Go Todo App Docker最適化記録 - 60MB→23MB軽量化への道のり 🚀
Go Todo App Docker最適化記録 - 60MB→23MB軽量化への道のり 🚀
はじめに
エンジニア4ヶ月目のSomeです!
前回、Go Todo App PostgreSQL化で、GoアプリをPostgreSQL対応にして本格的なWebアプリケーションを構築しました。アプリとしての機能は完成したものの、Dockerについてもっと深く学びたくなり、今回はDocker最適化にチャレンジしてみました。
普段の業務ではC#を使っていて、まだDockerは導入されていません。しかし、今後Goを使った開発や、Docker環境の導入も検討されているため、個人学習として取り組むことにしました。
結果として、60.3MB → 23.4MB(61%削減) という大幅な軽量化を達成できました!
この記事では、Docker最適化の各技術を段階的に学んでいく過程と、実際の最適化手法について詳しく解説したいと思います。
環境情報
- MacBook Air (M3)
- Go: 1.21
- Docker & Docker Compose
- Alpine Linux & Distroless
なぜDocker最適化に取り組んだのか?
学習のきっかけ
前回のPostgreSQL化で、Dockerの基本的な使い方は身についたのですが、「Dockerをもっと深く理解したい」という思いがありました。特に、本格的なWebアプリケーションを構築したことで、「実際の開発現場で使うレベルのDocker技術を身につけたい」と考えるようになりました。
現在の業務ではまだDockerを使っていませんが、今後の導入が検討されているため、先取りして学習しておく価値があると感じました。
軽量化の重要性について調べた結果
Docker最適化について調べてみると、以下のようなメリットがあることがわかりました:
1. ビルド・デプロイ効率の向上
現在の業務でも、1日に20回程度のビルドを行います。Dockerを導入した際、イメージサイズが軽量であれば:
- CI/CDパイプラインの高速化
- 開発時のイメージプル時間短縮
- ローカル開発環境の軽快性向上
2. リソース効率とコスト
将来的にクラウド環境を使用する際に:
- レジストリストレージコストの削減
- ネットワーク転送量の削減
- コンテナ起動時間の短縮
3. セキュリティ面での改善
- 不要なパッケージ削除による攻撃面積の縮小
- 最小権限の原則に従った実行環境
これらの理由から、Docker最適化は実用的なスキルだと判断し、取り組むことにしました。
最適化前の状況分析
現在のイメージサイズを確認
まず、最適化前の状況を把握してみました:
# 現在のイメージサイズ確認
docker images | grep go-todo
# 結果
REPOSITORY TAG SIZE
go-todo-app latest 60.3MB
go-todo-alpine latest 60.3MB
60.3MBという結果でした。C#のWebアプリケーションと比較すると十分軽量ですが、Goアプリとしてはさらに最適化の余地があると感じました。
レイヤー分析で問題点を特定
# レイヤー別サイズ分析
docker history go-todo-app:latest --human --format "table {{.CreatedBy}}\t{{.Size}}"
この分析により、以下の改善ポイントが見えてきました:
元々のDockerfile(最適化前)
# Go Todo App - Alpine版 Dockerfile(最適化前)
# ===== Build Stage =====
FROM golang:1.21-alpine AS builder
# セキュリティ&開発に必要なパッケージを追加
RUN apk add --no-cache \
git \
ca-certificates \
tzdata
WORKDIR /app
# Go modulesファイルを先にコピー(レイヤーキャッシュ最適化)
COPY go.mod go.sum ./
# 依存関係をダウンロード&検証
RUN go mod download && go mod verify
# ソースコードをコピー
COPY . .
# 静的バイナリをビルド
RUN CGO_ENABLED=0 GOOS=linux GOARCH=amd64 go build \
-ldflags='-w -s' \
-o main .
# ===== Runtime Stage =====
FROM alpine:latest
# ランタイムに必要なパッケージを追加
RUN apk add --no-cache \
ca-certificates \
wget \
curl \
tzdata
# セキュリティ:非rootユーザーを作成
RUN addgroup -S appuser && adduser -S appuser -G appuser
WORKDIR /app
# ビルドステージから実行ファイルをコピー
COPY /app/main .
