タスク管理の本を書きました
タスク管理の本を書きました
※無料で読めます。
どんな本?
個人のタスク管理を扱った本です
タスク管理には以下がありますが、
- 1 プロジェクトやチームにおけるタスク管理
- 2 親しい二者間で行うタスク管理
- 3 個人で行うタスク管理
本書は 3 の個人タスク管理を扱っています。
模索のお手伝いをします
個人タスク管理は本質的に個人的なものだと思っています。たとえば「最重要なタスクだけ上手くやりたい」人と「家事雑務の細かいタスクも全部制御しきりたい」人は全く違いますし、「多忙すぎて1日30分の余裕も取れない人」と「まあやることはあるけど1日4-5時間くらいの暇が恒常的にある人」もやはり違うわけで、必要なやり方や考え方も全く異なります。どちらが正しい、正しくないではなく、自分に合ったものを使えればいいのです。
しかし現状、タスク管理というものは各人各組織が好き勝手に述べている状態でとっ散らかっています。一方で、巷やビジネスの世界でよく知られているものや、もう少し狭くマニアや知識人の間で知られているものもあったりします。本書ではそのあたりを噛み砕くつもりで整理しました。これを参考やたたき台として読み漁ってもらい、読者の皆さまが自分なりに自分のタスク管理を模索していけたらいいなとの期待を込めています。
対象読者は?
「はじめに」でも述べていますが、以下のとおりです。
PC(パソコン)を使って活動していて、特に「タスク管理」という言葉を知っており、かつやり方や考え方やツールなどを自分なりに、まがいなりでもいいので取り入れている人
小難しい感じになっちゃってますが、デスクワーカーまたはそれに類する人であれば対象になると思います。一方で、そうであってもタスク管理なる世界とは無縁で生きている人もいて、そのような人にはおそらく全く刺さらないか、わからない可能性があります。筆者も正直見えていないところがあるので、つまみ食いでもいいので漁ってみて雰囲気を見てみると良いと思います。
本書の強みは?
「タスク管理」そのものを整理していること
玉石混交、未整理な分野である「タスク管理」の整理に挑んだ、数少ない例だと思います。当然ながら筆者による本書が唯一正しいはずなどありませんが、それでも整理されていることで「一つの解釈・切り口」とじっくりと向き合うことができます。
タスク管理は体系化こそされていませんが、皆さま各々が自分なりのやり方や考え方を持っているはずです。それらと向き合ったり、改善したり、はたまたタスク管理との向き合い方そのものを見つめ直したりするのに(整理された形でどっしりと存在する)本書は役立つと思います。たとえば「ここは共感する」「ここはそうは思わない」など比較しながら読み進めると良いでしょう。
タスク管理に関連する周辺概念も取り上げていること
タスク管理は、実はタスク管理そのものよりも、その周辺概念こそが重要だったりします。たとえば予定(イベント)、格言(モットー)、メモといった概念はよく聞くと思いますし、習慣やコンテキストや割り込み、振り返りなどビジネスやライフハックでも聞きそうな概念も色々とあります。また、タスクで忙しすぎる状況そのものを何とかすべしという視点(盤外戦)もあります。
私たちはタスク管理がしたいのではなく、タスク管理「も」用いて人生を上手く過ごしたいのです。であれば、無理にタスク管理にこだわる必然性などなく、その周辺に浮いている概念にも目を向けて、取り入れていくこともまた有益だと思います。本書では周辺の解説にも力を入れていますので、ぜひ参考にしてください。
タスク管理に向いていない人、にも切り込んでいること
正直に言えば、タスク管理という営みには明確に向き不向きがあります。本書ではこの残酷な現実とも逃げずに向き合います。そのため、向いてないからと今まで食指を伸ばしてこなかった人にとっても、提供できる価値があると考えます。
戦略やスタンスなど「色んなあり方」を俯瞰した章もありますので、ぜひご自身に合いそうなもの(あるいは「合うものはない」と叩きつけられるかもしれませんが)を探してみてください。
参考文献が豊富であること
書籍やウェブサイトはもちろん、ツールとメソッドについても今回執筆にあたって色々と参考にさせていただきました。参考文献のページにてまとめておりますので、読者の皆様はここから発展していくこともできるでしょう。
新しいタスク管理のあり方が提案されていること
本書終盤では文芸的タスク管理や探索的タスク管理など、新しいタスク管理のあり方を提案しています。
タスク管理は「管理」の側面が強いですが、一方で現代は VUCA ともいわれ、また生活水準も上がって(多忙な生活や高負荷な環境に身を置かなければ)私達自身の生活の融通も利きやすくなりました。このような時代では、各自が各自の意思に則って自ら動いていく自律性が求められます。しかし従来の「管理」的なあり方は、ここを阻害します。タスク管理も含めて、事前に決めた予定や計画、あるいは上から降ってきた命令をただただこなす機械となりがちです。
そうではなく、現代らしい、自律性をベースとしたあり方もあるのだということを本書終盤で示していきます。このような新しいタスク管理のあり方に切り込む試みは本書だからこそと思います。
おわりに
タスク管理というと堅苦しい言葉ですし、本書も 52 万文字ものボリュームになってしまいましたが、読み物としてお気軽にお読みいただければと思います。ご意見ご感想なども、あればぜひお気軽にお寄せください。
p.s. 表紙は ChatGPT でつくりました。それっぽいものはかんたんにつくれますが、細部を煮詰めるのは難しいんですね……。
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