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FlowithのOracle機能を使用して、企業情報をExcel形式で取得する

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はじめに

こんにちは!
皆さんはFlowithというAIツールをご存知でしょうか?
開発元は、2023年6月、アメリカ・カリフォルニアで設立された『Flowith』社で、
創業投資から、目まぐるしいアップデートとハイスピード開発毎日重ね、2024年8月にAIツール「Flowith」を正式ローンチしました(約一年!?)
また、海外発のプロダクト発表プラットフォーム「ProductHunt」にて、2024年8月7日にデイリーランキングで1位を取得し、ベータ期間中には10万人近いユーザーを獲得し、今後日本でも話題が集まるAIツールになります!
https://flowith.io/blank
https://www.youtube.com/watch?v=MppDaIBzTe8&embeds_referring_euri=https%3A%2F%2Fwww.notion.so%2F&source_ve_path=MjM4NTE
今回は最近注目が集まっているFlowithの最大の特徴的機能であるOracleを使用し、使い方からどういった事が可能になるのか紹介していきたいと思います!

1. Flowithとは?

Flowith(フロウィズ)は、従来のチャット型AIでは実現できなかった「思考のプロセスを視覚的に整理しながらAIと協働する」ことを可能にする、キャンバスベースのAIワークスペースです!
これにより、単一のワークスペース内で複数のAIモデルと同時に対話することが可能となり、効率を大幅に向上させるコンテンツ生成が可能にしてくれます!

Oracle機能とは?

皆様は業務の中で以下の疑問が生じたことはないでしょうか?
「記事構成を考えたいけど、どこから手をつければいいか分からない」
「タスクを分解するのが面倒くさい」
「AIに指示するだけで、全体の流れを整えてくれたらいいのに…」
そんなことを、たった一言で一掃してくれるのが、Flowithの「Oracle」機能です。

Oracleはいわば思考を代行してくれるAI設計者です。
複数のツールを使用する必要がある多段階の複雑なタスクを処理するために特別に以下の様に設計されています。

  • 自律的なタスク計画
  • タスクの分解
  • 無制限のツール活用
  • 自己最適化

利用可能な媒体

また、Flowithは以下の媒体から利用可能です。

  • ウェブブラウザ
    公式サイトにアクセスすれば、ログイン不要で無料利用が可能。Googleアカウント、GitHub、X(旧Twitter)アカウント、メールアドレスでのサインアップ・サインインも対応しており、PCやスマートフォンのブラウザから利用できます。

  • API連携
    Flowithは複数のAIモデル(GPT-4o、Claude 3.5、o1-previewなど)をAPI経由で利用できるため、外部アプリやサービスとの連携も可能。(Difyと同じ)

  • マルチデバイス対応
    ブラウザベースのため、PC、Mac、スマホ(iOS/Android)など多様なデバイスで同じ環境を利用できます。

  • ファイルアップロード対応
    テキストファイルや画像ファイル(PDF含む)をアップロードしてAIに解析させることもでき、これらのファイルもウェブ経由で扱う。

実際にPDFファイルをアップロードし、Flowithに解析させている動画がこちらです↓
https://www.youtube.com/watch?v=tGv-lc896KQ

以上により、Flowithは主にウェブブラウザを介したオンラインサービスとして利用され、API連携による外部利用も可能なマルチプラットフォーム対応のAIツールです。

2. 今回検証するユースケース

生成AIを活用して業務を効率化する流れが広がる中、見込み顧客リストの作成にも活かせると感じました。企業名や業種、所在地、従業員数などの情報を収集・整理する作業は営業活動の土台ですが、膨大な候補の中から条件に合う企業を手作業で選定するのは、時間も手間もかかりがちです。

そんな課題を解決できるのが、Oracle機能です!AIがあらかじめ設定した条件に基づいて企業を自動で選定し、その根拠もあわせて提示してくれるため、スピーディかつ納得感のあるリスト作成が可能になります。従来属人化していた企業選定・優先順位付けを、より再現性を高い仕組みに変えることができます!

  • AIの思考と行動プロセスをノードとして残せる
    「どの企業を対象にするのか」「どこから情報を取得するのか」「何を抽出すべきか」など、収集の判断基準・背景・ルールをノード上で残せる。
    あとからチームメンバーや管理者が再利用・修正しやすい。

  • Oracleが構造的に改善提案してくれる
    たとえば、「ベンチャー企業が抜けてる可能性があります」「都道府県フィルタを補完しますか?」など、“データ取りの設計ミス”を防ぐ助言がリアルタイムでアドバイスしてくれる。

  • 収集→整形→出力のワークフローを構造化できる
    企業情報の収集は「対象リスト作成 →各企業の詳細取得 →整形 →Excel出力」とステップ。
    Flowithならこの流れを分岐・統合つきのノード構成で可視化できて、後からチューイングが容易。

以上の様な管理は、他のツールでは実現が現状難しい特徴です。
実際に次の項目からプロンプトを入力し、実行結果を見てみましょう!

