スペースマーケット「テックサロン」始めました
こんにちは、スペースマーケットでモバイルエンジニアをしている村田です。
スペースマーケットは「チャプター活動」というメンバーのスキル向上と技術負債の返済を目的としたエンジニア制度を導入し、約1年間運用してきました。その中でいくつかの課題を感じ、2024年の初めから内容を大幅に変更し、名称も「テックサロン」に改めて活動を開始しました。
本記事では、テックサロンの目的と取り組み内容について、運営側の視点から共有したいと思います。
※ チャプター活動については以下記事をご覧ください
チャプター目的の再定義
チャプターは職能(BE/FE/APP)単位でグループを組み、クオーター毎に取り組み内容と目標を設定していました。また、各職能から1名の代表者が集まり、裏方として運営を担当しています。
運営メンバーの定例会で全体のKPTを行った際、メンバーが能動的にやりたいことができておらず、チャプターへの関心が薄れているかもしれないという課題が浮上しました。そのため、根本から考え直し「チャプターを通じて何を実現したいのか(チャプターの目的)」「どんな人物・エンジニアになりたいか」を定義し直すことにしました。
チャプターを通じて何を実現したいのか
まず、チャプターを通してスペースマーケットで活躍できるどのようなエンジニアを育てていくべきか、を箇条書きで洗い出しました。
- 『何事にも』興味関心を広く持てるエンジニアを育成する
- 当たり前のように新しいことに触れるエンジニア
- 失敗に臆せずチャレンジできる。
- 未経験に対してのアプローチと振り返りがちゃんとできる
- 得意領域があって、しっかりエヴァンジェれるエンジニア
- 良し悪しがわかる。深い領域の知識。しっかり説明ができる。
- 専門領域に関して責任感とスキルを兼ねた人材
- 全て自分ごととして、説明能力がある
- 他領域へのチャレンジや知識吸収を怠らない
- 各領域の最低限の知識を持つことで全体を理解でき、職能の壁を越え滞りなく会話ができる
上記をまとめ、今後のチャプターでは以下を大目的として設定しました。
- 専門技術向上
- 個々の技術領域の拡大
- 知見の共有
また「内部品質と教育はトレードオフの関係にある」ため、チャプターでは技術的負債の返却は取り扱わない方向で考えることにしました。
教育・成長・学びを大事にし、業務感の強い技術負債の解消はスクラムのバックログとして対応していきましょう、と決定しました。
どんなエンジニアになりたいか
スペースマーケットはVision・Mission実現のための行動指針として「Atto指針」を掲げています。スペースマーケットのエンジニアである以上、会社の行動指針に沿ったエンジニア像を目指すのが自然じゃないか?という結論に至りました。
※ Atto指針については以下記事をご覧ください
チャプターではAtto指針のマーカーを引いた部分を特に重要視し、そのようなエンジニアを育成できるような活動にしていこうと設定しました。
- 熱狂ドリブン: 自分がLast Manとして成し遂げるんだ。アツい心で愚直にやりきろう。熱をチームに伝播し高め合おう。
- レバレッジャー: 本質をとらえ、効率よくシンプルに。 より小さなリソースで大きな成果を。型化してチームの資産にしよう。
- 水になれ: 変化を柔軟にとらえ、小さく始め早く学ぶ。水の如く形を変え、大きな力を生み出そう。
運営チーム
チャプターの目的を再定義したタイミングで、運営チームも改めて名称と目的を設定しました。
- 名称: エンジニアAtto向上委員会
- 目的: Atto指針に沿ったエンジニアに成長できるような文化をボトムアップで作る
エンジニアAtto向上委員会爆誕しました、よろしく!という周知も行い、気合い十分で現在も運営しています💪
チャプターからテックサロンへ
冒頭に記載した通り、目的の変更に伴い活動内容もガラリと変更し、現在は「テックサロン」という名称で活動しています。
メンバーが能動的にできるかどうかわからない領域に積極的にチャレンジ可能であり、学びを大事にできるような環境 を実現するため、難易度が設けられたクエスト(課題)を、4〜5人程度のチームで達成しよう!という、モンハンシステム を導入しました。具体的な進め方は以下になります。
