無料のクラウド開発環境を利用しよう(Java, Python)
TL;DR
- ソフトウェア開発環境構築は初心者にやさしくない
- クラウドを使えば開発環境構築しなくていい
- まずは始めてみよう!
意外と面倒な開発環境の準備
ソフトウェア開発初心者や、新しい言語に挑戦する人を指導していると、頻繁に次のような発言を耳にします。
「手順書通りに設定したのにエラーが出て動かないんです」
大抵の場合、必要な環境設定が足りていなかったりと、些細な原因ですが、
仕組みがよくわかっていない初心者にとっては大きな壁となります。
もっと気軽に開発を始めてほしい
指導者がいればこうした問題は解決できますが、独学で始めようとした時には諦めてしまう人もいるのではないでしょうか。
ソフトウェア開発を続けるためには、仕組みを理解し、問題を解決する必要があります。
しかし、こういった問題に惑わされず、誰もがもっと気軽に開発を始められることを願っています。
無料のクラウド環境を活用する
クラウドには初心者でも簡単に開発を始められるサービスが多数あります。
本記事では次の2つを紹介します。
- GitHub Codespaces
- Google Colaboratory
これらを活用することで、ソフトウェアのインストールやその他の面倒な環境設定をせずに、開発を始められます。
GitHub CodespacesでJava開発を始めよう
GitHub Codespacesはクラウドベースの即時開発環境であり、開発用の一般的な言語、ツール、ユーティリティを提供します。
無料の利用枠が設定されており、一定時間は無料で利用できます。
それでは、実際に設定を行ってみましょう。
GitHubアカウントの作成
GitHub Codespacesの利用にはGitHubのアカウントが必要となります。
GitHub Sign upにアクセスして、アカウントを作成します。
メールアドレス、パスワード、ユーザー名、メーリングリストへの参加の要否、CAPTCHA認証を順に行うとアカウントが作成できます。
アカウントを作成したら、メールで認証を行います。
登録したメールアドレスに届いた認証コードを入力して認証を完了させます。
GitHub Codespaces Java Templateの導入
アカウントが作成されたら、次に実際にCodespacesをセットアップします。
Microsoftが提供しているJavaテンプレートを利用します。
Microsoftではほかにもさまざまなテンプレートを提供しています。
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Microsoft提供のJava Templateリポジトリに接続します
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右上の緑色の「Use this template」ボタンをクリックし、表示された「Open in a codespace」をクリックします
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すると、codespaceのセットアップが開始されます
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セットアップが完了すると、VS Codeの画面が表示されます
VS Codeの設定
Javaの実行を容易にするため、設定を行います。
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右下にいくつかのポップアップが表示されます。それぞれに対して「Accept」または「インストール」をクリックします
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左上のExplorerボタンをクリックして、エクスプローラーを表示します
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.vscodeフォルダを開き、その中のlaunch.jsonをクリックして開きます
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「console」を「integratedTerminal」に書き換えます
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キーボードの「ctrl」+「s」を押すか、右上のメニューから「ファイル」「保存」をクリックして、設定を保存します
起動確認(Hello Remote World!)
サンプルプログラムを動かしてみましょう。
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右側のエクスプローラーでsrcフォルダ、次にmain/java/com/mycompany/appフォルダ、最後にApp.javaを順にクリックし、ファイルを開きます
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右上に表示されている「Run Java」ボタンをクリックします
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右下にポップアップが表示されたら、「Yes」をクリックします
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下部のターミナルに「Hello Remote World!」と表示されれば、セットアップが完了です。
以上で、Javaの開発環境が整いました。
codespaceの終了
利用が終了したら、codespaceを終了します。
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Your codespacesにアクセスします
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画面中央に作成したcodespaceのリストが表示されています。停止するcodespaceの右側にある省略記号「...」をクリックします
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「Stop codespace」をクリックします。
上記操作を実行しなくても、既定では非アクティブ状態になって30分が経過した後に自動的に終了します。
ただし、手動で停止するとその時点で終了するため、無料利用時間の節約になります。
また長期間利用がないと自動的に削除されるので注意が必要です。
以上がGitHub CodespacesでJava開発を始めるための基本的な手順です。
Google ColaboratoryでPython開発を始めよう
Google Colaboratoryを利用すれば、環境構築なしで直ちにPythonを書き始めることが可能です。
Colabノートブックというコードを逐次実行できる対話型実行環境を利用します。
それでは、実際に設定を行ってみましょう。
Googleアカウントの作成
アカウントがない場合は作成します。
公式のアカウント作成ヘルプにしたがって作成します。
Google Colaboratoryの開始
Google Colaboratoryにアクセスします。
- 画面左上「ファイル」-「ノートブックを新規作成」を押下します。
- ログインが求められるので、Googleアカウントでログインします。
起動確認(Hello Colab!)
新しい画面でPythonを記述します。
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上部に表示されている入力欄に次のように入力します。
print("Hello Colab!")
-
実行ボタンを押下します。
-
下部のターミナルに「Hello Colab!」と表示されれば、実行成功です。
以上がGoogle ColaboratoryでPython開発を始めるための基本的な手順です。
まとめ
GitHub CodespacesやGoogle Colaboratoryといったツールを活用することで、簡単に開発環境を設定し、ほぼ即座にコーディングを始めることができます。
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