WACATE2023夏に参加して喉が枯れるまで熱狂した話
こんにちは、スペースマーケットでQAエンジニアをしている柴山です。
QAエンジニアイベントWACATE2023に参加し、喉を枯らすほどに熱狂しました! そのイベント参加レポートとして、参加の動機や目的、感想などを記したいと思います。
構成が甘かったり誤字脱字はありますが、イベント後の熱量のまま書いているので、多少大目に見ていただきたく…!
イベントの概要
WACATE公式サイトより(https://wacate.jp/)
WACATE(ワカテ)はテストエンジニア向けのワークショップであり、実践的なテスト技術やスキルを習得する機会を提供するイベントです。テストエンジニアの能力向上と情報交換を目的として開催されています。コロナ禍中はオンラインで開催されていたそうですが、今回は実に3年半ぶりのオフライン開催でした。
イベントの日程は2023年6月10日(土)〜2023年6月11日(日)で、参加費は35歳以下が¥8,000、36歳以上が¥9,000となっています。会場は国立オリンピック記念青少年総合センターでした。
ちなみにイベント参加費用は会社に負担して頂きました。感謝!
参加の動機、モチベーションなど
ワークショップを通じて他社のQAさんの取り組みを知りたい、交流したいというのが一番の動機でした。
弊社では私一人がQAエンジニアであり、私のQA経験もスペースマーケットだけでした。QAチームの経験がないという点を少しコンプレックスに感じていました。一つの機能についてQAの観点で議論することにちょっとの憧れがあったのです。
WACATEは一方的に発表を聞く場ではなく、グループワークで手を動かして参加するイベントだと聞きました。これは他社交流にとどまらず、QAチームの働き方を擬似的に体験できるのでは?と考え、参加を決めました。
参加者(私)のステータス
イベントの内容に入る前に、参加者(私)のステータスについて書いておきます。
WACATE参加歴
- 初参加
QAエンジニア歴
- 1年目(ITエンジニアとしては8年目)
普段の業務内容
- 一人目QAエンジニアとしてテストガイドライン作成やテストフローの整備
- E2Eテスト整備
- テスト設計〜実施
- 開発者が作成したテスト設計のレビュー
テストの知識
- JSTQB FL取得相当
- 大学や新卒研修(SIer)でテスト技法を学んだ程度
事前準備
WACATE参加にあたりいくつか事前準備が必要だったため、それについて述べます。
ポジションペーパーの作成
参加表明時に提出するポジションペーパーの作成です。こちらはイベント1日目に自己紹介と一緒に議論するネタのようです。テンプレートは用意されていますが、記載内容やフォーマットは自由で、テストに関する自分の考えやお悩みを書くそうです。
こちら参加申し込み時に提出必須&提出後の差し替えは原則不可なので、余裕を持ってポジションペーパーの作成した方がよさそうです!
宿泊施設の手配
今回のWACATEでは参加費に宿泊代が含まれていなかったため、宿泊の手配は各自で行う必要がありました。そのため、参加申し込み後に宿泊施設を予約しました。
会場が都内ということもあり、イベント日が近づくとどこも満室か高額になります。参加を決めたら早い段階で予約することがおすすめです。それでも観光影響で宿泊費用は高めでした。。。
JSTQB FL取得
イベントの参加概要でもテスト技法の予習が推奨されていました。そこで、予習がてらJSTQB FLの試験勉強を再開し、無事に取得しました。昨年末から受験を先延ばしにしていたのでWACATEの参加に合わせて受験できて本当によかったです(締切がないとサボってしまう人)。
以上が私の事前準備の内容です。
イベントの内容について
さて、ここからはイベントの内容です。
2日間に渡り、セッション(講演、説明ともいう)とワークを繰り返し、一つの使用に対するテスト設計を行う、という内容でした。
一つ一つのセッションについてはあまり深掘りせず(どれも濃密で書き出すと長くなるので)内容をかいつまんで述べます。
1日目
オープニングセッション
WACATE協賛企業、ワークショップの紹介を受けました。
一通りの説明を受けた後、名札の裏に二日間のワークを通じて持ち帰りたいこと、を各々記載しました。
私が記載したのは、QAとしての自信、そして他社QAさんとの繋がり、でした!
