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ソフトスキル・エンジニアリング

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先日ナレッジング(Knowledging)の話をしましたが、もう少しわかりやすい言葉を思いついたので書きます。ソフトスキルです。

ソフトスキル・エンジニアリング

ソフトウェア・エンジニアリングではありません。ソフトスキル・エンジニアリングです。

背景

ソフトスキルは軽視されている

はっきり言います。ソフトスキルは軽視されています。いくつか例を挙げましょう:

  • マネージャー以上が使うものと考えられており、エンジニアは使わない
  • ビジネス臭がするし、技術的で具体的でもないため、エンジニアからは毛嫌いされがち
  • ソフトスキルとして想起されるものはごく一部であり、たとえば以下の重要なスキルはほとんど扱われていない:
    • 発想法
    • タスク管理
    • 非同期コミュニケーション
    • 情報発信、情報共有、透明性の確保
    • プレーンテキストや Markdown

VUCA で、DEIB で、生成AIな時代だからこそソフトスキルが重要

現代は難しい時代です。

  • 現代は VUCA です。先が読めない上に、変化が激しい時代とされます。
  • 現代は DEIB の時代でもあり、私達ひとりひとりの生活水準と基本的なリテラシーは向上しています。これを考慮しないと「選ばれない組織」になります。
  • て言うまでもなく生成 AI が盛り上がっています。エンジニアリングやプロジェクトの ボトルネックは私達人間自身です

このような難しい時代だからこそ、ソフトスキルが重要となります。

わかりやすい例で言うと、生成 AI の活用により、皆さんは「AIの出力を待つ」時間が増えたと思います。その間、どうやって過ごしていますか?

抽象化して言えば、皆さんは何十もの AI メンバーを管理するマネージャーのようなものです。その AI 達にお願いしたタスクの確認や、追加の依頼などはどのような優先順位で行いますか?また、頭の切り替え方や休憩の仕方も工夫せねばなりません。どうやっていますか?――このあたりの話は、ソフトスキルの一種である「タスク管理」を使うことで大部分を軽減できます。

しかし、タスク管理というジャンルはろくに開拓すらされていないのです。みなさんも聞いたことがないでしょう。プロジェクトにおけるタスク管理ではないですよ。自分のタスクを自分で管理する「個人タスク管理」の話です。

ソフトスキル・エンジニアリング

ソフトスキルの重要性に伴い、この度、私は新たなエンジニアリング・ジャンルを提唱します。

ソフトスキル・エンジニアリング です。SSE と略します。

SSE では以下を行います。

  • ソフトスキルの学習、キャッチアップ、整理
  • ソフトスキルのカスタマイズ
    • 既存のソフトスキルを微修正して、会社やチームや個人に当てはめやすくします
  • ソフトスキルの開発
    • 新しいソフトスキルをつくります
  • ソフトスキル・コンテキストの整理
    • 会社やチームや個人の、現状のソフトスキルの利用状況やスタンスを ソフトスキル・コンテキスト と呼びます

太字に注目してください。ソフトスキル自体に手を加えたり、新しくつくったり、もちろんスキルを使う実体の現状(コンテキスト)を調べたりもしています。SSE は専門的な営みです。ソフトウェアエンジニアがソフトウェアを扱い、エンジニアリングマネージャーが組織や人を扱うように、ソフトスキルエンジニアはソフトスキルを扱うのです。

私はソフトスキルエンジニアです

さて、私はソフトスキルエンジニアです。

普段はナレッジ・アーキテクトを名乗ろうとしていましたが、この概念は難解ですし、身近でもないためわかりづらいのです。ソフトスキルの方が伝わりやすいとわかってきたので、今後はまずソフトスキルエンジニアを名乗ろうと考えています。

私の成果物をご覧ください

SSE の例として、私がつくってきたソフトスキルをご紹介します。

おわりに

ソフトスキルの重要性が増していると思います。この度、ソフトスキルのエンジニアリングなるものを提唱させていただきました。

皆様もぜひソフトスキルと向き合ってみてください。生成 AI に頼ってもいいですが、正直言って 生成 AI がカバーするソフトスキルはごく一部であってきめ細かくありません。生成 AI の出力程度でどうにかなるなら苦労はしないのです(もちろん何もしないよりははるかに有意義ですが)。だからこそ、ソフトスキルエンジニアリングの整備が必要と考えます。

それではまた。

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