実践英語 - とあるソフトウェアエンジニアの方法論
大英博物館 ロゼッタストーン
記事のねらい
読者の英語力が上がる
注意
科学的根拠はありません。再現性も未確認です。とあるソフトウェアエンジニアがチラシの裏を公開した程度に過ぎません。
筆者の英語力
ネイティブレベルの英語力は持ってませんが、アメリカで7年以上働いてます。
OctopusをOculusに聞き間違えられることはないと思います。たぶん。
と、さりげなく、どこで働いているか暗示してみたところで、本題に入ります。
ロードマップ
この記事は、とあるソフトウェアエンジニアが実践として語る、英語学習の方法論です(6年間の実体験を元に、http://blogger.splhack.org/2014/09/blog-post.html を洗練させたものです。前述通り、科学的根拠はありません。アメリカの会社のコーディングインタビューを通り、一日中英語だけの環境で働きながら、他のソフトウェアエンジニアのメンターまでしてる、とあるソフトウェアエンジニアが、チラシの裏を公開した程度に過ぎません)。
大きく分けて、2つ。
- 20の努力で80の成果
- 80の努力で残りの成果20
重要なこと
- 正解も間違いもない。通じさえすればなんでもいい。
- 単語帳よりストーリー。
- 順番は気にしない。好きなことから伸ばす。
- 本は流し見て、どこに何が書かれているか把握しとく。
- Give Up Is Not An Option。
コミュニケーションを取るのは、読者であるあなた。GitHubのIssuesで英語を書かなければならない、コーディングインタビューを通らないといけない、ミーティングで発言しないといけない、様々な理由があると思います。ただ、ほとんどの場合は、英語を使うこと自体が目的ではなく、英語は手段に過ぎないと思います。極端な話、うまい偶然が重なれば、日本語だけでもコーディングインタビューを通ることは不可能ではないと思います。どういう表現をしようが、ネイティブが使わない言い回しだろうが、敬意がまるでない若者言葉であろうが、そのコミュニケーションの結果により不利益が生じなければ何ら問題はありません。人間の英語シンタックスエラーチェックは、Javascriptインタプリタよりゆるいです。
ただ、不利益を被りたくなければ、基本的な英単語を記憶し、無難な表現を学び、確立された会話の型に沿う。これで、問題を発生させずにコミュニケーションを成り立たせることができます(最悪自分がしゃべってる英語の内容が自分自身でわからなくても、コミュニケーション自体は成り立ちますよね)。
単語帳による英単語の記憶、さまざまな方法で効率化できるとは思いますが、いくら科学的根拠があろうが、読者であるあなたが記憶できなければ、どんな方法であれ、読者であるあなたには無意味です。記憶できたとして、人間とのコミュニケーションで使えなければ、やはり読者であるあなたには無意味です。単語帳よりは、あくまでも経験則ですが、ストーリーを使った、コンテキストをともなった学習の方が記憶している確率が高くないですか?
20の努力で80の成果
- はじめの一歩 - 英語のキモチ
- かんたんな英単語
- もっとも重要な英単語
- シャドーイング
- 会話の型
- ロジック
- 文法
- オンライン英会話
- 会話の流れとカルチャー
- コーディングインタビュー
1. はじめの一歩 - 英語のキモチ
『3ヶ月トピック英会話 ハートで感じる英文法 DVDセット』
もう新品売ってませんし、もはやDVDってなんですかレベル? レーザーディスク? ドラゴンズレア? NHKはストリーミング販売できるようにすべし。過去形=ていねい、とか重要な点をストーリーつきでわかりやすく解説。
2. かんたんな英単語
単語帳で英単語を覚える、とか不可能だと思いませんか。筆者は無理です。記憶するためには、ストーリーが不可欠だと思うんです。この本は「藪からstick」的なルー語ベースで、ストーリーつきなので、記憶しやすいです。「ルー語」とか、現代日本で通じるのか不安ですけども。ドラゴンズレアよりはいけるはず。
3. もっとも重要な英単語
まずはTED Talkをどうぞ。
2801個英単語を覚えれば、一般的な英語の92%はカバーできる、という『NEW GENERAL SERVICE LIST』。まさに20の努力で80の成果。左上のNGSL TOOLSリンクから、各種フラッシュカードWebアプリや、スマフォアプリにアクセスできます。
が、筆者的には前述通り、もうフラッシュカードとかで覚えるのは不可能なので、『英単語おぼえ放題』形式の本が出てくれればな、と思います。そもそもフラッシュカードはつまらないので、どんどん先に進んで、また時々思い出したときにちょっとだけ見てみる、とかでいいと思います。
4. シャドーイング
どんなコンテンツでもかまいません。誰かの英語を、その人になりきってなぞりながらしゃべる。最初はゆっくりしゃべってるコンテンツがいいでしょう。『多聴多読マガジン』は、スピード調整した音声が入ってるので便利です。
発音記号を一つ一つ練習する地道な方法もあると思いますが、発音記号を一つだけ発声する機会なんて日常生活には存在しないので、会話をシャドーイングする方が効果的かと思います。
「この単語はこのつづりだから、こう発音すべき」とか考えない。同じ波形を出すことに集中する。
5. 会話の型
『最低限の単語力でもてっとりばやく英語が話せる 日本人1万人を教えてわかったすぐに話せる50の方法』
あれです。「(反論の呼吸 壱の型!) Sorry, but」「(確認の呼吸 参の型!) What do you mean by」的にいくと盛り上がると思います。この本のしゃべりだしで大半カバーできるので、まさに20の努力で80の成果。
6. ロジック
『ロジカル・リーディング 三角ロジックで英語がすんなり読める』
英文における、論理の型を学ぶ。英語関係なく使えるツール。論理による話の流れが把握できさえすれば、多少わからない単語が混じっていても、言いたいことがわかる。しゃべる時も、論理がしっかりしていれば、皆まで言わずとも言いたいことが分かってもらえる。You know what I mean? (= when you think that the person listening understands and so you do not need to say any more.)