ポジションペーパーセッション
ワークに入る前に、ポジションペーパーセッションがありました。こちらはアイスブレイク的な位置付けのようです。参加申し込み時に提出したポジションペーパーをもとに自己紹介を行う場です。テストに対する思いや、何を課題に感じているか、WACATEへの期待感など、内容はさまざまでした。
ちなみにポジションペーパーは冊子形式でまとめられていて、参加者全員に配布されていました。とても読み応えのある内容だったのでイベントがお話あった後もじっくり読み込みます!
テスト分析、設計のセッション、そしてワーク
ここからグループワークに入っていきます!今回は6人1チームとなり、一つの題材に対してテスト分析〜テスト設計を行い、その結果と学びを発表するワークでした。
議論のアウトプット、成果物は紙やホワイトボードに残していきます。PCは参考情報の閲覧や個人メモ以外にはあまり使わなかったです。これはオフラインイベントならではだな〜と思ったり。
テスト分析のワーク
配布された仕様書をもとに、個人ワークで仕様を理解しテスト分析を行いました。その後、各人の分析結果をグループで共有し、マインドマップにまとめていきました。今回の題材は施設予約システムでした。
マインドマップ作成時にどの観点で仕分けるべきか、の話で盛り上がりました。私のチームでは、機能、非機能、要因、リスク、シナリオに分けて分析しました。これまで自分が見ていたのは機能観点のテストばかりだった、とこの時点で気付きが得られました。また「機能テストとシナリオテストはテスト内容が重複するのでは?」といった疑問に「テストの目的(検証したい内容)が異なるため、テストする価値はある」と答えて頂いたり、グループの中でも活発に議論や質問が行われていました。2時間弱のワークでしたが、話したいことが多く、とても時間が足りない…!とみんな悶えていました笑
テスト設計のワーク
テスト分析のワークで作成したマインドマップの末端(テスト条件)を選択し、適用させるテスト設計技法をチームメンバーで議論しました。テスト設計技法が複数当てられそうなテスト条件がある場合は、テスト分析がうまく行っていない(条件が詳細すぎる、分解できていない、など)ため、議論を重ねてテスト条件の再洗い出しを何度も行いました。ここも時間が足りなかった!
ちなみにワークの前のセッションで、同値分割法、境界値分析、状態遷移テスト、ユースケーステスト、デシジョンテーブルテストのおさらいを行ったので、テスト設計技法がわからない、といった事態にはなりませんでした。
丁寧かつ超ボリュームな資料を40分(確か)で説明していただき本当に感謝です。テスト技法を振り返りたい時、今後も活用させていただきます…!
1日目のワーク終了
テスト設計技法を選択したところで1日目は終了しました。
WACATEはホワイトなイベントなので残業禁止! だそうです。ワークの時間以外は成果物に触れないし、議論もさせてもらえません。とても健全なイベントだな〜〜〜〜〜
分科会
1日目のワークは終了しましたがその後に分科会というセッションが開かれました。
テストに関連する題材について各々フリートークする場です。今回の題材は5つ。
- ぼくたちが考える最強の 「正常系、異常系、 ハッピーパス、ワンパス」
- たくさんのテストを集中力を維持したままこなすコツ
- テストを楽しいと感じる瞬間は?
- テストに関するなんでも話
- WACATE1日目に関する質問
私は「たくさんのテストを集中力を維持したままこなすコツ」に参加しました。その時の内容は分科会オーナーがスライドでまとめて下さっています。こちらも感謝!!
2日目
テスト設計ワーク
ここから2日目になります!2日目のワークは、1日目で決定したテスト設計技法を使用して、実際にテスト設計をするところから始まりました。
6人を2つのグループに更にわけ、各々選択したテスト条件のテスト設計を始めていきます。私のグループは空き施設の予約可否を選択しました。
当初は境界値分析を行う予定でしたが、みんなで議論するうちに境界値以外の要素も絡んでくるのでは?という話になり、結局デシジョンテーブルテストに途中で変わりました。それからも何を因子と捉えるか、水準は何か、などなど、議題は山のようにあり、ワークの時間はあっという間に終わってしまいました。
この議論が紆余曲折あって、学びも深く、本当に楽しかったです!!!!
