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urlopen と requests.get の違いについて
urlopen
と requests.get
の違いについて説明します。
1. ライブラリの違い
-
urllib.request.urlopen
- Pythonの標準ライブラリである
urllib.request
モジュールに含まれています。 - デフォルトでPythonに組み込まれており、追加のインストールは不要です。
- Pythonの標準ライブラリである
-
requests.get
- サードパーティ製のライブラリである
requests
に含まれています。 - 使用するには
pip install requests
でインストールが必要です。 - 公式ドキュメント: Requests: HTTP for Humans™ — Requests documentation
- サードパーティ製のライブラリである
2. 使いやすさとAPIの設計
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urllib.request.urlopen
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低レベルのAPIであり、細かな設定や処理を手動で行う必要があります。
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レスポンスの処理やエラー処理がやや複雑です。
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例:
from urllib.request import urlopen with urlopen('http://example.com/') as response: content = response.read()
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requests.get
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高レベルのAPIで、シンプルで直感的な使い方ができます。
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レスポンスオブジェクトが使いやすく設計されており、ステータスコードやヘッダー、コンテンツへのアクセスが簡単です。
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例:
import requests response = requests.get('http://example.com/') content = response.content
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3. エラー処理と例外
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urllib.request.urlopen
- エラー時に
URLError
やHTTPError
などの例外を発生させます。 - エラー処理を書く際に捕捉すべき例外の種類が多くなります。
- エラー時に
-
requests.get
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デフォルトでは、HTTPエラーでも例外を発生させず、ステータスコードでエラーを判断します。
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例外を発生させたい場合は、
response.raise_for_status()
を使用します。 -
エラー処理が簡潔にできます。
response = requests.get('http://example.com/') try: response.raise_for_status() except requests.HTTPError as e: print(f'HTTP Error: {e}')
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4. 機能の違い
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urllib
- 標準ライブラリであり、追加の依存関係がない。
- クッキーの管理、リダイレクトの制御、プロキシの設定など、細かな制御が可能。
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requests
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HTTPリクエストをより人間的に扱えるよう設計されている。
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セッションの管理、クッキー、プロキシ、認証、タイムアウト、SSL証明書の検証など、多くの機能が簡単に利用できる。
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JSONレスポンスの処理も簡単。
response = requests.get('https://api.example.com/data') data = response.json()
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5. Unicodeとエンコーディング
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urllib
- バイト列を手動でデコードする必要がある場合があります。
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requests
- レスポンスのエンコーディングを自動的に判定し、
response.text
でユニコード文字列として取得できます。
- レスポンスのエンコーディングを自動的に判定し、
6. 使用するべき場面
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urllib
を使用する場合- 外部ライブラリを追加せずにURLアクセスを行いたい場合。
- Pythonの組み込み機能のみで完結させたい小規模なスクリプト。
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requests
を使用する場合- 大規模なプロジェクトや、HTTPリクエストを多用する場合。
- コードの可読性や保守性を重視する場合。
- 認証やセッション管理など、高度なHTTP処理が必要な場合。
まとめ
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urlopen
は標準ライブラリの関数であり、追加のインストールなしで使用できますが、やや低レベルで扱いにくい部分があります。 -
requests.get
はサードパーティ製のライブラリですが、使いやすさと機能の豊富さから、PythonでHTTPリクエストを行う際のデファクトスタンダードとなっています。 - どちらを使用するかは、プロジェクトの要件や規模、依存関係の許容範囲によりますが、可能であれば
requests
の使用を検討すると良いでしょう。
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