3.Oracle機能で企業情報をExcel形式で取得してみる

実際に動かしている動画がこちら↓
https://www.youtube.com/watch?v=IWAlk2_nvyc
ORACLE MODEをオンにし、プロンプトを入力

今回は以下の内容のプロンプトを使用します。
あえて詳細なプロンプトではなく、ざっくりとしたプロンプトを投げてみましょう。

prompt
SES事業を行っている会社について、Excelに表形式で作成してください。

##制約条件

-最新の情報を基にデータを取得してください。
-会社名が重複しないようにしてください。


必要な表:
1. 会社名

2. 資本金

3.従業員数

4.代表取締役

5.本社所在地

関連キーワードでリサーチを行い、SES事業を行っている企業をリサーチ

各ノードがSES事業を行っている企業を探索するため、関連キーワードでリサーチしてくれます。
Flowithの特徴として取得した情報ソース(リソース)を紐づけて表示でき、
会話やアイデアの出所を明確にできるため、裏付けのない思いつきと区別できるの大きな強みです。

取得した情報を整理した『Summarization』

そして、ノードの文脈と構造を読み取りながら、情報の本質だけを整理した「Summarization」を表示してくれます。
ただ短くするだけでなく、次のアクションや判断に直結するように思考をユーザーがわかりやすく構造化してくれます。

処理の続行可否を確認するフロー

また、Oracle機能の他にはない強みとして、必要に応じて出力を別ノードへ分岐・統合させることができる点が挙げられます。必要な情報がすでに抽出できている場合には、処理を続行するか中止するかをユーザーに判断させるフローが組み込まれており、過剰な出力(コスト抑制)や無駄な処理を避ける設計となっています。

そして何より特筆すべきは、出力結果が意図と異なっていた場合、その時点で即座にチューニング(再指示・修正)できる柔軟性です。これにより、生成された情報を受け身で受け取るのではなく、思考の流れをリアルタイムで調整・制御できるという、構造的な“対話型思考”が可能になります。

今回は企業のより詳細な情報が欲しいため、このまま続行します。

結果


処理が終了したみたいですね。
今回はプロンプトでExcelで表形式に表示させる様に命令したので、指示通り作成できているか確認します!
Excelが表示されているノードの右下にある「Download Slides」ボタンを押下して、ダウンロードします。
そしてダウンロードしたExcelファイルを開いた結果がこちら↓

す、すごくないですか?(汗)

プロンプトに要件に沿った成果物があっという間に完成しました。
たった一言プロンプトを入力するだけで、ここまで完成度の高いアウトプットが得られるのは、正直驚きでしかありません。
一般的な生成AIでは、細かなプロンプト設計や文脈の定義、追加の前提条件などが詳細な設定が求められるのに対し、FlowithのOracle機能は、自律的にノード構造やリソースを文脈として理解し、自律的に意図に沿った成果を導き出してくれています。

まさに、「ただ生成する」のではなく、ユーザーの意図を確認しながら処理を進める、パートナーといった感じですね!

取得した情報リソースの確認

会社情報リソースの確認

試しに弊社、「Solvio株式会社」の情報を取得させ、取得した情報のリソースを確認してみます。
情報のリソースを確認すると、ホームページやgBizINFO、企業INDEXナビなどから取得しているのが確認できます。
それぞれの項目には、引用元のURLや記載箇所が明記されており、情報の信頼性や裏付けを確認できるのが非常に便利です。

4. FlowithとDifyの比較

AIを活用したワークフロー設計・ナレッジ活用ツールが注目されるている、LangGenius社のDifyの違いについて、実際の使用感をもとに整理してみました。

■ 機能面の違い

  • UI(ノード型 とステップ型の比較)
    • Flowithは、キャンバス上にノードを配置して思考・フロー・依存関係を視覚的に構築でき
      「ツリー型UI」が特徴です。プロジェクトの全体像や分岐・統合の流れを把握しやすく、
      ノード毎に確認できるため、チューイングが柔軟に可能。
  • ナレッジ とナレッジガーデン(何が違うのか??)
    • Flowithの「ナレッジガーデン」は、構造的・視覚的なナレッジ管理モジュール。
      ドキュメントやノートをAIが「知識の種(Seed)」に自動分解し、カード型で整理。
      タスクやチャットの文脈に応じて関連ナレッジを自動マッチングし、精度の高い結果を実現します。
      簡単にいうと、”探す手間なく、使いたいときにちゃんと出てくる”ってことです!

