社内のデザイン工程を標準化するプロジェクトを立ち上げた話
はじめに
社内に「デザイン標準化プロジェクト」なるプロジェクトを立ち上げて、デザインの標準化に取り組んでいます。
その経緯や目的について紹介します。
デザイン標準化プロジェクトとは
社内のデザイン工程を標準化するプロジェクトです。そのままです。
プロジェクト爆誕の背景
開発に携わるチーム全体でデザインに関する認識を統一する機会が少なく、結果として開発効率に改善の余地がある状況でした。
また、デザインとエンジニアリングの橋渡しをする専門的な役割や仕組みが整備されておらず、両者間での連携においてより密なコミュニケーションが求められていました。
時として、エンジニアがデザインデータの調整を独自に行うことがあり、デザイナー側もそれを柔軟な対応として受け入れている状況がありました。
筆者は元々デザインを学んでいた背景もあり、デザインとエンジニアリングの連携についてもう少し改善できる部分があるのではないかと感じていました。
また、デザインの意図や背景が十分に共有されないまま開発が進むことで、プロダクトの一貫性やユーザー体験の向上において、さらなる改善の可能性があると考えていました。
この課題感について他のメンバーや上長と相談を重ねてきましたが、文化や体制、スキルの観点から包括的な解決策を見つけることが困難で、自ら主導して取り組む必要があると判断しました。
最終的に、同様の問題意識を持つデザイナーと協力し2人でデザイン標準化プロジェクトを立ち上げることになりました。
プロジェクトの目的
業務を効率化し生産性を高めるため、デザインを標準化することを目的としています。
これまでの取り組み
主な取り組みは以下の通りです。
- デザイナーとエンジニア間での連携における課題を抽出、優先度の決定
- デザイン標準ガイドライン(制作における基準などを記載したもの)の策定
- ワイヤーフレーム用のテンプレートの策定
- 社内におけるFigmaの運用方針の検討・ルールの策定・環境の整備
- 社内におけるFigmaのリテラシーを高める施策の検討・実施
- アイコン用のテンプレートの策定
- Figmaデザインにおけるファイル構造のテンプレートの策定
- Figmaにおけるドラフトの仕様変更に伴うルールの策定
- FigmaにおけるVariablesの命名規則や基準などの策定
- プロジェクトにおけるコミュニケーションツールの役割と活用方法の整理・ガイドラインの策定
デザインデータそのもののクオリティや共有するべき情報・マインド・フロー・体制などを標準化し、スムーズに連携できるようにすることを目指しています。
主にデザイナーとエンジニアでの協議ではありますが、必要に応じディレクターやその他の職種とも協議を行い、プロジェクト全体の進行を円滑にするための取り組みも行っています。
また、活動内容的に少しFigmaに詳しいことから、Figma組織の運用も担当しています。料金や仕様の変動には敏感です。
定期的に社内向けの勉強会を開催したり、esaなどでの言語化も行っています。
もう少し詳しく知りたい方は、以下の記事を参照してみてください。
まとめ
活動を数年続けてきましたが、まだまだ課題は残っています。
立ち上げからこれまでで土台の整備はできてきたものの、実際のデザイン工程への浸透やプロジェクトでの活用が進んでいない部分があります。
今後も引き続き、社内の啓蒙活動や効率化のための施策を検討・実施していく予定です。
策定したテンプレートや新たな取り組みについても記事にしていきたいと思います。
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