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(UE4)(NVIDIA)DLSS2.0プラグインの検証

2021/02/16に公開

*概要
UE4用DLSS2.0の使用方法と効果の検証。

*作業環境
UE:4.26.1
OS:Windows10
GPU:GeForceRTX3080
NVIDIAドライバ:461.40

[注意]:UE4用DLSSプラグインを使用するには、UE:4.26.0以上のバージョンと、NVIDIAの最新ドライバが必要になります。
NVIDIAドライバは以下のバージョンで動作確認済です。

・261.40

また、Tensorコアが搭載されていないGeForceシリーズでは利用できません。

DLSSとは

DLSS(Deep Learning Super Sampling)
NVIDIAのGeForce RTXシリーズで採用されている、ゲームの画質と性質を向上させるための技術。
低解像度のレンダリングを高解像度同等のクオリティまで引き伸ばし、同時にフレームレートを稼ぐことができる機能です。最新バージョンの2.0では、それらの技術はより進化を遂げました。

DLSSはUE4でも使うことができます。以前まではC++でコードを書かなければ使用できませんでしたが、先日UE4用にプラグイン化されたものがリリースされ、ue4.26からはノードベースで簡単に扱える様になりました。
現在対応しているUEバージョンは以下になります。

・4.26.0
・4.26.1

今回は、DLSS2.0のプラグインを使って、UE4での使い方と、使用することで何がどれほど変わるのか、を検証しました。

インストール方法


ランチャーのマーケットプレイスからNVIDIA_DLSSと検索して、Extemal Linkからダウンロードページのリンクへ飛びましょう。
もしくは以下のリンクからでも直接行くことができます。

NVIDIA DLSS Plugin for UE 4.26 ダウンロードページ


赤矢印のボックスにチェックを入れると、ダウンロードできる様になります。

ダウンロードできたら、zipを解凍します。
フォルダの中身はこんな感じです。

現在UE4.26.0と4.26.1がリリースされているので、使用するUEのバージョンに合わせて選びます。
中身はそれぞれ、DLSSという一つのフォルダのみです。

このファイルを、以下の場所にコピー&ペーストしましょう。
・/EpicGames/UE_4.26/Engine/Plugins/Runtime/Nvidia

Anselというファイルがある筈なので、その下に置けば大丈夫です。

次に、UE4のプロジェクトを開きます。
Pluginsを開くと、一覧にNVIDIA DLSSが出てきています。

Enabledにチェックをつけて再起動しましょう。

再起動できたら、画面左上の矢印をクリックして、
[DlSS Settings]が新しく表示されているか確認してください。

*NVIDIAドライバのバージョンが古かったり、正しくインストールされていない場合、このDLSS Settingsが表示されず、プラグインは正しく動作しません。

これで、プラグインのインストールが完了しました。

使用方法

使用方法はとても簡単です。
先程のDLSS Settingsからイメージ品質モードを選ぶことで、簡単に適応できます。

また、ノードも用意されていて、ブループリントで設定させることも可能です。

現在は大きく分けてPerformance(高性能)、Quality(品質)、Balanceの3つのモードが搭載されています。

検証

それでは、UE4で実際に使用してみます。

今回は、先日サンプルプロジェクトが公開されたMetaHumansを例にして、
通常とDLSS使用時のfps/フレーム数を比較してみました。

MetaHumans

このサンプルプロジェクトでは、実行するとシーケンスムービーが再生されるので、
その時間を使って検証を行います。

○画質

通常時と、3つのモードを適応した時の画の見え方を比較しました。

・Ultra Performance

・Balance

・Ultra Quality(何故かUIから選択できない為、実行時のSSになります。)

これだと分かりづらいので、二枚の画像を並べて差分をとってみました。
結果が↓です。(微ホラー注意)

・Ultra Performance

・Balance

・Ultra Quality

こうしてみると、Ultra Performanceが一番画質が荒くなっている様です。
次にUltra Qualityですが、こちらは荒くなっているというより、基のボケていたり曖昧な箇所を補正している様に見えます。
一番変化が少ないのは、Balanceかと思われます。

○fps/フレームレート数

シーケンスが再生している間のfps/フレーム数を取得できるUMGを作成しました。

↑はDLSSの適応前、通常の状態で再生しています。
通常時のfps/フレーム数は、大体以下の様になりました。

⚪︎通常時
・fps:平均40
・フレーム数:2,164
(シーケンスが始まってから終わるまでの値です。)

これがDLSSによってどう変化するか、
今回はUltra Performance、Balance、Ultra Qualityの3つのモードで比較しました。
以下、結果を一気に発表します。

通常時とDLSS使用時で比較すると、全体的に1.2〜1.5倍程の違いがあります。
ですが、モード間では特に大きな差はありませんでした。

まとめ

DLSSを使用すると、画質やfps共に大きく変わります。
今実装されているモードの中では、Balanceが一番ニュートラルで使いやすいかなと思いました。


参考
Unreal Engine 4.26 DLSS 2.0 Tutorial(チュートリアル動画)
Exploring DLSS 2.0 in Unreal Engine 4.26
知っておくべき「DLSS」の凄さ - ゲーム軽量&高画質化の切り札なんです
DLSSをオンにすると何が変わるのか?

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