7. 文法
『一億人の英文法 すべての日本人に贈る「話すため」の英文法』
文法におけるすべてが詰まってます。それだけに分厚い。通してじっくり読んだりしようとすると、まず間違いなく挫折するので、ざっと読み飛ばす。どこに何が書いてあるか、大雑把に把握する。ある文法に気づいたときに読み返す。辞書的に使う。
この本(だけに限りませんが)、一部の層に嫌われているんですが、わたしには理由はわかりません。自然言語はプログラミング言語ではない。それ故に、100%誰にでも常に通じるしゃべり方、は存在しない。体系立てて後付けで"文法"を構築してみたが、結局例外だらけで運用依存。その運用されている状態を、再現できるようにマニュアル化したのがこの本。
英語で英文法を学ぶという手も取れますね。Chicken or the Egg Paradox。
- https://learnenglishteens.britishcouncil.org/grammar/beginner-grammar
- https://learnenglishteens.britishcouncil.org/grammar/intermediate-grammar
8. オンライン英会話
どこも無料体験あるんで、あたって砕けましょう。
講師に教えてもらう姿勢ではなく、いかに講師をユーモアで笑わせられるか。
9. 会話の流れとカルチャー
『English the American Way: A Fun ESL Guide to Language and Culture in the U.S.』
日常会話における、会話の型、言い回し、カルチャーなど、ストーリーを通して学びます。オンライン英会話で試せますね。
10. コーディングインタビュー
『Cracking the Coding Interview: 189 Programming Questions and Solutions』
やっとZenn記事っぽくなりました。ソフトウェアエンジニアですからね。やはりコーディングインタビューは突破したいですよね。ひょっとしたら、あなたのオンライン英会話の講師も、ソフトウェアエンジニアリングを受講している学生かもしれません。一緒に学べるかも。
コーディングインタビューを模したビデオがYoutubeで見れます。
80の努力で残りの成果20
実践的実戦編。
- テレビ/映画
- イディオム
- 言い回し
- スラング
- 単語
- 作文
テレビ/映画
ソフトウェアエンジニアとしては、HBO シリコンバレーは外せません。ビル・ゲイツも「シリコンバレーを理解したいのならドラマ『シリコンバレー』を見るべき」と言ってます。がっつり見ましょう。
シリコンバレー的映画
好きなコンテンツを見るだけで、英語力が上がるわけですから、好きなだけ見たらいいんです。
イディオム
『Essential Idioms in English: Phrasal Verbs and Collocations』
いかに簡単な単語の組み合わせで成り立っているか、て話です。ストーリーに欠けるため、これで記憶するのは困難ですが。
言い回し
As far as I know とか、誰もが使ってる言い回し集です。ストーリーがないので、これで覚えるのは不可能です。時々パラパラめくって、あ、これ昨日聞いた! みたいな使い方になるかも。
スラング
- 『The Slangman Guide to STREET SPEAK 1: The Complete Course in American Slang & Idioms』
- 『The Slangman Guide to STREET SPEAK 2: The Complete Course in American Slang & Idioms』
- 『The Slangman Guide to STREET SPEAK 3: The Complete Course in American Slang & Idioms』
- 『The Slangman Guide to Biz Speak 1: Slang, Idioms, & Jargon Used in Business English』
- 『The Slangman Guide to BIZ SPEAK 2: Slang, Idioms & Jargon Used in Business English』
定番。『Essential Idioms in English』よりも砕けた表現満載の、ストーリー仕立ての本です。しかし、言葉は生き物なので、古すぎて使われてないとか、新しいの載ってないとか、当然あります。
単語
『Word Power Made Easy: The Complete Handbook for Building a Superior Vocabulary』
定番。一生出会わなそうな単語まで含まれてる気がしますが、語源を含めたちょっとしたストーリーで、普通の単語帳よりは覚えやすいかも。
作文
『The Elements of Style, Fourth Edition』
説明不要なほど定番。
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