デザイナーが開発メンバーと「みんなではじめるデザイン批評」を読んだ話
はじめに
こんにちは。
スターフェスティバル株式会社 デザイナーのshiraiです。
先日チームのエンジニアとPdMで輪読会を行い、「みんなではじめるデザイン批評」を読みました!
私はメンバーにこの本を紹介されるまで知らなかったのですが、 「デザイン批評」のやり方について考えさせられたのと、今後チームで生かせる内容だったので一部の要約と感想を共有します。
よろしくお願いします!
この本を読むきっかけ
きっかけは、チームのPdMが「デザイナーに何をフィードバックすればいいのか分からない」「デザイナーと円滑にコミュニケーションをとる方法が知りたい」と声を上げてくれたことでした。
それまでは、PdMが営業からのフィードバック内容をデザイナーに伝える方法をとっていたのですが、その際の伝え方を改善したいと悩んでいたそうです。
そこで弊社のエンジニアが推薦したのがこの本でした。
「どうせ読むんだったら、みんなで読もう」という流れになり、エンジニア3名・PdM・デザイナーの私の5人で読むことになりました。
どんな本?
デザイン批評について、簡単にまとめると以下の内容が書かれています。
- 批評とは何か
- 批評のルールと心構え
- 良い批評を生み出す組織とは
- 批評する側の「扱いにくい人たち」への対処法
批評をする側・される側のどちらが読んでも学べる本で、デザイン批評に限らずエンジニアがコードレビューの改善をする際のヒントにもなりそうです。
この記事では「批評とは何か」の部分について解説します。
批評とは何か
この本によると、批評とは 「批判的思考を用いて、デザインが望まれる目的を達成すると思われるかどうかを判断する分析方法」 のことを意味しています。
ここで出てくる「批判的思考」は何かというと、「意見を聞いてそれが正しいか間違っているかを判断するプロセス」のことです。
デザインへのフィードバック方法は、以下の3つの種類に分けられます。
ここで説明する3つ目が「批評」で、最も有益な方法です。
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反応
対象に感情ベースで感想を言うこと。個人的な期待や願望、価値観に突き動かされる。
このタイプのフィードバックからは、デザイン上の判断について具体的なことは明らかにできない。
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指示
一般的に助言または提案で始まる。
自分自身の期待にもっと沿ったデザインをしたいと思っているので、「私なら・・」「・・だといいのに」といったフレーズとその理由を発言する。
修正をしたあと、フィードバックをした人が最終的にデザインを気に入ったとしたら、その人に認めてもらうための「ToDoリスト」を提供してもらったことになるかもしれない。
しかし、その人に認められたデザインが必ずしも効果的なデザインであるかはわからない。
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批評
批判的思考を用いた分析であり、一番有益なフィードバックの種類。 制作したデザインが、「目的を果たしているかどうか」とその理由を発言する。
批評の重要な要素は3つ。- 分析対象が、デザインのアイディアのどのような部分かを具体的に説明している
- その部分を、目的に関連づけている
- その部分が、目的をいかに果たしているか、いないか、その理由を説明している
ここで言う「目的」とは、
- 人がタスクを完了できるようにする、実用的な目的
- コンバージョンを増やす目的
- 何人かで人をワクワクさせる、驚かせるという実験的な目的
...などなど、色々なタイプがある。
読んで思ったこと
自分のデザインのフィードバックをいただくときは、どんな伝え方をしてもらっていたかな〜と思い出しながら読んでいたのですが、上の3つのうち「指示」がフィードバックに適していないのは少し驚きました。
フィードバックは「自分の意見 + 理由」を伝えるのが一番いい形式だと考えていたからです。
ですがこの本を読んでから自分の経験を思い出してみると、「確かにこの本の通りかもしれない」と思いました。
私は開発以外のメンバーからデザインのフィードバックをいただくとき、デザインに対する知識を持った方でないと、意図に沿わない修正要望や質問をいただくことも結構あります。
そのような時は、全員が違う方向の発言をしているので、収拾が付かなくなってしまってる状態です。
そんな時に使えるのがまさに「批評」で使う「プロダクトの目的」や「機能の目的」だと思っています。
全員が同じ方向を向いてデザインのフィードバックをするためには、「目的に沿ったものになっているか」の方向でデザインを見れば、議論の収拾がつかなくなったり、自分起点でデザインの良し悪しを判断する、みたいなことを防ぐことができます。
まとめ
ここでは批評の種類に関して書きましたが、この本にはいい批評を生み出すための組織づくりのヒントも多く書かれています。比較的読みやすい本でした。
紙媒体の本はかなり値段が張るので、Kindleで読むのがおすすめです!
こちらで購入できます。
それでは終わります。
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