[Dify] Marpで資料作成を自動化する
Marp形式のプレゼン資料を作成する
プレゼン資料作成は、ビジュアルと内容をうまく組み合わせることが求められますが、その過程は意外と時間がかかるものです。特にスライドごとの内容整理やレイアウトの調整は、効率的に進めるのが難しいと感じる方も多いでしょう。
Difyは、直感的にプレゼンの内容を構築できる言語(DSL)を提供し、MarpはそのままMarkdownをスライドに変換できる強力なツールです。これらを組み合わせることで、スライド作成の手間を大幅に減らし、よりスピーディーに質の高いプレゼン資料を作成することが可能になります。この記事では、Difyを使ってMarp形式のプレゼン資料を効率よく作成することを目指します。
資料作成エージェントの作成
プロジェクトの作成
- Dify上のスタジオにある「最初から作成」をクリック
- アプリのアイコンと名前、説明を入力
- アプリ名: Marp資料作成
- 説明: Marp形式のプレゼン資料を作成するエージェント
- 「作成する」をクリック
これでプロジェクトの作成は完了です。
ここから資料作成を行うエージェントを作成していきます。
エージェントプロンプトの設定
エージェントでは、手順という項目の入力ボックスにシステムプロンプトを入力することができます。
↓ ChatGPTからの説明
1. システムプロンプトとは?
システムプロンプトは、AIの動作や応答方法を定義する設定情報です。開発者が事前に設定し、AIの基本的な振る舞いを決定します。
例:
• 「あなたは親しみやすく、フレンドリーな口調で応答してください。」
• 「ユーザーが提供した質問に基づいて最適な情報を提供してください。」
適切なシステムプロンプトにより、AIはより意図に沿った回答が可能になります。
2. ユーザープロンプトとは?
ユーザープロンプトは、ユーザーがAIに入力する実際の質問や指示です。AIの応答内容を決定する重要な要素となります。
例:
• 「今日の天気はどうですか?」
• 「Pythonのリストをソートする方法を教えてください。」
明確な質問ほど、より正確な回答を得られます。
今回は例として以下のようなプロンプトを設定しました。
システムプロンプト
あなたはMarp形式のスライドを生成するためのLLMです。以下のMarkdown形式の文章を受け取ったら、それをMarp形式に変換してプレゼンテーションスライドを出力してください。
文章の意味をよく理解し、人に伝わりやすいよう項目毎にページを分け、それぞれのページについてレイアウトを考えること。また適宜`dalle3`での画像生成を使って該当ページの内容が直感的にわかるスライドを作成する。
※あくまで与えられる文章は資料の内容や発表用原稿であるので要点だけをまとめ、プレゼン資料として必要のない部分は削り、冗長な文章はなるべく二行以上にならないように短く簡潔にすること。
変換後のMarp形式のスライドを出力してください。Marpのスライド構造に従い、適切なセクションでスライドを分け、スライドごとに内容を整理してください。例えば、以下のルールに従ってください:
1. 各スライドの開始は `---` で区切る。
2. スライドのタイトルを `#` で表現する。
3. 必要に応じて、箇条書きやコードブロックなどを適切にマークアップしてください。
4. 画像が必要な場合は`dalle3`を使って順番通りに画像生成を行い、文章中にimage1, image2のように連番でファイル名を指定すること。
5. 1ページ目は必ずタイトルスライドになるようにし、タイトルと著者(会社名)にすること。
出力例:
`dalle3`を使った画像生成
`dalle3`を使った画像生成
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marp: true
theme: default
class: lead
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# 【サービス名】
【会社名】
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# サービス概要

【サービス名】は最新のテクノロジーを活用した革新的なソリューションです。
- **簡単な導入**:技術的知識不要で、すぐに導入可能
- **高い拡張性**:ニーズに応じて柔軟に拡張可能
- **リアルタイム分析機能**:迅速な意思決定をサポート
- **コスト削減**:業務効率向上でコスト削減
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# お客様の課題

