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Chat And Away(チャットアンドアウェイ)
Chat And Away(チャットアンドアウェイ)とは
- チャットで声をかける際、「これを見てください」「こっちで話し合おうぜ」と誘導すること
- 特にメンションやDMで声をかけるシチュ
- 誘導後は原則そっち(誘導した先)でやりとりする
- チャット上でコメントする、なんてことはしない
- 名前は Hit and Away からもじった
※以下 CAA と略します。
例
テック企業では、以下のパターンで行いやすいと思う。
- チャットは Slack
- 誘導先は
- GitHub の Issues や PR
- esa.io や Scrapbox などの Wiki
- Dropbox paper や Box Notes など同時編集可能なエリア
別の表現
「体育館裏に連れていく(ちょっと体育館裏まで来いよ)」とたとえる人もいる。
何が嬉しいか
- 拘束されないこと
- 普通にチャットでやりとりすると、きりがよくなるまでお互い拘束される
- CAA だと、誘導先で非同期テキストコミュニケーションができる
- 高密度にやりとりできること
- 普通にチャットすると、一次元的にメッセージを流すことしかできない
- CAA だと、誘導先で長文や cline も書ける
- あとから辿りやすいこと
- 普通にチャットしただけだと、後から辿りづらい
- これは何も一ヶ月後に探すシチュだけでなく「昨日話してたあの件、どこに書いたっけ」も含む
- 誘導先では「ページ」等の概念があるため、後からアクセスしやすくて便利
- たとえばブラウザでブクマしておけば、アドレスバーからインクリメンタルサーチできる
非同期テキストコミュニケーションだけではダメなのか?
Ans: ダメなことはないが、「今すぐ見てほしい」といった場合に対処できないから厳しい。
- こういう時は「肩を叩く」ような割り込み動作が必要
- 現実では声かければいい
- チャットではメンションやDMがある(相手に通知が飛ぶ)
- リモートだとチャットしか手段がない
※余談だが、筆者はこのあたりをもっとスマートに(チャットという原始的な割り込み装置に頼らずに)何とかしたくて、色々研究している。たとえば ToDD(トピック駆動開発) - stakiran研究所
CAAのやり方
1: まずは手段を揃える
- チャットが必要
- 誘導先に耐えうるツールが必要
- ページ(あるいはこれ相当)の概念があり、permalink があること
- ページ内で同時編集ができること
- 箇条書きで書けること
- コードを書けること(Box Notes や OneNote はこれがないからキツイ)
- プレーンテキストで書けること(コピペしやすくて親和性が高い)
- 画像を張れること(特にコピーした画像をペーストするだけでアップロードできること)
- 「私が書きました!」という目印を残せること
- 今のところ、Scrapbox がアイコン記法を備えているくらいか
2: 啓蒙する
各メンバーは以下を押さえる必要がある。細かい部分はもちろんカスタマイズしても良いし、するべき(最適解はチームや状況によって違う)。
以下の意識を持つ。
- Stoic …… できるだけ誘導先で議論する
- チャット上での議論をゼロに近づける
- もちろんプライベートな相談、機密、人事系など外に出せないものは除く
- As Need …… 声をかける(チャット上でメンションを行う)タイミングは以下
- 早急に見てほしいとき or 相手がずぼらで「言わないと見てくれない」とき
- 一通り書き込んだ人がその旨を伝えるとき
- Open …… やりとりしている当人以外のメンバーも、誘導先では自由にコメントして良い
必要なら雑談的なテーマや事務連絡用途などでまずは練習する。
3: Let's try and enjoy!
CAA は概念上はかんたんに見えるが、意外とムズいのでやってみることが大事だと思う(チャットで普通に話せば済む → 誘導先に誘導する、のシフトは割とパラダイムシフトレベルの大きな転換になりがち)。
参考
CAA は Scrapbox 界隈のプラクティスを筆者なりに咀嚼してまとめたものである。
ゆえに参考情報は今のところ Scrapbox 絡みしかないが、
-
Scrapboxing(スクラップボクシング) | Kindleストア
- 拙作だが Scrapbox の本
- Scrapbox ネタがメインだが、CAA 含めて非同期テキストコミュニケーションのエッセンスも盛り込んでいる
-
Day2 質問・雑談コーナー (2021) - Nota TechConf
- Scrapbox 開発元 Nota 社によるカンファレンス会場
- 誰でも自由にコメントでき、当日かなり盛り上がった
- ここでも CAA や非同期テキストコミュニケーションのエッセンスが色々出ていると思う
- 特に ここ がわかりやすい
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指示やお願いはslack、議論や相談をscrapboxですね
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聞きたいことをScrapboxにまとめてからSlackにURL投げたりしてますね
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