読書メモ:世界で一番やさしい 会議の教科書
会社の人からおすすめされた本。
内容説明
職場の会議のグダグダぶりに悩む、入社2年目女子、鈴川葵。「生涯会議時間」が3万時間にも上ることを知って一念発起し、コンサルタントの父の指南を受けて会議のカイゼンに挑戦する。そこで知ったのが、会議を変える「魔法の一言」だった―。結論がでる、みんな納得、内職ゼロ、時間短縮。会議をうまく進める方法が物語でカンタンにわかる!
第1章 初めてのダメ会議
だめ会議の様子が描かれる
- 一番えらい人が前で資料読んでるだけ。たまに1対1の会話が発生。
- 参加者は寝てるか内職
- 会議で決まったことがよくわからん
あるあるだなあ…前職では特に感じた。現職に来てからかなり減って驚いた(初の大型案件で定例の存在意義がかなり頻繁に問われて、状況によって実際になくなったり、減ったり増えたり別れたりしてた。ただ会議の構造化とかやることの明確化とかはちょっと不得意な感じも受けた。)が、現職でも油断するとこうなってるなと思う時もある。
第2章 確認するファシリテーションを始める
ファシリテーション=「促進する、容易にする」
- 会議は何かを決める場
- 何かを決めることを促進する、容易にする
- 「目指すべき姿を共有しておけば、勝手にそこに向かってくれる」
主人公でもできそうなこと
- 会議が終わったタイミングで決まったこと、やるべきことを確認する
- 聞いていなかったから悪いで済ませず、そうならないように会議を進めるのがファシリテーション
- 誰がいつまでに何をするかを明確に
- 決まったことは会議の中でバラバラに存在していて、終わる頃には忘れてしまう
- 確認して間違っていても良い。むしろ認識ズレを修正できて◯
会議を時間通り終わらせる
- 新人が「目的を確認させてください」なんて言えるわけ無い→どうなったら会議終了なのか聞く
- 自分がファシリなら最初に宣言したいところ
- まあでも何が脱線なのかという議論は結構難しい。時間内に終わるかどうかっていう視点でもいいのかもなあ。→「明らかに関係ない話は稀で、実際は微妙なラインが多い」とのこと。そうね。
- 議題ごとの時間配分を決める
- 自動で経過時間をつぶやくものとか作ってもいいかもなあ(議論が白熱してるときにあと何分っていうの気が引けるんよな)…X分ごとにつぶやくとか、あとY分のときとZ分の時につぶやくとか
- 締め切り効果
- 改善サイクルが回せる(予定時間と実際の時間とのズレから、そもそも時間を伸ばす、議題を絞る、等改善できる)
主人公が意識高いことに抵抗する感じがリアルで共感できる。そして父親の日記がよい。日記というわかりやすい体をとりながら、補足説明がいい感じ。父親のミニマムスタートしようとする姿勢はすごい。この温度感は社内に浸透させる上でも意識しとかないと。
やり方を変えれば最初は抵抗があるかもしれないが、意味のあることなら続けていればいずれやらないほうが気持ち悪くなってくる
ミーティング中に確認できなくても、あとからSlackでまとめを投下するとかでいいはず
時間配分の話はちょっと飛躍(急にバリバリ仕切るやん)を感じなくもないが…水口課長素直w
隠れファシリテーションから始めよ。
目的という言葉が曖昧すぎるというのは納得。確かに終了条件の方が良い気がする。なんかもうちょっと良いものがありそうな気もするが…
目的っていうと自分的にはすごく上まで辿ってしまいがち。会社の目的は〜とか生きる目的は〜とか、レイヤとか視点によっても変わってくる。毎回やると疲れるので、その会議1時間の目的を考える必要がある。それには終了条件という言葉は結構いいかもしれない。
だめな例はこれだ。”すること”は手段にすぎない
✕新商品の概要を説明すること
状態(「概要を理解した状態」とか)は△。いい例は、「営業課長が、新商品の概要を部下に説明できる状態」とからしい。なるほど。
第3章 書くファシリテーションを始める
発言をそのまま書く。ホワイトボードにってことだが、僕らならdocsとか共有できるテキストエディタ系が良い(早い、編集/再構成可能)と思われる。ホワイトボードに書くって実際無理よな…この本みたいないホワイトボードで構造化しながら議事録取るのは俺なら無理。文明の利器さまさま。でも視認性という意味では劣るか…?いやでもうちではみんなの前の大画面にうつせるしな。
下記3つを意識してかき分ける。
- 意見
- 論点
- 決定事項
たった今なんの問に対して議論しているかを明確にすることが、議論を噛み合わせる上で極めて重要
スピードは問題になりやすい
はしょる。2,3はオンラインエディタなら問題なし。
- 記号
- カタカナ
- 略字
- アルファベット横文字
- キーワードだけ拾う
あとは練習あるのみ。きれいに書くことは目的ではない。
議論全体を整理しながら書いていく。
問をheadingにして書き分けていくのがいいか。
それこそzennのスクラップ使いやすそうやけど、限定公開機能ないもんな。まあそれ用じゃないし。
なんかいいウェブアプリないかな…
- docsはまあいいのだが、微妙に書きづらい。マークダウンがベストなのだが
- Slackでもいいが、ラボの場合再編集20分以内なんよなあ。一つの投稿が大きいと見づらいし
- Notionで共有はそれなりにあり。会社で使えるようになったし。でも共有の設定とか面倒なんかな?(やったことない)
- メール使うくらいならSlack。即時性もほしい
- HackMD良さそうだが、ビジネス利用なら有料だろうし、金払うほど他のと比べた優位性がないか?
うーん…Notion?
