物流展に行ったら搬送ロボットAGV/AMRが元気に動き回っていて楽しくなりました
はじめに
SREホールディングス株式会社のエンジニアの木津です。
SREホールディングスが開発に関わっているシステムに、倉庫向けのシステムがあります。
そんな御縁から、少し前に物流業界のさまざまな最新技術が集う物流展に参加してきました。月並みな感想ですが、とてもおもしろかったです!
参加したのは、国際物流総合展2025です。
今携わっているのが倉庫向けのシステムなので、物流の中でもとくに倉庫に関係のあるところについて、私がおもしろいと思った、3つのポイントをご紹介します。
こんな人におすすめの記事です
- ロボットが好き
- 物流展の様子や最新の技術動向を知りたい
- 倉庫で役立つロボットや機械を知りたい
物流展おもしろポイント1:機械が動く
機械が動くなんて当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、普段ウェブアプリの開発をしているからか、画面の中ではなく、実際のモノが動いていること自体がとてもおもしろいです!見ていて飽きません。
倉庫で活躍する機械(マテハン機器)には、一般に以下のようなものがあります。(参考)
| 目的 | 機械の名前 |
|---|---|
| 荷物を移動する | フォークリフト コンベア 垂直搬送機 AMR(搬送ロボット) / AGV(無人搬送車) |
| 荷物を載せる、取り出す | パレタイザ / デパレタイザ バンニング/デバンニングシステム |
| 荷物を仕分ける | ソータ― ピッキングシステム |
| 荷物を保管する | 自動倉庫システム |
さまざまな機械がありますが、展示会の中で特に気になった、人の動きに近い搬送系のロボットについて詳しくご紹介します。人の代わりに、荷物を取り出したり運んだりと、倉庫内を動き回ります。人の代わりの動きをするからか、愛くるしさを感じます。
搬送系ロボット
人が歩く動きを代替し、物を搬送するロボットです。搬送系ロボットは、走行方式の違いによりAGVとAMRの2つにわけられます。(参考)
| 通称 | フルネーム | 日本名 | 走行方式 |
|---|---|---|---|
| AGV | Automated Guided Vehicle | 無人搬送ロボット | 床に配置したQRコードや磁気テープを読み取り、外からの指示をもとに走行する |
| AMR | Autonomous Mobile Robot | 自律走行ロボット | レーザーや画像認識などにより周囲の物や人物を検知、目的の場所まで自律移動する |
要は、外からの指示で動くか、自分で考えて動くか、です。
以下では、展示会で実際に見たAGV/AMR を、2点ピックアップしてご紹介します。
Geek+ のRoboShuttle
見てください、この青い箱(バケットといいます)を載せて、せわしなく動き回っている機械が、AGV/AMR です。とてもかわいらしいではないですか。(そしてもちろん役にも立ちます)
実際に間近で見て、とくにかわいらしさを感じるのが、動き出し、加速、ストップの加速度変化のスムーズさです。ビュン、ときて、スッと止まる感じでした。これは荷物の安定搬送にも寄与しそうです。
ソニーのAMR
ソニーのブースもあって、AMRの展示がありました。

ソニーセミコンを含む3社で共同開発した3Dセンシングシステムが使われていて、AMR本体は武蔵精密工業が提供しています。使用するセンサーやスキャン方式を工夫することで価格も抑えているそうです。
AMRの写真(MONOist)
展示会の記事(MONOist)
ソリューション紹介(ソニーセミコン)
物流展おもしろポイント2:世界の認識とAMRのキモチ
さて、AMRの気持ちになってみましょう。
Geek+とソニーのAMRをみましたが、世界の認識の方式に大きく違いがありました。
- Geek+ ⇒ 床に貼り付けられたQRコード
- ソニー ⇒ カメラ的なセンサー
QRコードのほうは、あらかじめ方眼紙や京都のようなマス目があり、その目印を頼りに世界を認識します。一方、カメラ的なセンサーのほうは、目に映る物体を、その物体の形をもとに世界のマップを作っていきます。
要は、QRコードのほうが、圧倒的に世界がシンプルなのです。逆に言うと、センサーのほうが圧倒的に精細に世界を認識しています。
ここにはトレードオフがありそうです。シンプルな方がさまざまな最適化を行いやすいので、スピード効率などの面でメリットがありそうです。反面、複雑な状況への対応や変化に弱かったりするのかもしれません。なので導入時には、何がほしいかを見据えて、シンプルな状況を仮定できるのかどうかなども踏まえて採用方式などを検討するとよいのかもしれません。
そんな風に、AMRのキモチに思いを馳せてみるのもおもしろいですね。
物流展おもしろポイント3:人ヲ助ク
機械が自立して動くのもおもしろいですが、人を助けてくれる機械も大いに役に立ちそうでした。
展示会で見た中で、セグウェイのような乗り心地の搬送機器が気になりました。
(セグウェイ乗ったことないけど..)
ロジカルイノベーションズのSmart Carry
行ったり来たり、まっすぐ進んだり曲がったり、会場でのなめらかなデモ走行に見とれました。
機械化は進めたいけど、全自動にできるほど予算もないし、業務も規格化できない...
そんなシチュエーションでの導入にとってもよさそうです。
AGV/AMRは、それらが効率的に動いてくれるようにするために、導入の準備がいろいろと必要そうですが、人が機械を操るセグウェイ形式なら、導入も簡単そうです。
人がカートを押すのをエンハンスしてくれるという意味で、ヒューマンオーグメンテーションのひとつとも言えるのかもしれません。
おまけ
そして、何といっても自分の携わるサービスが大々的に展示されているのがうれしかったです。
X Network のCOLD X NETWORK
「クロス・ネットワーク」の、「コールド・クロス・ネットワーク」と読みます。
冷凍倉庫を使いたい、探している、という方に便利に使ってただけるかと思います!

まとめ
いかがでしたか。物流展のエキサイティングな雰囲気が少しでも伝わっていたらうれしいです。
この記事では、倉庫内で人が行う小規模搬送作業を効率化する機械にフィーチャーしていますが、会場では本当にさまざまな機械やサービスが展示されていて、こういったものが人を助け、物流を支えているのだなと思いました。
オフィスの中で考えを巡らせるのもよいですが、実際に足を運んだり、実物を見たりすると、さまざまな発見があっておもしろいものですね。
みなさんも機会あれば、ご自身の携わる業界の展示会にぜひ足を運んでみてください!
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