとテキストボックスのフォーマットにスタイルという項目が表示されるようになります!
⑥ 数値の単位が K や M になる
Amazon Quicksightのビジュアルの数値の単位はデフォルトだと1Kや1Mなどの表記になっていて、エンジニアだと抵抗はないかもしれませんが、馴染みのない方からするとわかりにくい単位となっていました。
■ 対処方法
変更場所がわかりにくくて、[フィールドウェル - カウント形式 - その他のフォーマットオプション] から、[単位 - 単位なし] を設定する と、kなどに省略させずにすべて数値で表記されるようになります。
ちなみに、単位の設定で、プレフィックスやサフィックスの設定もできますので、設定してあげるとビジュアルが見やすくなります!
⑦ 別ユーザーに共有したカスタムSQLのデータセットが編集できない
カスタムSQLを利用したデータセットを別のユーザーに共有したのですが、共有されたユーザー側で編集しようとするとエラーとなり編集できない現象が発生しました。
基盤となるデータソースに接続するための十分なアクセス許可がないため、カスタムSQLを実行することができません
■ 対処方法
データセットだけでなく、 データソースにも、共有したいユーザーに所有者権限を付与する と、カスタムSQLを変更できるようになります。
クラスメソッドさんの記事で詳しく手順記載されていますので、こちらご参照ください。
最後に
Amazon Quicksightは利用するのに少し癖がありますが、慣れてくるとAWS上のデータとシームレスに連携できたり、意外と関数が充実していて分析が捗るので個人的には結構好きなサービスです。
AWS上にデータを持っている方はBIツールとして、是非一度Amazon Quicksightを利用してみてください!
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