協力できる仲間づくりをするためには
だれだれがいくら売上をあげたなどを発表して競争関係で組織を運営している組織と同僚を信頼して協力して仕事をこなしていく信頼関係で組織を運営している組織。
エンジニアだと、会議などでのマウントの取り合いや、どのエンジニアが優れているかを成果などで比較したりすることもあったり、競争関係を促す仕組みや雰囲気をもっている組織もあったり。競争関係の組織においては、緊張感があり、そのおかげで集中力が高く個々人のパフォーマンスが高く、なんでも一人でできる強強のエンジニアがあつまる感じ。
一方、信頼関係の組織においては、問題が発生したらすぐに共有して、いろいろな知識や見方で問題に当たることができています。
どちらがいいのだろうと考えることがあるのですが、そんな話をしていると経済学の友達がいいサイトを紹介してくれました。
The Evolution of Trust
https://ncase.me/trust/
二人のプレイヤーが、コインを機械に入れるか入れないかを選択し、コインを入れると相手は3枚のコインを手にいれます。入れない場合は、相手はコインを手にいれることができません。
つまり。。。
- お互いがコインを入れる(お互い協力する) -> お互いが3枚のコインを手に入れる
- 片側のみがコインを入れる(騙す) -> 騙された方は、コインを1枚失い。騙したほうは4枚のコインを手に入れる
- お互いコインを入れない(お互いが騙す) -> お互い損もしないが、新たなコインも手に入れない
このルールの元で、戦略の違うNPC同士が対戦するとどうなるかをシミュレートします。NPCは他のNPCと1人ずつ対戦することを1ラウンドとして、最終的にもっているコイン数で勝敗をきめます。
模倣者:最初は協力、その後はプレイヤーの行動を真似する。
詐欺師:常に騙すを選択する。
協力者:常に協力を選択する。
何回かラウンドを繰り返して終了時に、最下位5人を排除し、最上位のNPCを5人増やすことを繰り返してシミュレーションしてみます。
15人の協力者, 5人の詐欺師, 5人の模倣者の場合どの戦略が残るか確認します。
すると。。。
最初は、詐欺師が増えて、協力者いなくなってしまいました。
しかし。。。
最終的には、詐欺師は淘汰されて模倣者が勝利しました。
短期的な利益を考えるのであれば、詐欺師のほうが有利なことが示されている点が少し怖さを感じる点。
次にルールを変えて、2コイン渡るのではなく、渡したコインはそのまま相手にわたるようにルールを変えてみます。
すると。。。
詐欺師のみになってしまいました。
お互いに利益を得られるwin-winな関係を築ける場合は、模倣者が勝ち、誰かの損が他の人の利益になるようなゼロサム・ゲームの場合には、詐欺師が残ることがわかりました。
ゼロサムゲームって辛いですね。。。
ある一定の確率でプレイヤーが誤った行動をしてしまう場合はどうでしょうか?
5%: 模倣者の勝利
10%: 詐欺師の勝利
25%: 詐欺師の勝利
ミスコミュニケーションが増えると詐欺師の勝利することも出てきてしまいました。
結局、このシミュレーションにおいては、無条件に相手を信頼することもよくなくて、詐欺師に勝利するには3つの要素が必要なことがわかりました。
- 長期的なコミュニケーションが必要であること。
- お互いが利益を得られるwin-winな関係であること。
- ミスコミュニケーションを減らすこと。
ある仕組みを導入する場合に、自分の都合ばかり考えていたり。会議などで、他人の発言をもとに自分のしたい方向性で議論をすすめてしまっていたり。質問をして、せっかく正直に答えてくれたのに、その情報でその人自身を批判してしまったり。最初は、相手を信頼して正直な行動をするが、利用されたと感じたときに、二回目以降は信頼してもらえなくなってしまう。仕組み作り、議題を考えること、個人的な会話においてでも、相手にとってどのようなメリットを感じてもらえるか、コミュニケーションを円滑に進められるかをしっかり意識していきたいですね。
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