Raylib の環境構築
概要
2Dグラフィックライブラリ Raylib の開発環境を構築する。
CMake と git を使ってなるべくモダンなプロジェクト管理を目指す。
動作確認環境
Windows 11 24H2
Visual Studio 2022
Raylib 以外の選択肢
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DX ライブラリ
日本語ドキュメントが充実しているが、逆に日本語以外のコミュニティはないかもしれない。
環境を割り切るなら、かなり使いやすく、有望。 -
SFML
シンプルかつ C++ なので割といいバランスかもしれない。 -
openFrameworks
メディアアート向け。
高機能な分、学習コストが少し高いらしい。 -
SDL
上級者向け。
カスタマイズ性が高いともいえるが、素の機能が限られており、画像ファイルの読み込みだけでも苦労する。
環境構築
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CMake
クロスプラットフォームのファイル構成管理で使う。
公式 からダウンロードしてインストール。
普通の Windows であれば Windows x64 Installer が楽。 -
git for Windows
ソースコードのバージョン管理で使う。
公式 からダウンロードしてインストール。
ユーザー名とメールアドレスを設定しておく。
git config --global user.name (ユーザー名)
git config --global user.email (メールアドレス)
ターミナルを管理者権限で起動してデフォルトのブランチ名を main に変更する。
git config --system init.defaultbranch main
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vcpkg
パッケージのインストールで使う。
公式のインストール手順
2-1 の環境変数の設定まで実施。
vcpkg を継続的に使用する場合はシステム環境変数を設定しておく。 -
Raylib
Raylib のインストール
vcpkg install raylib
vcpkg と CMake や Visual Studio を連携させる。
成功すると cmake 実行時に指定すべきオプションが表示される。
vcpkg integrate install
Raylib を使うプロジェクトの作成
適当な名前のフォルダを作成してファイルを置く。
project-root/
├── main.cpp
├── CMakeLists.txt
├── .gitignore
└── build/
#include "raylib.h"
int main(void)
{
SetConfigFlags(FLAG_MSAA_4X_HINT); // anti-aliasing
InitWindow(800, 600, "Raylib Example");
while (!WindowShouldClose())
{
BeginDrawing();
ClearBackground(RAYWHITE);
DrawCircle(400, 300, 50, RED);
EndDrawing();
}
CloseWindow();
return 0;
}
anti-aliasing は任意。
cmake_minimum_required(VERSION 3.10)
project(MyRaylibProject)
find_package(raylib REQUIRED)
add_executable(MyRaylibProject main.cpp)
target_link_libraries(MyRaylibProject raylib)
if(WIN32)
set_target_properties(MyRaylibProject PROPERTIES
LINK_FLAGS "/SUBSYSTEM:WINDOWS /ENTRY:\"mainCRTStartup\""
)
endif()
LINK_FLAGS の指定を省くと、ビルドしたプログラムの実行時にコンソールが表示される。
printf でいろいろ表示できるのでデバッグには便利。
build
build フォルダを git の管理から除外する。
build フォルダ内で cmake を実行する。
オプションのフォルダ指定は vcpkg をインストールした場所に合わせること。
cmake .. -DCMAKE_TOOLCHAIN_FILE=C:/project/vcpkg/scripts/buildsystems/vcpkg.cmake
.sln ファイルが生成されるので、Visual Studio で開く。
"ALL_BUILD" がスタートアッププロジェクトになっているので、自分のプロジェクトに変更する。
あとはビルドして実行。
GitHub
GitHub に登録してサインインする。
GitHub 上で新しいレポジトリを作成する。
名前以外はデフォルトでいいが、気になる場合は private にしておく。
プロジェクトフォルダで以下を実行してレポジトリを初期化。
git init
git status で確認。
$ git status
On branch main
No commits yet
Untracked files:
(use "git add <file>..." to include in what will be committed)
.gitignore
CMakeLists.txt
main.cpp
nothing added to commit but untracked files present (use "git add" to track)
レポジトリにファイルを追加してコミット。
git add .
git commit -m"raylib sample"
GitHub で作成したレポジトリと対応させてプッシュ。
git remote add origin https://github.com/ssknaoya/raylibtest.git
git push origin main
GitHub 上で見えるようになる。
ローカルの main と GitHub にある main を対応させる。
git branch --set-upstream-to=origin/main main
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