多くの企業が抱える共通の課題:
- **データ管理の複雑さ**
- **業務の非効率性**
- **分析にかかる時間の長さ**
これらを解決するために【サービス名】は設計されています。
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# 解決策の提案
## データ管理
一元管理プラットフォームでどこからでもリアルタイムアクセスが可能。
## 業務効率化
自動化されたワークフローで手作業を削減し、創造的な作業に集中。
## 分析スピード
リアルタイム分析と視覚的ダッシュボードで迅速な意思決定を実現。
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これによってユーザーが与えたプロンプト(資料の内容)に応じてエージェントが適切に要点をまとめて資料に落とし込むようになりました。
ここで`dalle3`という内容が出てきますが、これは次のセクションで説明します。
画像の生成
エージェントモードではAIエージェントにツールという外部のAPIを持たせることで文章生成以外のタスクを可能にします。
今回はDALL-E 3というツールをエージェントに持たせることで画像生成を行えるようにしていきます。
ツール項目の追加をクリックするとツールを追加するという画面が出てきます。
ツールを追加する画面のimageのタブの中からDALL-E 3を探します。
最初は表示がグレーになっており、使用するための認証を設定するというボタンが出てくるのでクリックします。
すると認証設定の画面が出てくるのでOpenAIのAPIキーを入力して保存をすると
DALL-E 3がアクティブになり、追加するボタンが出てくるので追加します。
これでエージェントがDALL-E 3を使用できるようになりました。
実際に資料を作らせる
ここで実際に資料を作らせてみます。
今回はユーザープロンプトとして以下のダミープロダクトの発表用原稿を入力してみます。
ユーザープロンプト
# イントロダクション
皆様、こんにちは。今日は私たちの新しいプロダクト「【プロダクト名】」をご紹介できることを大変嬉しく思います。このプロダクトは、御社の業務をより効率的に、そしてスマートにサポートするために設計されました。私たちの目標は、御社のビジネスを次のステージに引き上げることです。
まずは、このプロダクトがどのようにして御社の課題を解決できるのかを詳しくご説明します。
# プロダクトの概要
【プロダクト名】は、最新のテクノロジーを駆使して開発されたソリューションです。特に、データ管理やプロジェクト管理、チームのコラボレーションをより効率的にするために作られています。主な特徴としては以下のポイントが挙げられます。
- **シームレスな連携**:他のツールやアプリケーションとの連携が簡単にでき、データの移行もスムーズに行えます。
- **リアルタイムの進捗管理**:プロジェクトの進行状況をリアルタイムで把握でき、迅速な意思決定をサポートします。
- **直感的なインターフェース**:誰でも簡単に使いこなせるインターフェースで、従業員の学習コストを大幅に削減します。
これにより、御社は業務の効率化を図るだけでなく、時間とコストの削減も実現できます。
# 御社の課題
さて、御社が現在抱えている課題をお聞きしたところ、主に以下の点が挙げられました:
1. **情報の断片化**:複数のツールを使って情報が分散しており、必要なデータを迅速に取得するのが難しい。
2. **チームの非効率なコラボレーション**:メンバー間での情報共有がうまくいっておらず、意思決定に時間がかかっている。
3. **進捗管理の難しさ**:プロジェクトが進んでいるかどうかの把握が遅れ、リスク管理が難しい。
これらは、業界を問わず多くの企業が直面している問題です。
# 解決策の提案
【プロダクト名】は、これらの課題に対して非常に効果的な解決策を提供します。まず、情報の断片化についてですが、私たちのプロダクトはすべてのデータを一元管理するため、どこからでも必要な情報に簡単にアクセスできます。さらに、すべてのデータはリアルタイムで更新され、関係者全員が最新の情報を共有できます。
次に、チームのコラボレーションに関しては、私たちのツールは、タスク管理や進捗状況を視覚的に把握できるダッシュボードを提供します。これにより、メンバー間の情報共有がスムーズになり、プロジェクトの進行がより効率的に管理できます。
最後に、進捗管理の面では、リアルタイムで進行状況が確認できるため、リスクを早期に発見し、必要なアクションを迅速に取ることが可能です。
# 実績と事例
実際に【プロダクト名】を導入した企業の事例をご紹介します。例えば、C社様では、導入から6ヶ月で業務効率が25%向上し、年間のコスト削減額は500万円に達しました。D社様では、プロジェクトの進行管理が容易になり、プロジェクト完了までのリードタイムが30%短縮されました。
これらの実績が、私たちのプロダクトが実際にどれほど効果的であるかを証明しています。
# 導入手順
次に、【プロダクト名】の導入手順について簡単にご説明します。導入は非常にスムーズで、短期間で運用開始が可能です。
1. **ヒアリング・現状分析**
まず、御社のニーズや業務の流れについて詳しくお聞きし、どのようにプロダクトをカスタマイズすれば最大の効果を発揮できるかを分析します。
2. **セットアップ・カスタマイズ**
次に、御社の業務に合わせた設定を行います。必要に応じて、他のシステムとの連携も実施します。
3. **トレーニング**
従業員向けに、システムの使い方をトレーニングします。直感的に操作できるインターフェースなので、学習コストは最小限で済みます。
4. **運用開始**
最終的に、プロダクトの運用を開始し、定期的に進捗や成果をモニタリングします。導入後もサポート体制が整っているため、問題が発生した際には迅速に対応します。
このように、導入は段階的でわかりやすく、スムーズに進行します。どんな質問でもお気軽にお聞きください。
# 次のステップ
もし【プロダクト名】に興味を持っていただけましたら、次のステップとして、具体的な導入計画を立てさせていただきます。御社のビジネスニーズに合わせたカスタマイズプランを提案し、スムーズな導入をサポートします。
また、デモンストレーションを実施することも可能です。実際にプロダクトがどのように機能するかをご確認いただければ、より具体的なイメージが湧くと思います。
# まとめ
最後に、【プロダクト名】は、御社の業務を大きく変革するポテンシャルを持っています。業務の効率化、コスト削減、進捗管理の向上を実現し、御社の競争力を高めるお手伝いをします。ぜひ、私たちと一緒に未来を切り開いていきましょう。
本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。ご質問があれば、どうぞお聞きください。
↓エージェントの回答
エージェントの回答(テキスト)
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marp: true
theme: default
class: lead
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# 【プロダクト名】
【会社名】
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# イントロダクション

