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テスト管理ツールQaseのメリット/デメリット

2023/05/22に公開

こんにちは! スペースマーケットでQAエンジニアをしている柴山です。
皆さんはテスト項目をどのように管理していますか? 弊社ではスプレッドシートで管理していたテスト項目を、最近では一部のプロジェクトでQase(ケース)に移行しました。今回は、Qaseを運用する上で気付いたメリット/デメリットをご紹介します。

Qaseの概要

Qaseはクラウド上でテスト項目を効率的に管理するためのSaaS型ツールです。テスト項目の作成や実施、バグ管理、テスト結果の分析など、幅広い機能を提供しています。
Qaseには料金プランが4つ存在し、利用可能な機能がプランによって異なります。無料で利用できるFreeプランもありますが、アカウント数やAPI連携などに制限がありますので、チームでの導入を検討する場合はStartupプラン以上がおすすめです!
Qaseの料金プラン
https://qase.io/pricing

なお、弊社ではStartupプランを契約しています。この記事で示す内容はこのプランを利用したメリット/デメリットであることにご注意ください。

Qaseのメリット

階層構造による柔軟な項目管理

階層構造の例
QaseではTestSuiteでテスト項目を階層的に管理することができます。上記の画像は階層構造の例を示しています。
TestSuite数に上限はなく、必要に応じて追加や削除ができます。項目作成の過程でTestSuiteを見直したくなったら比較的簡単に変更することができます。
さらに、テスト項目はドラッグアンドドロップによる移動が可能なため、項目の作成や整理におけるストレスがかなり削減されます。直感的に操作できるのが嬉しいです!

ステップ付きテスト項目

Step設定の例
Qaseではテスト項目以下にStepという概念があります。上記の画像はStep設定の例を示しています。それぞれのStepに対して期待値を設定することができるため、例えばログイン観点のテストにおいて、ログインページにアクセスできること、メールアドレスとパスワードが入力できることなど、細かい手順と期待値の入力が可能となります。

テスト実行の例

テストを実行する際もStep毎にテスト結果を入力することができます。これによりバグチケットの作成やテスト進捗確認の際、どのStepに問題があったのかを簡単に判別することができます。また、テスト結果はワンクリックで入力できるため、操作数が少なくて済む点も地味に嬉しいですね。

GithubやJiraとのバグ連携

QaseではGitHubやJiraと連携することで、テスト中に発見したバグをGitHubのIssueやJiraのチケットとして作成できます。Qaseで入力したバグ情報やスクリーンショットなどを他のツールに引き継ぐことで、バグタスク作成の際の工数が削減できます。またIssue/チケットのステータスをQaseから参照できるため、バグ修正後に再テストの可否を判断するのが容易になります。

弊社では開発プロジェクト全体のタスク管理をJiraで行っています。テスト実施にバグを発見した場合は、Qase上でバグ情報を記録しJiraチケットに連携する形でバグチケットを作成しています。

充実したAPIとリファレンス

SaaSの利点の一つとして、Qaseでは豊富なAPIが提供されていることが挙げられます。QaseAPIでは、テスト項目やバグの参照、追加、更新、削除など、UIとほぼ同等の操作をAPIで実行することができます。また、テスト実施状況の参照などもAPIで取得することができます。

https://developers.qase.io/reference/introduction-to-the-qase-api

APIリファレンスでは各エンドポイントやクエリパラメータの設定方法が詳細に説明されています。リファレンス上でクエリパラメータなどを設定してAPIの実行からレスポンス確認も可能です。また、各開発言語に合わせたサンプルコードも提供されています。本当に親切・・・!
弊社ではQaseAPIを活用してSlackにテストの進捗状況を投稿するツールを作成しました。このツールについては別の記事で詳しく紹介する予定です。

高いコストパフォーマンス

Qaseは多くの機能を備えておりながら、価格が非常に手頃で導入しやすい点も大きなメリットに感じました。弊社はStartupプランのため「一人当たり月額20ドル(おおよそ2200円)で利用しています。

また、Qaseは無料で閲覧ユーザーのアカウントを作成することができます。テスト項目の作成やテストの実施など、編集権限が必要な場合のみ有料となります。アカウントの権限はいつでも変更可能です。月の途中で編集権限の追加、削除を行った場合は費用が日割りで請求されます。アカウントの権限を適宜見直すことで費用を節約することも可能です。

Qaseのデメリット

これまでQaseのメリットを紹介しましたが、デメリットもいくつかあるので合わせて紹介します。

テスト項目の俯瞰が難しい

QaseではTestSuiteを用いたテスト項目の管理が可能ですが、テスト項目の俯瞰が難しいというデメリットがあります。
テスト項目のタイトルまでは把握できますが、テスト手順やデータ、説明などの細かい情報を確認するには、項目をクリックする必要があります。これはテスト項目が増えると管理が難しくなる可能性があります。

テスト項目にコメント機能がない

Qaseではテスト項目には説明や手順などの細かい設定が可能ですが、コメント追加機能はありません。そのため、テスト項目にレビュー指摘事項を追加できず、別途レビュー議事録を作成するなどの工夫が必要になります。
ただしBusinessプランの場合はテストケースレビュー機能が提供されているため、このデメリットはFree/Startupプラン特有のものになります。

まとめ

以上、Qaseのメリット/デメリットを紹介しました。今回はデメリットにも言及しましたが、それを上回るメリットがあると感じています。価格も安価で導入しやすいので、テスト項目の管理をスプレッドシートから移行しようと検討してる方はぜひ試してみてください!

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