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mocopiの通信をリモートPCに送信する

2023/01/29に公開

サマリー

mocopiは、2023年1月20日にSonyから発売されたモバイルモーションキャプチャーデバイス(動きを記録するための機器)です。
500円玉サイズの6つのセンサー(頭, 腰, 左右の腕, 左右の足首)を装着し、Bluetoohで接続したスマートフォンのアプリケーション上で処理を行います。

ところで、mocopiのスマートフォン向けアプリ(以下mocopiアプリ)には、動きのデータをリアルタイムで送信する機能が用意されています。
今回は、同じネットワーク(Wifiなど)上にない端末にデータを送信する方法を説明します。

具体的には、以下のようなケースで活用できます。

  • 外出先から、Virtual Desktop を使用して自宅のPCに接続してPCVRを楽しみたい(手元にmocopi・スマホ・Quest2がある)
  • GCP(GCE)、AWS(EC2)、Paperspace、PlutoSphere等におけるクラウドゲーミングにおいて、mocopiを使いたい
  • 手元にmocopi・スマホがあり、遠隔地にデータを送ってリアルタイムで処理したい
  • (その他、良い活用方法がございましたらお知らせください)

WireGuardとTailscale

WireGuardとTailscaleについて、今回のケースで関係する部分に絞って、簡単に特徴をご紹介します。

WireGuard

  • VPNソフトウェア
  • オープンソース
  • クロスプラットホーム(Windows/macOS/iOS/Android)
  • シンプルなUI
  • モダンで高速な暗号方式(Curve25519, ChaCha20, Poly1305, BLAKE2s etc.) & ステルス性
  • Allowed-IPで、特定のアドレスに対する通信のみ転送可能 --> 特定の通信のみVPNトンネルを通し、それ以外の通信には影響しない

Tailscale

  • WireGuardベースのVPNサービス
  • 20台まで無料(Personalプラン)
  • 従来のVPNサービスと全く異なり、匿名リレーを提供せず、接続したデバイス間の通信を転送
  • ポイントツーポイント(ピア・ツー・ピア)接続

セットアップ

Tailscaleのユーザー登録

Tailscaleの公式サイトにアクセスしてください。

Use Tailscale for freeやUse Tailscaleをクリックしてください。

Google, Microsoft, GitHubのいずれかのアカウントで登録してください。

Googleの場合、上の画面でSign up with Googleをクリックすると、以下のような画面が表示されます。普段お使いのGoogleアカウントでログインしてください。ログイン後、データ共有の同意画面が表示された場合は許可してください。

登録が完了すると、以下のような画面が表示されます。


Tailscaleのインストール

mocopiアプリを使用するスマートフォンと、mocopiの通信を受信したい端末にインストールしてください。

Windows

以下のURLからインストーラーをダウンロードして実行してください。

インストールに必要な権限を求められますので、Yes(はい)をクリックしてください。

利用規約を確認後チェックマークにチェックを入れてから、Installをクリックしてください。

インストールが完了すると以下の画面が表示されます。Launch(起動)をクリックしてTailscaleを起動してください。

ログインが必要な旨が通知されますので、通知をクリックしてください。通知が表示されない場合、メニューバーのTailscaleのアイコンを右クリックして、Loginをクリックしてください。

ユーザー登録に使用したアカウントでログインしてください。

Connectを押してデバイスを登録します。

以下のような画面が表示されたらログイン完了です。

スマートフォンからの通信を許可するには、メニューバーのTailscaleのアイコンを右クリックし、PreferencesのAllow incoming connectionsにチェックを付けてください。

Mac

Mac App Storeからインストールし、ログインしてください。

iOS

App Storeからインストールしてください。

インストールが完了したら、アプリを開いてください。以下のような画面が表示されます。

以下のようにVPNの許可を尋ねられますので、許可をクリックしてください。

端末のパスワードを入力して続行します。

Tailscaleへのログインを求められますので、続けるをクリックしてください。

ユーザー登録に使用したアカウントでログインしてください。

Connectを押してデバイスを登録します。

Stoppedとなっている場合は、左のスイッチをクリックしてActiveに切り替えてください。

Activeと表示されたら準備完了です。

Android

Google Playからインストールしてください。

インストールが完了したら、アプリを開いて指示に従ってください。VPN接続がActiveになれば設定完了です。


mocopiアプリからの送信

まず、Tailscaleアプリでデータを送信したい(データ送信先)端末のipアドレスを確認してください。
以下の画像で100.xxx.xxx.xxxとなっている部分がipアドレスです。


  • VRChatで使用する場合
    MoguraVR様の以下の記事等をご覧ください。送信先のIPアドレスはTailscaleアプリで確認したものを指定してください。


  • Unity, MotionBuilder等で使用する場合
    Sony公式サイトに方法が記載されていますので、こちらをご確認ください。


あとがき

mocopiは低価格帯モーショントラッキングデバイスの中でも知名度が高く、有志による周辺ソフトウェア/ハードウェアの開発が活発に進められています。
この記事を書いている途中にも、「VR用の機器(HMD)なしで」メタバースSNS(VRChat)上での全身のトラッキングを可能にするツールが公開されました。

メタバース参入への障壁が下がっている中、この記事が少しでも参考になれば幸いです。

ps ご質問等はこの記事のコメントかTwitterのDMにてお知らせください。可能な限りお答えいたします。

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