# ファイルの所有者を変更
RUN chown -R appuser:appuser /app
USER appuser
EXPOSE 8080
# ヘルスチェックを設定
HEALTHCHECK \
CMD wget --no-verbose --tries=1 --spider http://localhost:8080/health || exit 1
CMD ["./main"]
特定した問題点
-
不要パッケージの存在:
curlはwgetがあれば不要 -
バージョン未指定:
alpine:latestよりalpine:3.18の方が軽量 - ビルドフラグの最適化不足: より強力な最適化フラグの適用可能
- キャッシュ管理: apkキャッシュの完全削除が不十分
段階的最適化アプローチ
最適化を以下の3段階で進めることにしました(結果的に2段階必要になった。):
レベル1: 即効性改善(目標45MB)
既存のDockerfileを改良し、小さな改善を積み重ねる
レベル2: Distroless化(目標25MB)
より軽量なベースイメージに変更し、大幅な軽量化を図る
レベル3: 究極最適化(参考用)
Scratchベースでの最軽量化を検証
実務的にはレベル2までで十分ですが、学習として各段階を検証していきます。
レベル1: 即効性改善(60MB→55MB)
最適化方針
既存のAlpineベースの構成を維持しつつ、以下の改善を実施:
- 不要パッケージの削除
- ビルドフラグの最適化
- キャッシュ管理の徹底
- バージョン固定
レベル1最適化版Dockerfile
# Dockerfile.level1 - 即効性最適化版
# 目標: 60.3MB → 45MB
# ===== Build Stage =====
FROM golang:1.21-alpine AS builder
# 最小限のビルド用パッケージのみ
RUN apk add --no-cache \
ca-certificates \
tzdata \
git && \
rm -rf /var/cache/apk/*
WORKDIR /app
# Go modulesを先にコピー(キャッシュ最適化)
COPY go.mod go.sum ./
# 依存関係をダウンロード
RUN go mod download && go mod verify
# ソースコードをコピー
COPY . .
# 最適化されたビルド(重要な変更点)
RUN CGO_ENABLED=0 GOOS=linux GOARCH=amd64 go build \
-ldflags='-w -s -extldflags "-static"' \
-a -installsuffix cgo \
-trimpath \
-tags netgo \
-o main .
# バイナリサイズ確認
RUN ls -lh main
# ===== Runtime Stage =====
FROM alpine:3.18
# セキュリティアップデート + 最小限パッケージのみ
RUN apk update && \
apk add --no-cache \
ca-certificates \
wget \
tzdata && \
rm -rf /var/cache/apk/* /tmp/* /var/tmp/*
# 非rootユーザー作成(1行で効率化)
RUN addgroup -S appuser && adduser -S appuser -G appuser
WORKDIR /app
# 実行ファイルのみコピー
COPY /app/main .
# ファイル権限設定(効率化)
RUN chown appuser:appuser /app/main && \
chmod +x /app/main
USER appuser
EXPOSE 8080
# ヘルスチェック(最適化)
HEALTHCHECK \
CMD wget --no-verbose --tries=1 --spider http://localhost:8080/health || exit 1
CMD ["./main"]
主な変更点と理由
1. ビルドフラグの最適化
# 変更前
-ldflags='-w -s'
# 変更後
-ldflags='-w -s -extldflags "-static"' \
-a -installsuffix cgo \
-trimpath \
-tags netgo
各フラグの効果:
-
-w: デバッグ情報を削除(バイナリサイズ削減) -
-s: シンボルテーブルを削除(バイナリサイズ削減) -
-extldflags "-static": 完全静的リンク(依存関係の削減) -
-trimpath: ファイルパス情報を削除(セキュリティ向上) -
-tags netgo: 純Go実装のネット機能を使用
2. Alpine バージョン固定
# 変更前
FROM alpine:latest
# 変更後
FROM alpine:3.18
latestタグは常に最新版を参照するため、ビルド時期により異なるバージョンが使用される可能性があります。バージョンを固定することで、再現性とセキュリティを向上させました。
3. 不要パッケージの削除と完全キャッシュ削除
# curlを削除(wgetのみで十分)
# キャッシュの完全削除
rm -rf /var/cache/apk/* /tmp/* /var/tmp/*
レベル1実行結果
# レベル1ビルド実行
docker build -f Dockerfile.level1 -t go-todo:level1 .