- 「【プロダクト名】」の紹介
- 業務の効率化・スマート化
- ビジネスの次のステージへ
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# プロダクトの概要

- **シームレスな連携**:データ移行がスムーズ
- **リアルタイム進捗管理**:迅速な意思決定サポート
- **直感的インターフェース**:学習コスト削減
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# 御社の課題

- **情報の断片化**
- **非効率なコラボレーション**
- **進捗管理の難しさ**
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# 解決策の提案

- **情報一元管理**:リアルタイムアクセス
- **コラボレーション強化**:視覚的ダッシュボード
- **リアルタイム進捗管理**:リスク発見と迅速対応
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# 実績と事例

- C社: 業務効率25%向上、コスト500万円削減
- D社: プロジェクトリードタイム30%短縮
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# 導入手順
1. **ヒアリング・分析**:業務の流れを分析
2. **セットアップ・カスタマイズ**:最適な設定
3. **トレーニング**:操作方法を指導
4. **運用開始**:進捗・成果を定期モニタリング
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# 次のステップ
- 導入計画の立案
- カスタマイズプラン提案
- デモンストレーションの実施
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# まとめ
「【プロダクト名】」で、御社の競争力を強化し、業務効率化とコスト削減を実現します。
ご質問はお気軽にどうぞ。
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Marpでのビルド
MarpでのPDF作成についてはこちらの記事を参考にさせていただきました
実際に出力された画像とMarp形式のテキストをコピペしてビルドしたものが以下になります
まとめ
本記事では、Difyを使ってMarp形式のプレゼン資料を作成する方法を解説しました。主なポイントは以下の通りです:
- Difyのエージェントを用いてMarp形式のテキストを出力させる
- DALL-E 3をつかってスライドに画像を埋め込む
これにより、発表したい内容をまとめるだけで発表用資料を簡潔に作成することができよりスムーズに顧客への案内が可能になります。
今後は、DALL-EだけでなくNapkin.aiのような外部のイラスト生成ツールを用いてより適切な図を埋め込めるようにできたら良いなと考えています。
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