Context7 MCPで実現する最新ドキュメント参照術
はじめまして!
スペースマーケットのjinです🤓
Windsurf、Cursor、GitHub CopilotなどのAI付きIDEをお使いの皆さん、@Docs
機能は活用されていますか?
便利な機能ではあるものの、個人的には@Docs
を使っても古いライブラリの情報が出力されたり、ハルシネーション(事実とは異なる情報の生成)が発生したりすることがありました。また、その都度参照してほしいドキュメントを指定するのも、少し手間に感じていました。
今回は、これらの課題解決の助けとなる「Context7」というMCPをご紹介します。
Context7 MCPとは?
Context7 MCPは、AIが参照するドキュメントのコンテキストを調整し、常に最新の情報をAIに提供することを目的としたMCP (Model Context Protocol) サーバーです。これにより、AIはより新しく、より正確な情報に基づいて回答を生成できるようになります。古い情報や誤った情報に基づく手戻りを減らし、開発の効率化に繋がることが期待されます。
Context7の設定方法
お使いのIDEのMCP設定画面を開き、以下のように設定を追加するだけで利用を開始できます。
{
"mcpServers": {
"context7": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@upstash/context7-mcp@latest"]
}
}
}
Context7の主な特徴
使い方が簡単
従来の@Docs
機能では、参照してほしいドキュメントをユーザーが選択する必要がありました。一方、Context7 MCPは、質問とコードベースから関連性の高いライブラリを自動で判断し、その最新ドキュメントを参照します。利用者は、プロンプトの最後にuse context7
と追記するだけでこの機能によるメリットが得られます。
また、質問によっては、use context7
の追記なしでも発動する場合もあります。これはどっちかっていうとMCPの良さですね!
広範なドキュメントカバレッジと頻繁な更新
Context7 MCPは、多くのライブラリやフレームワークのドキュメントをカバーしており、そのデータベースは高頻度で最新の状態に保たれているとのことです。これにより、多様な技術スタックに対応し、常に新しい情報に基づいたサポートが期待できます。
2025年6月4日基準、15105件のドキュメントが登録されています。
ハルシネーションの抑制
Context7は、AIが最新かつ正確なドキュメントを参照するよう促します。これにより、事実に基づかない情報や不確実な回答が生成される、いわゆるハルシネーションを抑制する効果が期待できます。
実際に使ってみましょう
では、Tailwind v4でカスタムアニメーションを設定する方法について、AIに質問してみます。
@Docs
機能を使用した場合 ❌
まずはCursorのTailwind CSSに詳しい方ならお気づきかもしれませんが、ここでAIが提案しているのはv3以前で使われていたtailwind.config.js
ファイルを編集する方法です。v4からは追加の@config
設定をしてくれないとこちらの方法は使えないはずです。そのため、v4での設定方法を尋ねた今回のケースでは、期待した回答とは言えません。
次にContext7 MCPを使用した場合 ✅
同じ質問を、今度はContext7 MCPを有効にして再度行ってみました。
Context7 MCPを利用した場合は、Tailwind v4からの変更点である@layer
ディレクティブを用いた設定方法を的確に説明してくれました。これぞまさに求めていた回答です!
まとめ
AIコーディングアシスタントは非常に強力ですが、参照情報の鮮度によっては期待した性能を発揮できないこともあります。Context7 MCPを使い始めて1ヶ月近く経ちましたが、個人的には以前よりAIが提供する情報の質が向上し、開発体験がよりスムーズになったと感じています!
もし、AIの情報精度にお困りの経験があれば、Context7 MCPの導入を検討してみてはいかがでしょうか?

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