一方、Difyのナレッジは、PDFやテキスト、ウェブサイトなどの非構造データを簡単にアップロードしてRAG検索に活用するのが主な用途です。
実装や設定は比較的手軽で、情報検索やチャットボットのベースとして使いやすい反面、情報同士のつながりや思考構造の保存にはやや弱く、「AIがどこからどう考えたか」を残す設計にはなっていません。

■ 価格面の違い

項目 Flowith Dify(SaaS版) Dify(OSS自ホスト)
基本料金 無料プランあり 一部無料(制限あり) 完全無料(要自己管理)
有料プラン Proプラン(月額制) 有料SaaS(月額制) なし(自前で運用)
LLM APIコスト Flowith内で従量課金もしくは自前のAPIキーで利用・課金する方式 GPT・Claude等は別途自分で支払い 自分でAPIキーを用意・管理
ナレッジ上限 無料:制限あり / 有料:無制限に近い プラン毎に制限あり 自由(ただしリソースによる)
チーム利用 有料でチーム共有・共同編集可能 可能 自分で認証やUIを用意すれば可能
データ保持 クラウド保存(プライベート対応) クラウド保存 自分で管理

https://try.flowith.io/

■ アクセシビリティ

Flowithは直感的な操作が可能な一方で、機能の把握にはやや慣れが必要だと感じました。ノードを自由に配置して、思考やタスクを視覚的に整理できるUIは非常にユニークで魅力的です。しかしその反面、どのノードでどの処理を設定すべきかなど、細かな設定方法を把握していないと迷うこともあるかと思います。

公式の日本語ドキュメントは用意されていますが、Difyと比べると、日本語で解説された情報がネット上にまだ多くは出回っていない印象です。また、日本語インターフェースも完璧ではなく、一部に不自然な翻訳や中国語表記が残っている場面もあるため、英語での利用をおすすめします。

「日本語じゃないと使えない!英語は無理!」という方にとっては、現時点ではややストレスに感じる部分があるかもしれません。

一方、DifyはシンプルでわかりやすいUIが特徴で、ChatGPTなどのLLMを触ったことがある方であれば、導入から運用までスムーズに進められると思います。
公式ドキュメントやGitHubも充実しており、初学者でもキャッチアップしやすい点は大きな強みだと感じました。

5.Flowithの今後の展望

Flowithは、単なるAIとの“対話”を超えて、人間の思考を構造化し、それをAIと共有・連携すること
「共に考える」という新たなスタイルのAIです。従来の生成AIツールは、「質問 → 回答」「指示 → 出力」といった一方向的なやりとりが中心でした。
しかしこの手法では、複雑な判断やプロセス設計、多様な情報を統合した企画などには限界があります。
なぜなら、人間の思考は必ずしも線形ではなく、「仮説」「分岐」「統合」などの構造を持つからです。
Flowithはこの思考のかたちをノード構造として扱い、思考過程そのものを記録・再利用可能な知的資産に変換します。そしてその過程にAIを自然に組み込み、対話型AIでは辿り着けないクオリティーを提供します。
最近流行りのAIエージェントという次の時代の主力ワークスペースとして、明確な市場的ポジションを築いていくと思います。
今まではAIはアシスタントとして位置づけられていましたが、これからはパートナー・チームメイトとして位置づけられていくのではないかと思いました!

6.おわりに

今回はFlowithのOracleを使用してみましたが、以前解説した「ナレッジガーデン」も用途に応じてさまざまな活用ができると感じました。

次回はナレッジガーデンを使って、PDFの読書メモやノートをSeed化し、AIが要約・復習・疑問点の抽出まで支援してくれるツールの作成にチャレンジしてみたいと思います!

今の時代、AIに「これやって」と指示して動かすことは、誰でもできるようになりました。
でも、どう考えて、どう整理して、それをどう活かすかまで一緒に考えてくれるツールは、まだ多くありません。

Flowithは、“思考のパートナー”のような存在です。
ノートやドキュメント、画像やPDFなど、多様な形式の情報を扱える柔軟性があり、プロンプトが少しラフでも、文脈や構造を理解して、適切に応答・活用してくれる点が大きな強みです。

これからは「AIが何を知っているか」ではなく、AIとどう考えるかがより重要になってくると感じています。
そして、Flowithのようなツールこそが、その中心になっていくと思います!

以下にリンクを招待共有するので、よかったら実際に試してみてください!!
Flowith 2.0 招待リンク
※このリンクには紹介コードが含まれています。

Solvio株式会社

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