情報処理安全確保支援士試験に合格したので、自分の勉強方法を振り返る
はじめに
この度、2024年4月21日に受験した情報処理安全確保支援士試験に合格しました。
この記事では、試験当日までに勉強した内容を振り返り、自身の勉強方法の整理も兼ねて、他の受験する方への参考になればよいと思いました。
現時点での保有資格
現時点(2024/7/6執筆時)での保有資格です。
国家資格
- 基本情報技術者
- 応用情報技術者
それ以外
- G検定
- AI実装検定A級
- Python3エンジニア認定基礎試験
- Python3エンジニア認定データ分析試験
- Python3エンジニア認定実践試験
受験歴
応用情報の合格から続けて情報処理安全確保支援士を4、5回ほど受験していましたが、合格しないままで、コロナが流行り始めた時に一旦受験を中断したので、数年の空白歴がありました。なので、情報処理試験は今回で数年ぶりの受験となりました。
勉強に使用した教材
- 情報処理安全確保支援士「専門知識+午後問題」の重点対策2024
- 情報処理安全確保支援士ドットコム
- うかる! 情報処理安全確保支援士 午後問題集[第2版]
- まさるの勉強部屋
- 徳丸浩のウェブセキュリティ講座
- 応用情報技術者試験ドットコム
当日までの勉強スケジュール
勉強時間内訳
月ごとの勉強時間の内訳は以下のようになります。合計で約122時間を費やしました。
10月
2023年の10月下旬から、情報処理安全確保支援士ドットコムを利用して午前問題から着手を始めました。
この時に勉強時間を記録するためにStudyplusのアプリをインストールしました。
IPAの情報処理試験は過去2回分の範囲から出題されないという慣例に従い、令和3年秋期の午前1問題から遡り始めました。(後から数え間違いに気づいて令和4年春期と秋期も追加で学習しています。)
勉強時間は基本的に平日の通勤電車の往復50分×2の中で行いました。午前問題を解いて、間違えた問題はその技術の解説を調べて、メモにまとめました。
それ以外では休日に自宅で過去問の演習などに時間をかけています。アウトプットはここになります。
(2023/10/28にPython3エンジニア認定データ分析試験を受験、合格)
11月、12月
11月は、Pythonエンジニア認定実践試験の資格勉強があったため、そちらの勉強を優先しました。
(2023/11/25にPython3エンジニア認定実践試験を受験、合格)
本格的な勉強を始めるに辺り、重点対策の本を基に試験での出題率が高い順に章を並べ直し、1章辺りの学習日数を11日に換算して1日当たりのページ消化数を割り出して学習を進めました。
11月、12月は重点対策を使った午後問題の知識習得と、支援士ドットコムを利用した午前問題の暗記を進めました。
1月
1月は上記の内容に加え、うかる!本を利用して午後問題の抜き出した文章から答えを頭に思い浮かべて、それが解答にどれだけ近づけられるかというアウトプットトレーニングを行いました。この段階で、午後問の回答内容をIPAが求めるものに近づけられるように意識しています。
この頃には、朝の通勤電車で支援士ドットコムで午前の過去問を午前1, 2とまとめて解き、夜の通勤電車でうかる!本を黙読するというサイクルが出来ていました。家に帰った後の時間で重点対策も数ページずつ進めました。
2月
2月はコロナになったり仕事が忙しく、あまり勉強する時間が取れませんでしたが、朝に重点対策、夜にうかる!本を読み、午後問題の知識習得と回答のコツを学習しました。
3月
3月は2月の内容に加え、まさるの勉強部屋のYoutubeの動画を使い、DKIMやDMARC、デジタル証明書の検証方法など重点対策の本だけでは理解できなかった内容を、図解と音声で取り入れることで理解を深めました。
4月
重点対策を当初の予定通り3月に1周出来たので、残りの時間は、支援士ドットコムで午前問題をやりつつ、重点対策でまだ理解できていない用語を改めて読んで理解、それでも分からなかったCORSの具体的な解説を徳丸さんのYoutube動画を見て理解を深めました。直前になり午前1の出題範囲が応用情報の午前問題であることに気づいたので、短期間で詰め込みました。ここは当日の試験の点数を振り返ってもかなりギリギリだったと思います。残りは午後問題の過去問を令和4年春から遡り、試験当日に備えました。当日までの約1週間で令和4年春~令和3年秋の午後1、午後2を解いています。ここまで来ると、重点対策とうかる!本で習った所と重複しているので、一度解いた所が頭に思い浮かべられるようになりました。