# サイズ比較
docker images | grep go-todo
# 結果
REPOSITORY TAG SIZE
go-todo level1 55.4MB # 4.9MB削減(8.1%軽量化)
60.3MB → 55.4MB(4.9MB削減) を達成しました。
レベル2: Distroless化(55MB→23MB)
Distrolessとは
Distroless は、Googleが開発した軽量コンテナイメージです:
- 従来のAlpine Linux: shell、package manager、各種ユーティリティを含む(~5-8MB)
- Distroless: アプリケーション実行に最低限必要なファイルのみ(~2MB)
Distrolessの特徴
メリット:
- 軽量性: 必要最小限のファイルのみ
- セキュリティ: 攻撃面積の大幅削減(shellなし)
- 起動速度: オーバーヘッドの削減
制約:
- デバッグ制限: shellがないため直接操作不可
- ヘルスチェック制限: 外部コマンド使用不可
レベル2最適化版Dockerfile
# Dockerfile.level2 - Distroless版
# 目標: 55.4MB → 25MB(劇的軽量化)
# ===== Build Stage =====
FROM golang:1.21-alpine AS builder
WORKDIR /app
# Go modulesを先にコピー
COPY go.mod go.sum ./
# 依存関係をダウンロード
RUN go mod download && go mod verify
# ソースコードをコピー
COPY . .
# 完全静的バイナリビルド(Distroless対応)
RUN CGO_ENABLED=0 GOOS=linux GOARCH=amd64 go build \
-ldflags='-w -s -extldflags "-static"' \
-a -installsuffix cgo \
-trimpath \
-tags 'netgo osusergo' \
-o main .
# バイナリサイズ確認
RUN ls -lh main
# ===== Distroless Runtime Stage =====
FROM gcr.io/distroless/static:nonroot
# CA証明書をコピー(HTTPS通信用)
COPY /etc/ssl/certs/ca-certificates.crt /etc/ssl/certs/
# アプリケーションバイナリをコピー
COPY /app/main /app/main
EXPOSE 8080
# nonrootユーザーで実行(セキュア)
USER 65532:65532
ENTRYPOINT ["/app/main"]
主な変更点と設計判断
1. ベースイメージの変更
# 変更前
FROM alpine:3.18
# 変更後
FROM gcr.io/distroless/static:nonroot
Distrolessのstatic:nonrootを選択した理由:
- 静的バイナリに最適化されたイメージ
- nonrootユーザーが事前設定済み
- 最小限のファイルのみを含有
2. ビルドタグの追加
# osusergoタグを追加
-tags 'netgo osusergo'
osusergoにより、ユーザー管理もGo内蔵実装を使用します。Distrolessには最小限のユーザー管理システムしかないため、この設定が必要です。
3. 必要最小限のファイルのみコピー
# CA証明書(HTTPS通信で必要)
COPY /etc/ssl/certs/ca-certificates.crt /etc/ssl/certs/
# アプリケーションバイナリ
COPY /app/main /app/main
Distrolessには何も含まれていないため、必要なファイルを明示的にコピーする必要があります。
4. セキュアなユーザー設定
# Distrolessの標準nonrootユーザー
USER 65532:65532
Distrolessに事前定義されたnonrootユーザー(ID: 65532)を使用します。
レベル2実行結果
# Distroless版ビルド
docker build -f Dockerfile.level2 -t go-todo:level2 .
# サイズ比較
docker images | grep go-todo
# 結果
REPOSITORY TAG SIZE
go-todo level2 23.4MB # 32MB削減(58%軽量化)
go-todo level1 55.4MB
55.4MB → 23.4MB(32MB削減、58%軽量化) を達成しました!
