完成しない本
ついクセで Facebook や Twitter で脊髄反射のオン書きをしてしまうが,今後はこちらでポエムを発散することで自重しようと思っている。
ところで, Twitter の @zenn_dev で結城浩さんの「本」が紹介されていた。
既に様々な「本」が公開されているようだ。
長いこと「傭兵」で過ごしてたので現在の状況をよく知らないのだが,会社員だった頃は「完成図書」というのがあって,要するに客先に納めるドキュメントを指すのだが,ネット上で活動する際も(書き捨ての日記やブログとは別に)この完成図書を意識して文章を書いていた。これが15年くらい前までの話(本家サイトは最近リニューアルしたので痕跡はないがw)。
でも完成図書って「書いた」瞬間から陳腐化してしまうんだよねぇ。これに気付いてから「完成図書」の運用を諦めてしまった。だって書いててつまらないもの。
Hugo + GitHub Pages でブログ運営を始めて5年になるが,バックエンドに RDBMS を抱えて書き捨てる古い CMS と違って,このスタイルは実に私の性に合っているようだ。特に git による管理は私の中でドキュメンテーションに対する考え方を変えてしまった。「完成図書」でも「書き捨て」でもない書き方もあるのだ。
いわゆる官製用語の電子書籍ではなく,ネット上の「本」は書くプロセスそのものにコミットし(場合によっては)課金できる。そして「書き続ける」限り陳腐化しない。
「書き続ける」を可視化する最良の方法は履歴を残すことだ。その意味で Zenn が GitHub と連携するのは正しい。さらに GitHub で公開すれば読み手も「書き続ける」ことに参加しやすいわけだ。
昔「ソフトウェアは永遠にベータ版」と言われたが,ドキュメントもそれが「生きてる」限りはベータ版である。 Zenn が「書き続ける」ためのエコシステムとして定着していくことを祈っている。
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