ワーク結果まとめと発表
以上でテスト分析&設計ワークは終了となりました。最後にグループごとにテスト設計の成果物をまとめ、2日間の作業の発表を行いました。
私たちの班の成果物は以下の通りです。
テスト分析マインドマップ(付箋が散乱しがち)
空き施設予約に関するユースケース
予約確認、取り消し画面に関するユースケース
予約可否に関するデシジョンテーブル
いっぱい作りました! しかし、時間がなく一部のテスト条件しかテスト設計できなかったり、改めて見ると内容に疑問点があったり(デシジョンテーブルの因子が細かすぎじゃないだろうか…)、もどかしいばかりです。
業務ではもどかしい思いをしないよう、丁寧にテスト設計をしていきたい気持ちを抱いて帰りました。
2日間の振り返り
さて、すべてのセッションが完了したところで2日に渡るイベントの振り返りを行いました。
1日目のオープニングセッションで考えた「ワークを通じて持ち帰りたいこと」を主に振り返っていきます。
QAとしての自信を持ちたい
これは×だなと思いました。自分はQAについて何も分かってなかったんだ!と打ちひしがれました。ただし、いい意味で。
自分の立ち位置を早いうちに把握できてよかったです。それに、自分はQA経験も正直浅いので、わからないことが多いのは当然だよな、と気付きもしました。気付いたらあとは階段を駆け上るだけです。がんばるぞー!
社外の知り合いを増やす
こちらは◎です!本当に知り合いがいっぱい増えました。
一緒にランチした方、twitterや名刺を交換した方、同じグループでワークした方、分科会でお話しした方、2日間で関わった人を挙げると正直数え切れないです。
QA界隈は所属関係なく知り合いだったり、1on1をしていたりと、横の繋がりの強さに驚きました。よくよくお話を聞くとみんな推しQA(憧れって意味なのかな・・・?)がいるとのことでこれもびっくり。私も推しを作りたいです!(推しとは違いますが、ロールモデルは見つけました!)
いかにして喉を枯らしたのか(参加の感想)
とにかく楽しかったです。朝から夕まで時間があっという間に過ぎ去っていきました。振り返ってみてもとても濃密で刺激的な2日間でした。
弊社ではQAエンジニアが自分一人という環境で、常に手探り状態で業務にあたっています。なので、テストについて深く熱く議論する相手がいるだけでこんなにも楽しいんだ、こんなにも話題が尽きないんだ、ととにかく驚きが隠せませんでした。
あまりに話したいことが多く、議論も白熱し、お昼休みもずっといろんな人と話し続けた結果、私は一日目の夜に喉を壊しました笑
同じグループの方はご存知だと思いますが、2日目は全然声が出ず、テスト設計ワークは他の方にナビゲータをしていただき、私はほとんどドライバーを担当していました。どうしても気になる箇所だけ発言したけどそれでも声が出ない。。。メンバーにはご迷惑をおかけしたと思います。
イベントの最後、実行委員の方に念を押されたのが、WACATE参加後の熱量のまま業務にあたると現場とのギャップが生まれがちだそうです。それをWACATEハイというのだそう。まさに記事を書いてる今も若干WACATEハイです。が、イベント翌日に子供が発熱してお仕事を休んでしまいました。いいクールダウンだな、と前向きに捉えます笑
WACATE参加悩んでいる方へ
おすすめです! 土日なのでプライベートの都合をつけるのが大変かもしれませんが、スケジュールさえ合えばぜひ参加して頂きたいです。私も一児の母ですが、同じく子持ちのQAさんも結構参加されていました。ライフプランの相談ができたのが嬉しかった…。
今回は都内の会場だったので自宅から通うこともできました。ただ、個人的には宿泊してよかったな〜と感じています。朝早いのはもちろんですし、一日目の夜、帰り時間をあまり気にせず仲間とお酒を飲めたのが最高でした。
そもそも、数年前までそれほど仕事に熱量のなかった私が、貴重な土日をわざわざ費やしてでも参加したい、と思えるイベントに出会えたのは奇跡に思えます。
WACATE最高、QA界隈も最高。次も日程が合えばぜひ参加したいです!!!
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