オイラー標数 - 位相幾何学
今回は筆者が最近読んでいる「トポロジーへの誘い」から、位相幾何学について学んでいることを共有する。
位相幾何学とは (ごく簡単に)
そもそも位相幾何学を考える際には、普通の幾何学とは異なり図形を変形させても問題ない。例えば、正方形の4つの頂点から隣りあう2つの頂点を選んだ場合に、「どちらも直角」や、「その頂点から対角線を引くとその交点は直下うに交差する」などは正方形固有の性質であって、正方形を変形させてできる(膨らませてできる)円では成り立たない(そもそも頂点がない)。それに対して、位相幾何学では、"変形を施した場合にも変わらない"性質 (=位相不変量)を探求する。
ここで、位相不変量は、ある図形を連続変形 (切ったりしない) させた場合に変わらない図形の量的性質である。
オイラー標数
ここでは位相幾何学の代表的な定理について紹介する。オイラーの多面体定理を知っている方も多いかもしれない。正
(頂点の個数) - (辺の個数) + (面の個数) = 2
が成り立つ、という式である。例えば、サイコロのような正六面体は、頂点/辺/面の個数がそれぞれ、
ところが、本によれば、本来の"オイラーの多面体定理"は位相幾何学の立場に立っている、という点で上のよく知っている書き振りとは少し異なる。
【オイラーの多面体定理】
球面を分割して得られる多面体の頂点の数を個、辺の数を \alpha_0 個、面の数を \alpha_1 個とすると、 \alpha_2
\alpha_0 - \alpha_1 + \alpha_2 = 2
が成り立つ。
本来のオイラーの多面体定理は、位相幾何学の立場で多面体を球面と捉え直すことを考える。そうすれば、多面体の頂点や辺の個数を数える問題は、球面をどのように分割するかという問題に帰着される。したがって、オイラーの多面体定理で得られる結果は、「ある図形
つまりこのオイラー標数は「分割する対象」によって変化しうる指標である。例えば、
e(X_p) = 2-2p
で表される。
さらに一般化してオイラー標数を考える。
まず、"単体"を定義する。これは要素的な図形を指し、
さて、
\alpha_0 - \alpha_1 + \alpha_2 -\alpha_3 +...+ (-1)^n \alpha_n
のことを図形
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