アプリエンジニアがプロダクトをグロースさせる施策立案
こんにちは、スペースマーケットでモバイルエンジニアをしている村田です。
2024年1月から私が所属するアプリチームは、予約リクエスト率の向上を目的とした施策の立案をエンジニアが自ら行うよう動き始めました。上流から落ちてきた決定事項を粛々とこなすだけのタスクを行なっていた前職SIerの自分からすると、ユーザー行動分析を行いユーザー体験を改善するアイディアを考えるのは難しい作業でした。
そんな自分発信で進んだ施策の機能が先日リリースされたので、本記事で共有できればと思います🙏
仮説/アイディア
スペースマーケットはイベントスペース/貸し会議室/撮影スタジオなどさまざまなタイプのスペースを30,000件以上掲載しており、ユーザーはその中から利用目的に合致するスペースを見つけ出す必要があります。スペース検索時に細かな条件を設定することで、最適なスペースの検索を可能とします(以下例)。
例えば私の体験になりますが、以前友人数人と池袋近辺で飲みながらたこ焼きパーティーをするために、たこ焼き器が完備されているスペースを探していました。検索条件にたこ焼き器を指定し、スペース検索を行いました。
フィルタ済みなのでたこ焼き器が完備されたスペースのみ表示されていることは理解しつつ、たこ焼きパーティなのに自分が予約したスペースにたこ焼き器なかったら泣いちゃう... という不安から、スペース詳細画面の設備・備品等セクションにたこ焼き器の記載があるか確認していました。
サービス理解のある自分ですら「念の為」に過剰な確認を行なってしまうので、初心者ユーザーは尚更綿密に選択したアメニティ有無のチェックを行なっているのではないか?と想像しました。
多様なスペースから条件に合う且つ好みのものを探すのは時間がかかる大変面倒な作業です。疲れから検索を中断してしまい予約に至らず、離脱してしまうユーザーは少なくないだろうなと思いました。
この体験を元に、選択アメニティが揃っているスペースであることの確認を楽にするための施策を考えることにしました。
実施する価値の確認
そもそも検索条件にアメニティを設定して検索をしているユーザーが少ない場合、費用対効果が悪く実施する意味が薄いです。そのため、まずはやる価値があるものか判断するため母数の確認を行いました。
スペースマーケットはユーザー行動分析のツールとして Amplitude を利用しており、検索実行時にログイベントを仕込み、設定した検索条件をプロパティとして付与しています。
半年間の送信数を確認したところアメニティを設定した検索は全体の2割で、それなりに実施する意味があることが分かりました。
デザイン
今回の施策の目的は、スペースマーケットアプリ初心者利用ユーザーの確認作業効率化を図る(確認ミスがなくなる/確認時間短縮)ことで、離脱が減った結果予約リクエスト率を向上させよう!というものです。
私は安直なので当初は以下のような形で、設備・備品等セクションにて選択した対象アメニティをハイライトさせれば良いかなと考えていました。
デザイナーに課題感を共有し、一緒に施策のソリューションを考えてもらい、課題解決のベストな形を詰めて行きました。
どこにどんなコンテンツがあるか理解できていない初心者ユーザーを対象に考えているなら、なるべく操作の必要ない形に落とし込むのがベストじゃない?とアドバイスをいただき、最終的にスペース詳細画面ファーストビューへ表示されるようデザインしていただきました。
超分かりやすいですね、デザイナーさんに感謝です!因みにアメニティ選択数の中央値は4つだったので、選択しすぎてファーストビューが埋もれてしまうユーザーはかなりエッジケースです。
成果物
たこ焼き器、ありまぁす!!!!!!!!
ABテスト
iOS/Android共にABテストの基盤整っており、今回の施策に対しても1ヶ月程度検証を行いました。
数値はお見せできませんが、施策立案時に立てた予約リクエスト率の目標数値を上回り、効果がある機能であることを数字で証明できました。
インパクトのある施策ではありませんが、こういった小さな成功体験を積み重ね自分とプロダクト共に成長させていきたいです😎
※ 現在は全ユーザーに展開されているので、アプリインストールして触ってみてください!
iOS | Android |
---|---|
最後に
スペースマーケットでは一緒に働く仲間を募集中です!
詳しくは以下採用ページをご確認ください。
スペースを簡単に貸し借りできるサービス「スペースマーケット」のエンジニアによる公式ブログです。 弊社採用技術スタックはこちら -> whatweuse.dev/company/spacemarket
Discussion