GitLab で npm モジュールをホストする
はじめに
そこそこ大きな規模のプロジェクトを進めていると、よく 「このコンポーネントをリポジトリ間で共有したい!」 という状況に出くわします。
そういった時僕はよくライブラリ的な機能を持つリポジトリを作り、①サブモジュール機能を使って複数プロジェクトで共有する か、②npm
パッケージ化して限定公開 します。
この記事では、②の npmパッケージ化 して、GitLab
を使ってプライベートな状態でホストする手順を紹介したいと思います。
ちなみに公式にもドキュメントがあるので、この記事で不足してる部分はこちらをご参照ください🙇
モジュールを作成してアップロードする
まずは、モジュール自体を作って GitLab
にアップロードします。
今回は Runner
を使ってデプロイするので、 Runner
も使えるようにしておいてください。以前関連する記事を書いたので、良ければ参照してみて下さい。
オンプレミスな GitLab
を立ち上げる方法
GitLab
に Runner
を追加する方法
GitLab 上にグループとプロジェクトを作る
まずは、GitLab上にグループとプロジェクトを作ります。
今回は、グループ名:test、プロジェクト名:moduleで作りました。また、今回はプライベートな状態でサーブする形にしたいので、アクセス範囲は public
以外(要認証)にしておきます。
ソースを配置
コードを書いていきます。
今回はサンプルという事で、入力した文字列を console
に出力するだけのシンプルなコードにしていきます。
module.exports = {
test: (message) => {
console.log("this is test. message is " + message);
},
};
ts
で使った時に補完されるように、d.ts
も書いておきます。
export declare function test(message: string): void;
コードとしては以上で、あとはパッケージの情報を package.json
にまとめていきます。
{
"name": "@test/module",
"version": "0.0.1",
"main": "index.js",
"typings": "type.d.ts"
}
CI を書く
パブリッシュを Runner
で走らせるための CI
を書いていきます。
記述内にたくさん環境変数が出てきますが、これらは全て GitLab
が標準で提供している環境変数になるので、特に自分で用意するべき変数はなく、そのままデプロイできます。
image: node:latest
stages:
- deploy
deploy:
stage: deploy
tags:
- docker-runner
script:
- echo "registry=https://${CI_SERVER_HOST}/api/v4/projects/${CI_PROJECT_ID}/packages/npm/">.npmrc
- echo "//${CI_SERVER_HOST}/api/v4/projects/${CI_PROJECT_ID}/packages/npm/:_authToken=${CI_JOB_TOKEN}">>.npmrc
- cat .npmrc
- npm publish
only:
refs:
- master
今回はテストなので master
ブランチに push
されたら走るようにしていますが、運用時は release
とか publish
といったブランチを切って、そこに push
あるいは merge
されたら走るようにするといいと思います。
push
この状態で push
すると CI
が走ります。CI
が完了すると、GitLab
の Packages and registries
からパブリッシュされたパッケージを見る事が出来ます。
ホストされているモジュールを使用する
パッケージのホストが完了したので、それを使うサンプルを作っていきます。
プロジェクトを初期化する
まずは適当な nodejs
のプロジェクトを作ります。僕はこういう時はいつも以下の手順で初期化しています。宜しければお試しください。
パッケージにアクセスするためのトークンを取得する
今回はプライベートな状態でホストされているパッケージを使う事になるので、認証が必要になります。
認証はトークンを使って行いますが、トークンを取得できるところは3つあり、権限の影響範囲が異なります。
場所 | 範囲 |
---|---|
ユーザー設定 -> Access Tokens | ユーザーがアクセスできるプロジェクト全て |
グループ設定 -> Access Tokens | そのグループ内のプロジェクト |
プロジェクト設定 -> Access Tokens | そのプロジェクトだけ |
適切なものを選び、トークンを取得して下さい。Role
と scope
は、以下を参考にして設定して下さい。
僕の場合は、パッケージが Private
だったので、Role
が Reporter
、Scope
は二段階認証をしている関係上 API
が必要でした。
.npmrc を書く
普通に npm
でインストールコマンドを叩くと公式の npm
レジストリを読みに行ってしまうので、 指定したパッケージは別のレジストリを読みに行くように設定します。
プロジェクトルートに .npmrc
を置き、以下のように記述します。
@test:registry=https://<URL>/api/v4/packages/npm/
//<URL>/api/v4/packages/npm/:_authToken=<TOKEN>
<URL>
にはモジュールをホストしている GitLab
の URL
、<TOKEN>
には前項で取得したトークンで置き換えます。
インストール
ここまで準備をしたら、他の npm
パッケージと同じようにインストールできます。
yarn add @test/module
使う
他のパッケージと同じように import
可能で、使い方も同様です。
import { test } from "@test/module";
test("hello!");
// this is test. message is hello!
おわりに
開発者が複数人いるプロジェクトは世の中にたくさんあると思うので、こういった方法も至る所で採用されているのであろうと思うのですが、自分用のメモも兼ねて今回記事にしました。
同じような事がしたい方の力になれれば幸いです。
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