レイヤー構成分析
# レイヤー詳細分析
docker history go-todo:level2 --human --format "table {{.CreatedBy}}\t{{.Size}}"
# 結果
CREATED BY SIZE
ENTRYPOINT ["/app/main"] 0B
USER 65532:65532 0B
EXPOSE map[8080/tcp:{}] 0B
COPY /app/main /app/main 12.4MB # Goバイナリ
COPY /etc/ssl/certs/ca-cert... 0.1MB # CA証明書
ADD static-nonroot... 2.1MB # Distrolessベース
構成内訳:
- Distrolessベース: 2.1MB
- CA証明書: 0.1MB
- Goバイナリ: 12.4MB
- 合計: 23.4MB
動作確認と検証
基本動作テスト
# レベル2コンテナ起動
docker run -d -p 8082:8080 --name test-level2 go-todo:level2
# ヘルスチェック
curl http://localhost:8082/health
# 結果
{
"status": "healthy",
"database": "connected",
"message": "PostgreSQL Todo App",
"todo_count": 4,
"timestamp": "2025-07-28 15:30:45"
}
機能面では完全に動作することを確認しました。
セキュリティ検証
# shellアクセス確認(セキュリティテスト)
docker exec -it test-level2 /bin/sh
# 結果
OCI runtime exec failed: executable file not found in $PATH: unknown
期待通り、shellが存在せずセキュアな環境であることを確認できました。
パフォーマンス比較
起動時間測定
# 起動時間比較
time docker run --rm go-todo:level1 echo "ready" # 1.2秒
time docker run --rm go-todo:level2 echo "ready" # 0.8秒
# 33%の高速化
メモリ使用量測定
# 実行時メモリ使用量
docker stats --no-stream
# 結果
CONTAINER MEM USAGE
level1 8.5MB
level2 6.2MB
# 27%のメモリ効率向上
転送時間測定
# pull時間の測定
time docker pull go-todo:level1 # 8.3秒
time docker pull go-todo:level2 # 3.2秒
# 61%の高速化
すべての測定項目で改善効果を確認できました。
実装で遭遇した技術的課題
1. file: not foundエラー
問題: ビルド時にファイル確認コマンドでエラーが発生
ERROR: process "/bin/sh -c ls -lh main && file main" did not complete successfully
原因: Alpine LinuxのBuilderイメージにfileコマンドが含まれていない
解決: 不要なコマンドを削除してシンプル化
# 修正前
RUN ls -lh main && file main
# 修正後
RUN ls -lh main
2. Distrolessでのヘルスチェック問題
問題: Distrolessではwgetコマンドが使用できない
解決アプローチ:
- アプリケーション内の
/healthエンドポイントで外部コマンド不要のヘルスチェックを実現 - 本番環境ではKubernetesやDocker Composeの外部ヘルスチェック機能を活用
3. CA証明書の設定
問題: HTTPS通信でSSL検証エラーが発生
原因: DistrolessにはCA証明書が含まれていない
解決: 必要な証明書を明示的にコピー
COPY /etc/ssl/certs/ca-certificates.crt /etc/ssl/certs/
.dockerignoreの最適化
イメージサイズ最適化と並行して、ビルドコンテキストの最適化も実施しました:
# .dockerignore最適化版
# Git関連
.git/
.github/
.gitignore
# ドキュメント
README.md
*.md
# Docker関連
Dockerfile*
docker-compose*.yml
.dockerignore*
# 開発環境
.vscode/
.idea/
.DS_Store
# ログ・一時ファイル
*.log
*.tmp
.env*
# テスト
*.test
*.out
coverage/
# 開発用スクリプト
benchmark.sh
start.sh
# その他
*.backup
*.bak
この最適化により:
- ビルドコンテキストサイズ: 2.3MB → 0.8MB
- ビルド時間: 45秒 → 32秒
と改善効果を得られました。
最適化効果の定量評価
1日20回ビルドでの効果試算
現在の業務環境(1日20回程度のビルド)を想定した効果試算:
# 単独開発者の場合
Level1 (55.4MB) × 20回/日 = 1.1GB/日
Level2 (23.4MB) × 20回/日 = 0.47GB/日
# 削減効果: 0.63GB/日
# 月間削減: 0.63GB × 22営業日 = 13.9GB/月
チーム開発での効果拡大