試験当日
試験当日も直前まで支援士ドットコムや、メモにまとめた過去に間違えた技術を読み返しました。
実際の午前問題は1も2も大体、「これやったことある!」「これ知らないやつ!」のどちらかだったので、体感としては合格ラインギリギリでした。
午後問題は正直読み始めて「何これ?」という状態でした。
今までの勉強してきた知識から、
- 現在の仕組みの問題点
- 具体的な改善点
- 問題によっては解答が問題文からそのまま流用できる
が問われるのだろうという点を押さえつつ、解答を埋めました。
また、今回は文字数指定のない記述問題も数問あり、焦りと混乱がありました。
解答としては全てを埋めることが出来ませんでしたが、9割は埋めました。
試験結果
試験結果は以下の通りです。
午前1 | 午前2 | 午後 |
---|---|---|
61.20点 | 68点 | 64点 |
午後問題はTACやITECの解答速報を基に自己採点を行いましたが、その時で31点だったので余程下駄が履かされたのかなと思いました。IPA公式の解答と見比べた時はもっと正答していたので、45点くらいはあったかもしれませんがそれでも下駄履かせの点数が多いですね。
試験を振り返って
記入した解答に自信はありませんでしたが、IPAが求めるような解答文の作りは意識していました。なので、解答を外している場合は問われた内容からそもそも見当違いの解答をしているだろうと思っていました。
まとめ
勉強方法としては、
- 令和4年秋から10回分の午前問題を問題文から正解がすぐ分かるまで解き、間違えた問題は正解が分かるように解説を理解しながらメモとして残す。
- 4ヶ月かけて重点対策の本を出題率が高い順に読み進め、適宜メモを取る。
- 休日に午後問題を解く。ちゃんと採点まで行い、正しい解答が導き出される過程を理解する。
- 午後問題の対策が進んだら、うかる!本を読み、IPAが求める解答文を脳内で浮かべられるように解答と比較して理解する。
という内容になります。
技術に対して、
- 技術の特徴、何に活用されるか
- 技術の弱点、どういう悪用をされるか
- 技術の対策、弱点に対してどういう対応をする必要があるか
を何も見なくても浮かべられるようになるのがベストだと思います。
また、試験勉強期間中に「勉強時間を記録するために勉強する」という手段と目的が逆転することが少しだけありました。勉強する人に陥りがちなことだと思いますが、勉強時間を費やすことよりも大事なのは、技術への理解です。私は数日以内に自覚して軌道修正しました。
分からない技術のメモについては、自分の手元のメモだけではなくStudyplusにも記録を残しています。不特定多数の人が見れる場所に、他の人たちが読んでも分かるアウトプットを意識して簡単な文章として残しています。ここも今回の勉強で意識した所です。
「本当に自分が理解できているかどうかは、他人に説明するための文章としてまとめられるかで分かる」
本を読むだけ(インプット)で終えても、人に説明すること(アウトプット)が出来なければ、自分の身につかないので、ここではStudyplusを活用させてもらいました。慣れない人はZennやQiita等の記事投稿でもいいと思います。
この記事を読んだ他の人が、今後支援士を受験する時にこの辺りの内容が参考になると嬉しいです。
今後の目標
何はともあれ合格したので、当初予定していた試験のスケジュールであるデータベーススペシャリストへの受験に進めそうです。AWS認定試験の受験もしたいですが、勉強期間が情報処理試験にどうしても被るので、その辺りのバランスをどうしようかまだ考えている最中になります。
余談
今回の受験にあたり、今まで勉強で参考書を読破したことが無かったので、参考書を読破するという副次的な目標を立てていました。結果として重点対策とうかる!本の参考書を読破することが出来ました。
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