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企業における生成AIの活用事例5選

2024/07/26に公開

背景

生成AIが登場してから、様々な企業で活用がはじまっています。実際に私もSolvio株式会社で、企業が生成AIを活用を行うためのコンサルティング支援やシステム開発の支援を行っています。
実際にご支援を行う際に、ご相談いただくポイントとして、「生成AIがすごいのはわかったけど、実際業務でどう使えるのか?」についてご相談いただくことが多く、公開されている他社事例のなかで業務活用の事例についてまとめます。画像生成AIや文章生成AIの活用を中心に、各企業がどのような活用を行っているかを知ることで企業が今後の活用イメージを持つための参考となれば幸いです。

活用事例まとめ

1. クラウドファンディングのReadyForによる「過去の支援履歴に基づいたおすすめプロジェクト」レコメンド配信

ReadyFor のレコメンド配信への生成AI活用事例です。詳しい仕組みへの言及はありませんでしたが、 「過去の支援履歴に基づいたおすすめプロジェクト」をメルマガで配信し、CVRが通常メルマガの2〜17倍 になったとのことです。パーソナライズさせたメッセージを配信することで、コンバージョンが大きく向上したとの事例です。
これと同様の仕組みは、顧客データを持っていてメルマガ配信を行っている事業者で活用ができそうですね。

2. WalmartがECサイトにおいて、検索精度の向上を目的に生成AIを活用

WalmartはGenerative AIを活用し、顧客が希望の商品を迅速に見つけ、購入決定を下せるよう支援しています。
新しい検索機能により、顧客は「フットボールの観戦パーティーを計画するのを手伝って」などの自然言語で入力するだけで、関連商品のリストを瞬時に生成し、効率的に商品を選べます。これにより、検索や計画に費やす時間を節約し、顧客の生活を豊かにすることが可能となります。

従来の検索では、欲しい商品カテゴリーや商品名による検索が一般的でしたが、より曖昧な検索ワードや利用シーンで検索が可能になるとのことです。売上が向上したかなど具体的な定量情報の記載はありませんが、新たな購買体験として非常に興味深いですね。

3. 生成AIを用いた対話的な商品検索や購買体験の実現(ミス・パリ / じゃらん

対話的な商品検索は事例が多く出てきた分野になります。例えば、ミス・パリが自社サイトに導入しているメニュー提案のチャットボットやホテル予約を提供するじゃらんが提供する旅行先の提案機能なども事例としてあります。じゃらんが提供する旅行先の提案機能は、月に数万回利用されているようです。実際に体験しましたが、「東京から電車で二時間以内の旅行先ってなんかありますか?」のように店員さんに質問することができ新しい旅行探しの体験でした。

4. キャンペーン画像を生成AIに作成させることで、150万ドルのコスト削減の実施

決済サービスを提供するKlarnaはMidjourney、DALL-E、Fireflyなどの画像生成AIツールを利用することで、2024年第1四半期だけで150万ドルのコストカットを実現したとのことです。
さらに、コストカットを行っただけではなく、画像を作成するためのリードタイムも6週間から1週間に短縮されたとのことです。低コストでより多くのキャンペーン施策が実施可能となることで、コストを削減しながら売上の向上も実現できるとても良い事例ですね。

5. 画像から音楽を作成するAIソングメーカーの提供

文章生成や文章から画像を生成するText2Imageの分野は事例が増えてきましたが、画像から音楽を生成するImage2Audioの分野の事例は非常に先進的な試みだと思います。
ジョージアが提供する「AIソングメーカー」はユーザーが画像をアップロードすることで、その画像にあった曲を作成するというものです。
実際に利用してみましたが、生成される音楽のクオリティーが非常に高くおどろきました。少し調べてみると音声合成の技術が利用されているようでした。
音楽だけ聞いたら、人とAIの判断に迷うレベルでした。

おわりに

これらの事例からわかるように、実際のビジネスシーンにおいて具体的な事例がどんどんでてきています。
2023年末ごろまでは、社内利用に特化したチャットボット構築の事例が多かった印象でしたが徐々にエンドユーザー向けのサービス展開やキャンペーンでの利用が進んでいますね。
特に、コンテンツ作成の画像生成AI領域においては、コストを大きくカットしながら売上向上に寄与する可能性もある印象を受けました。
一部の事例ご紹介でしたが、どなかの参考になれば幸いです。

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