ほしい機能
- 必須:限定公開機能(できればGoogle)
- マークダウン機能
そもそも会議の参加者は他の人の話を聞いていない
なにも書かずに議論するのは目隠しで将棋するのと同じ
冷静に考えればやらない手はないが、正直できる気がしない
わかりみ
書く人の技量に関わらず、書きづらい議論というのが存在する。書きやすいように議論してもらうのが重要。書きやすい議論は筋道だっていて整然としている
世にあるフレームワークを持ち出してきても的はずれなことも多い。今議論していることが見えるようにフレームを作らないとだめ
第4章 隠れないファシリテーションを始める
- 会議の目的
- 情報共有
- タスク分担
- 意見だし
- 課題の特定〜解決<ー今回
ポイント
- 事前に終了状態とプロセスを設計する
- 発散ー収束のプロセスを踏む=バージェンスモデル
- 集まって議論すべきもの、そうでないものを切り分ける
- ◯:結論をだす、選択肢から一つを選ぶ
- ✕:結論を出すために必要な情報を揃える、選択肢をあげる
- 課題解決の5階層を意識する
- 事象:何が起こっているのか?
- 問題:具体的にどう困るのか?
- 原因:なぜそれが発生するのか?
- 施策:どんな解決策があるのか?
- 効果:どの施策が効果が大きいのか?
- 話していない人に振る
- 黙っている人5分類→あとから物言いがつくので、発言していない人をケアする
- 議論についていけない
- もやもやしてるがまとまらない
- 言いたいけど遠慮してる
- 意見が同じだから喋る必要がない
- 議論に興味がない
- 黙っている人5分類→あとから物言いがつくので、発言していない人をケアする
- 質問、意見、懸念が明らかになるように言い切らせる
事前準備、特にプロセスの設計は重要。ある程度議論を誘導するイメージ。なぜかというと個人的には、議論内容とは直接は関係ないわりに難しく、正解もあまりないものだから。そこから議論してしまうと、発散しやすいので、ある程度の決めが要る。
筆者の会社のサイトだった
一度発散させきって、全体を俯瞰する必要があるんだろうな。でも議論を進めている内に気づく論点とかもあるからちょっと難しさもありそう
ファシリが”どうしましょう?”と言ってるばかりじゃ先に進まない。だから進め方を提案して、参加者に確認するんだ。
手段は選ばないけど感じよくやらないとだめですよ。参加者に嫌われたら、うまくいくわけないですから。
全員が「隠れファシリ精神」を持つことが極めて重要
ファシリがわかってないことはどうせ参加者もわかっていない
伸びそうな時は終了10分前くらいに下記から選ぶ
- 時間を伸ばす
- がんばって収める
- 別の機会で再度議論
- メール等で議論
発散の仕方、速度、方向が予想外だと、どう整理していいのかも、そもそも整理していいのかどうかもわからない状態になることがある。自分の手の内から会議がこぼれていく感じ。そういうところからいい考えが出ることもあるし、そのへんのハンドリングは練習あるのみか?
第5章 Prepするファシリテーションを始める
- 一般的な会議の準備:資料作成、会議室確保、参加者通知
- 全く気にされてないが大事:会議の進め方を考える
準備が完了したと言えるのは4つのPが揃った時
- Purpose:終了条件
- Process:進め方
- 議論に必要な情報は何か。それを元にどう議論するとよいか
- People:参加者
- 「居たほうがいいか?」で考えるとドツボ。「居ないと何が困るか?」
- 参加者の状態
- 参加者が抱く疑問、不満
- Property:会議室、プロジェクタ、ホワイトボードなど
会議の目的別プロセスシート
- 報告
- 情報収集
- 承認
- 方針検討
- 課題解決
このチャートいいな。まず大まかな目的が分類されてるのがよいし、どれが大変かなんとなくわかる。大変さの肌感が共有できるといいな。
ファシリの負担がでかい?
準備不足によるグダグダ会議も、準備しすぎて結論は出ているが形式的にやる会議も総時間は増える。その中間を目指す。
そもそも参加者の状態や、疑問に思いそうなこと、不満に感じそうなことを思い描かずに、会議を設計することはできない。会議は一人でやるものじゃないからね。
自分の中では会議の枠組みを設計して、ゆるく誘導するような感覚だった。それをきれいに言語化してくれた感じ。
会議前に私のなかで着地させたい地点があり、そこに誘導する。というより、一人で想定ミーティングをシミュレーションして、結論を出しておくイメージ。ドンピシャで着地すればそれはそれで自分の思い通りだし、もしズレたとしたらそれは多人数で話した意味があったということなので嬉しい。自分の想定していなかった観点が盛り込まれた時、ミーティングしてよかったなーと思う。
ただこれ毎回書き出すのは現実的じゃないよな。大事な会議を選んで書く感じかなあ。あとは自然と頭の中で考えられるように訓練する感じかな
こういうちょっとした手間を惜しむから、会議がグダグダになるんだ。毎回きちんとやるべきだ!と言いたい。
はい、すみませんお父さん。笑
でも慣れてくれば書き出さなくてもいいが、何も考えないのはだめ、とのこと。
エピローグ 2つの転機
めでたしめでたし
まとめ
- 物語仕立てなのですっと頭に入ってくる(物語自体もあるあるだしリアル)
- 父のノートというまとめノートが少しずつ出来上がってくるので頭に残りやすい
- 無意識にこうしようとあがいていたものがきれいに言語化されたイメージ
- 実際にグダグダ会議を変えてきた方法だから、ミニマムスタートして少しずつ変革し、最終的に大きく変えられるような構成になっている。意識高い系の本であるあるの”すごいけどうちではできないよね”、って感じがない。
- 葵ちゃんかわいい