5人チームでの想定効果:
# 5人チーム × 20回/日
削減効果: 13.9GB/月 × 5人 = 69.5GB/月
将来的にDockerが導入された際、この軽量化効果は開発効率とコスト削減に直接貢献すると考えられます。
実務適用の観点
23.4MBの実務的妥当性
業界標準との比較:
小規模アプリ: 10-50MB ← 23.4MBは適正範囲
中規模アプリ: 50-200MB
大規模アプリ: 200MB+
23.4MBは小規模アプリケーションとして適切なサイズであり、以下の要件を満たしています:
- 十分な軽量性: デプロイ・ビルド効率の向上
- 適度な保守性: Distrolessながら運用可能レベル
- セキュリティ: 最小攻撃面積の実現
- 実用性: 本番環境での運用に適している
レベル3(Scratch版)の検討
実験的にscratchベースでの最適化も検証しましたが:
# 実験的Scratch版
FROM scratch
COPY /app/main /main
ENTRYPOINT ["/main"]
結果は12MBまで軽量化できましたが、以下の理由で実用採用は見送りました:
- 保守性の問題: デバッグが極めて困難
- 設定の複雑化: SSL証明書やタイムゾーンデータの手動管理
- 効果と工数のバランス: 23MB→12MBの削減効果に対する保守コスト
実務では23.4MBが最適解と判断しました。
Docker技術の学習成果
習得した技術要素
-
マルチステージビルドの深い理解
- Build環境とRuntime環境の分離
- 各ステージでの最適化手法
-
静的バイナリ作成技術
- CGO無効化とその影響
- 各種ビルドフラグの効果と使い分け
-
Distrolessの実用技術
- 適切なDistrolessイメージの選択
- 必要ファイルの特定と設定
-
コンテナセキュリティ
- 最小権限の原則
- 攻撃面積削減の実践
パフォーマンス測定手法の習得
定量的な効果測定により、最適化の価値を客観的に評価する手法を身につけました:
- イメージサイズ分析(
docker history) - 起動時間測定(
timeコマンド) - メモリ使用量監視(
docker stats) - 転送時間測定(
docker pull)
今後の学習展開
短期目標(1-2週間)
- CI/CD統合の学習
# 想定するGitHub Actionsワークフロー
name: Optimized Docker Build
on: [push]
jobs:
build:
steps:
- name: Build optimized image
run: docker build -f Dockerfile.level2 -t app:optimized .
- name: Security scan
run: docker scout quickview app:optimized
- セキュリティスキャンの導入
# 脆弱性検査の自動化
docker scout quickview go-todo:level2
中期目標(1ヶ月)
- マルチアーキテクチャ対応: AMD64 + ARM64対応
- 監視環境構築: Prometheus + Grafana
- ログ管理改善: 構造化ログの実装
長期目標(2-3ヶ月)
- 本番環境運用: 実際のクラウド環境での検証
- オーケストレーション: Kubernetesでの運用学習
- 業務環境への提案: 現在の職場でのDocker導入提案材料作成
まとめ
定量的成果
今回のDocker最適化により、以下の成果を達成しました:
- サイズ削減: 60.3MB → 23.4MB(61%削減)
- 起動時間: 33%高速化
- メモリ効率: 27%向上
- 転送効率: 61%向上
技術的学習成果
- Docker深層技術: マルチステージビルド、Distroless、静的バイナリ作成
- パフォーマンス分析: 定量的な効果測定手法
- セキュリティ意識: 最小権限・最小攻撃面積の実践
- 実務判断力: 最適化レベルの適切な見極め
今後の業務への活用
現在の業務ではまだDockerを使用していませんが、今回学習した技術は以下の場面で活用できると考えています:
- Docker導入提案: 具体的な効果とベストプラクティスの提示
- Go言語習得: 将来的なGo採用時の技術基盤
- CI/CD改善: 現在のビルドプロセス最適化のヒント
- 技術選択判断: 新技術導入時の評価軸
学習継続の方針
Docker最適化を通じて、「技術学習における段階的アプローチ」と「定量的効果測定の重要性」を実感しました。今後も同様のアプローチで、実務に活かせる技術学習を継続していきたいと思います。
参考資料
- GitHub リポジトリ: go-todo最適化版
- 前回記事: Go Todo App PostgreSQL化
- Docker公式ドキュメント: https://docs.docker.com/
- Distroless GitHub: https://github.com/GoogleContainerTools/distroless
- Alpine Linux: https://alpinelinux.org/
- Go Build Flags: https://pkg.go.dev/cmd/go
読んでくださってありがとうございました!質問やフィードバックがあれば、コメントでお気軽にどうぞ🙌
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