文系出身、30代でWeb開発へ飛び込んだ話
30代からの茨の道はそう変わらないよ
すべてを捨てる覚悟
私は31歳のときにWeb開発の世界に飛び込みました。
武装もなく、丸腰で、ただ「勇気」と「後悔したくない」という決心だけを持って。
今でこそ少しずつ周りから認められるようになりましたが、当初は本当にとんでもない決断で、身の回りの人間関係をすべて断ち切る“勘当”のような覚悟でした。まさに断崖絶壁といっても過言ではなく、私にとっては人生を大きく左右する選択でした。
それから3年。意外にも「人生、なんくるないさ!」と思えるようになったので、その経験を共有したくこの記事を書いています。
迷いと葛藤
30代になると、迷いや葛藤が増えるものです。
20代とは違い、現実の重みが嫌でも迫ってきますし、かといって若い頃から抱いてきた青臭い夢を完全に諦めきれるわけでもありません。
私の場合は、欧米式の「誰しも無限のポテンシャルを持つ」という教育に育てられたため、ある意味ピーターパン症候群のように「自分だけの大海原」を永遠に追い求めていたのだと思います。つまり、何事に対しても諦めが悪かったのです。
そうして20代が終わり30代に突入。
「もう30か」
「早いね」
と周囲に言われつつも、内心では「いや、まだ27〜28くらいの感覚なんだけどな」と思っていました。
そしてまた1年が、矢のように過ぎ去っていきました。
矢の如く過ぎ去る時間
あえて書きますが、私は独身で子どももいません。
結婚や育児に伴う時間的・経済的な制約はないほうです。
それでも。
それでも、時間は矢のように過ぎ去っていきます。
私は31歳で一度「自分」を捨て、新たな道を歩もうと決意しました。
捨てたのは、
「文系だから」という呪縛
「これまでがそうだから未来もそう」という固定観念
英語圏で言う「fixed mindset」です。
でも人は、完全に「無限」ではないにせよ、柔軟に変わることができる。
それが「growth mindset」、人は成長できるという考えです。
だから、私は変えることにしました。
好きこそものの上手なれは半分正解
世の中にはいろいろな価値観があります。私は「好きこそものの上手なれ」は半分だけ正しいと思います。
好きだから努力し、努力するから上達する。これは確かにそうです。
でも、なぜ好きになったのか? それは「ほんの少し他人より得意だった」ことから始まる場合も多いのではないでしょうか。
そして「好き」を出発点にしなくても、努力と工夫を続ける中で「得意」になり、やがて「好き」へと変わることもあります。
私の場合、最初の仕事である在庫管理がそうでした。ロジカルシンキングが苦手で、毎日Excelで液化天然ガスの在庫管理をするのは苦痛でした。でも1年半ほど経ったある日、周囲が言っていたことがすべて理解できるようになったのです。
Web開発でも同じことがありました。半年を過ぎた頃、急に周りの会話がすべて理解できるようになったのです。努力してしがみついていれば、そうした瞬間は必ず訪れます。
自分を運の良い人だと信じよう
環境や人間関係すべてに感謝し、良い環境ならそこでさらに努力し、厳しい環境なら「鍛えてくれてありがとう」と思えること。これができれば最強だと思います。
もちろん本当に辛い最中にそう考えるのは難しいですが、私は「自分は運の良い人だ」「これからは上がるしかない」と無理やりにでも自分に言い聞かせてきました。すると気づけば嵐は過ぎ去っていました。
何が正解かは自分で決めていくもの
Web開発に飛び込んだのが正解かどうか。
その答えは、自分で決めていくしかありません。
結婚や仕事の選択に「唯一の正解」は存在しないと思います。間違えたと思える選択も、努力や工夫次第で正解に変えられる。逆にその経験を糧にして次の選択につなげることもできます。
私はWeb開発に入って本当に良かったと思っています。
今はシステムアーキテクト的な役割を目指しつつ、土日はジムやテニスを楽しんでいます。
一度きりの人生。固執せず、自分なりに開拓していけば、なんとでもなる。
少し楽観的かもしれませんが、やはり「人生、なんくるないさ」と思うのです。母の言葉を借りれば、「人生に、何一つ無駄はない」ということです。
長文を読んでいただき、ありがとうございました。
今後も、ソフトウェアエンジニアとしての心情や過程を綴っていきたいと思います。
それまで、皆さんどうかお元気で。!
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