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Chat And Away(チャットアンドアウェイ)

2022/06/25に公開

Chat And Away(チャットアンドアウェイ)とは

  • チャットで声をかける際、「これを見てください」「こっちで話し合おうぜ」と誘導すること
  • 特にメンションやDMで声をかけるシチュ
  • 誘導後は原則そっち(誘導した先)でやりとりする
    • チャット上でコメントする、なんてことはしない
  • 名前は Hit and Away からもじった

※以下 CAA と略します。

テック企業では、以下のパターンで行いやすいと思う。

  • チャットは Slack
  • 誘導先は
    • GitHub の Issues や PR
    • esa.io や Scrapbox などの Wiki
    • Dropbox paper や Box Notes など同時編集可能なエリア

別の表現

「体育館裏に連れていく(ちょっと体育館裏まで来いよ)」とたとえる人もいる。

何が嬉しいか

  • 拘束されないこと
    • 普通にチャットでやりとりすると、きりがよくなるまでお互い拘束される
    • CAA だと、誘導先で非同期テキストコミュニケーションができる
  • 高密度にやりとりできること
    • 普通にチャットすると、一次元的にメッセージを流すことしかできない
    • CAA だと、誘導先で長文や cline も書ける
  • あとから辿りやすいこと
    • 普通にチャットしただけだと、後から辿りづらい
    • これは何も一ヶ月後に探すシチュだけでなく「昨日話してたあの件、どこに書いたっけ」も含む
      • 誘導先では「ページ」等の概念があるため、後からアクセスしやすくて便利
      • たとえばブラウザでブクマしておけば、アドレスバーからインクリメンタルサーチできる

非同期テキストコミュニケーションだけではダメなのか?

Ans: ダメなことはないが、「今すぐ見てほしい」といった場合に対処できないから厳しい。

  • こういう時は「肩を叩く」ような割り込み動作が必要
    • 現実では声かければいい
    • チャットではメンションやDMがある(相手に通知が飛ぶ)
  • リモートだとチャットしか手段がない

※余談だが、筆者はこのあたりをもっとスマートに(チャットという原始的な割り込み装置に頼らずに)何とかしたくて、色々研究している。たとえば ToDD(トピック駆動開発) - stakiran研究所

CAAのやり方

1: まずは手段を揃える

  • チャットが必要
  • 誘導先に耐えうるツールが必要
    • ページ(あるいはこれ相当)の概念があり、permalink があること
    • ページ内で同時編集ができること
    • 箇条書きで書けること
    • コードを書けること(Box Notes や OneNote はこれがないからキツイ)
    • プレーンテキストで書けること(コピペしやすくて親和性が高い)
    • 画像を張れること(特にコピーした画像をペーストするだけでアップロードできること)
    • 「私が書きました!」という目印を残せること
      • 今のところ、Scrapbox がアイコン記法を備えているくらいか

2: 啓蒙する

各メンバーは以下を押さえる必要がある。細かい部分はもちろんカスタマイズしても良いし、するべき(最適解はチームや状況によって違う)。

以下の意識を持つ。

  • Stoic …… できるだけ誘導先で議論する
    • チャット上での議論をゼロに近づける
    • もちろんプライベートな相談、機密、人事系など外に出せないものは除く
  • As Need …… 声をかける(チャット上でメンションを行う)タイミングは以下
    • 早急に見てほしいとき or 相手がずぼらで「言わないと見てくれない」とき
    • 一通り書き込んだ人がその旨を伝えるとき
  • Open …… やりとりしている当人以外のメンバーも、誘導先では自由にコメントして良い

必要なら雑談的なテーマや事務連絡用途などでまずは練習する。

3: Let's try and enjoy!

CAA は概念上はかんたんに見えるが、意外とムズいのでやってみることが大事だと思う(チャットで普通に話せば済む → 誘導先に誘導する、のシフトは割とパラダイムシフトレベルの大きな転換になりがち)。

参考

CAA は Scrapbox 界隈のプラクティスを筆者なりに咀嚼してまとめたものである。

ゆえに参考情報は今のところ Scrapbox 絡みしかないが、

  • Scrapboxing(スクラップボクシング) | Kindleストア
    • 拙作だが Scrapbox の本
    • Scrapbox ネタがメインだが、CAA 含めて非同期テキストコミュニケーションのエッセンスも盛り込んでいる
  • Day2 質問・雑談コーナー (2021) - Nota TechConf
    • Scrapbox 開発元 Nota 社によるカンファレンス会場
    • 誰でも自由にコメントでき、当日かなり盛り上がった
    • ここでも CAA や非同期テキストコミュニケーションのエッセンスが色々出ていると思う
    • 特に ここ がわかりやすい
      • 指示やお願いはslack、議論や相談をscrapboxですね

      • 聞きたいことをScrapboxにまとめてからSlackにURL投げたりしてますね

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