- 取り扱うお題は課題テンプレート通りに事前に起票
- ※ 間延びしないよう、お題は1ヶ月程度で終わる内容であること
-
その中から興味のあるものへ投票を行い、4〜5人程度集まったらその課題を進める
-
グループが出来たら主担当者を1人決め、主担当者は途中で投げ出さずその課題を最後までやり切る
- 他メンバーは週ごとに別のお題に移動可能
- 色々な内容をつまみぐいしてもOK
以下実際直近のクエスト内容になります。チケット右上のアイコンが主担当で、それ以外のメンバーは次回他の課題に興味が出た場合移動可能です。私は「インターン生向けFlutterカリキュラムを作ろう」というお題のメンバーですが、他進行中の「人前で発表することに慣れるためにLTしようぜ」へ移動しても良いですし、全く別のお題をやりませんかー!と他のメンバーを巻き込んで1から進めることも可能です。
- 第三者への知見の共有のため、勉強会で学んだ内容や気づいたことはFigjamに残す
- 参加者/取り組み内容/学んだこと・気づき/Next Actiion をフォーマットに沿って記入
メンバーが目を通しやすいよう、課題毎のFigjamをまとめ向上委員メンバーがSlackへ流しています
テックサロン取り組み内容
各メンバーがさまざまなチケットを挙げてくださり、テックサロンの約半年間の活動で23個のお題に取り組みました。ナレッジの共有からアプリケーションへの機能追加まで、多岐にわたる取り組みの中から、いくつかピックアップしご紹介いたします。
OOPはじめの一歩
BEシニア森脇さん(@8zca)オーナーによるオブジェクト指向プログラミングの入門です。
森脇さんがFigjamに用意してくださったコンテンツをベースに、参加者も手を動かすハンズオンの授業形式で進めていただきました(1部抜粋)
ジュニアメンバーが多く参加し、学びの多い場となりました🙏
ゲストアプリのスペース詳細画面へ禁止事項欄を設けたい
ホストによって禁止事項や注意事項など記載されている箇所がバラバラでゲストが確認しづらく、スペース詳細画面へ禁止事項に関するセクションを設けたい。という要望があり、WEBでは既に実装済みの機能でした。
例えば以下のスペースでは、 喫煙 / 騒音を発する行為 / 異臭・強い匂いをするものの持ち込み / 近隣に迷惑を及ぼす行為 の4項目が禁止されていることが一目で理解できます。
アプリはこちらのセクションが未実装だったため、WEBとの機能差分を埋めましょう!というのが目的となるお題です。
APPメンバー+BE/FEの田中さん(@s0ar)小野寺さん(@ondrnbhr)にも参加していただき、Android環境構築を行っていただいた後にモブプロ形式で開発を進めました。
簡単な機能を職能の壁を超えたメンバーでわいわい実装できるのは、テックサロンならではの良さだなと実感しました。
接続している実機をAndroid Studioにミラーリングできるじゃん!という、普段は意識していなかったIDEの機能をアプリメンバーが学ぶこともでき、非常に有意義な時間となりました。
開発環境構築会
テックサロンの活動を進める上で、メンバーによってAPP/FE/BEそれぞれの開発環境構築の進捗にばらつきがあり、以下の課題を感じました。
- チケットにメンバー集まったはいいが、そもそも各人環境構築から行う必要がある場合にそれだけで時間を取らてしまう
- 環境が整っていないことが理由で、手を動かさず傍観して終わってしまうケースがある
そのため、テックサロン1回分の時間をメンバー全員合同の開発環境構築会に充てることにしました。
上記スケジュール通り、各職能から代表者がファシリを担当し、最低限用意して欲しい環境の構築を全員オンラインで同期的に実施しました。また、参加できなかたったメンバーや時間内に終えられなかったメンバーが後日参照できるよう、環境構築会の様子を録画しました。
Androidビルド待ち中にAPPファシリ徐さん(@Beak)の🐶に癒される場面もあり、和やかなムードで基本的に全員環境構築を終えることができました!全員足並み揃った上で、今後のテックサロンを気持ちよく進められそうです。
最後に
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