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念願の「ふりかえりのふりかえり」をチームでやってみた話

2024/12/26に公開

SocialDog でエンジニアやっている Kaz です。
今年 7 月に業務委託としてジョインし、10 月からフルタイムでお世話になっています。

SocialDog ではアジャイルのプラクティスを取り入れて開発してるのですが、そんな中でも今日は「ふりかえり」に関してです。

🙋‍♂️ ふりかえりってしてますか?

どうでしょう、してますか??
ここでは主に イテレーション/スプリント終わりの定期的なふりかえり を想定してます。

スクラムの文脈だと「レトロスペクティブ」とも呼ばれますが、日本だと「ふりかえり」「振り返り会」のほうが多いですかね?
(SocialDog だとチームによって呼び方違ったりしますね)

え?してない??
しましょう(圧力)

🤔 じゃあ「ふりかえりのふりかえり」ってしてますか?

いかがでしょう?
そうです、「ふりかえり」自体の「ふりかえり」です。

ずっと同じ形式のふりかえりを続けているチームも多いんじゃないでしょうか?
自分も以前、そんなことをやってました。

最初のうちは KPT[1]でも意見がたくさん出て、いろいろな Try が生まれるのですが、いつしか意見は枯れ、やったことの確認だけになり、 やがて参加者の目が死に、形式的なミーティングだけが残る ... とまでは言わなくとも、「ちょっとなんかマンネリを感じる」くらいのことはあると思います。

そんな時は ふりかえり自体をふりかえってみましょう

😲 ふりかえりってふりかえるべきなの?

「えー、でもふりかえりなんて、決まった形で続けていけばよくない?」と思う人もいるかもしれません。

でも、ふりかえりが なんのために行うものなのか を考えた時、ふりかえりもまた、ふりかえりの対象になりえるのです。

例えばスクラムガイド 2020ではレトロスペクティブを以下のように定義しています。

スクラムチームは、個⼈、相互作⽤、プロセス、ツール、完成の定義に関して、今回のスプリントがどのように進んだかを検査する。

ふりかえりは 相互作用 であり、 プロセスの一部 であり、その中で使われる ツール も関わるので、検査されるべき対象であると考えられます!

実際のところ、ふりかえりのふりかえりを行わないと、どんなことが起こるのでしょうか?

個人的な経験にはなりますが、以下の 2 点は起こりがちかなと思います。

慣れ: 思考停止で参加するので、新しい視点や考え方が生まれなくなる
停滞: 「こうしたらいいのにな」「使いづらいな」と思っていることが改善されず小さなストレスに

私が所属する Growth チームでも徐々にそういった空気が溜まりつつあるのを感じていたので、機を見て「ふりかえりのふりかえり」を実施してみました!

💪 ふりかえりのふりかえり 実践

では、飽くまで一例として、Growth チームではどんな感じでふりかえりのふりかえりを実践したのかご紹介します!

😃 ふりかえり Before

まず最初に書いておきたいんですが、 ふりかえりやってるだけで偉い ってことです 🐧
これは間違いない。

なので、「ダメだから改善しよう」ではなく「もっと良くするにはどうしよう」のマインドです。

と前置きしたうえで、Growth チームではこんな感じでふりかえりをしていました。

🌊 大まかな流れ

  • OKR 進捗確認
  • プロジェクトの進捗確認
  • カレンダーで 2 週間をふりかえり
  • KPT (+Good) でふりかえり
  • Next Actions 決め
  • 開発系メトリクスの確認

とあるふりかえりの様子

以上をすべて Notion 上で行っていました。

👥 参加者

  • プロダクトオーナー兼デザイナー 1 人
  • 開発チーム 6 人(最大)

💭 個人的に感じていたこと

✨️ 良い点

  • OKR を毎回確認することで意識付けできる
  • プロジェクトの進捗に関して PO と開発チームで確認ができる
  • KPT に良かったこと(Good)を足すことで、他の人に感謝する文化がある

💪 もっと良くしたい点

  • Notion は便利だが、 画面が楽しそうじゃない
  • 個人の Keep や Problem が独立してしまって、 Try とのつながりも分かりづらい
  • 話すトピックが多く、もう少しふりかえりにフォーカスしたい
  • KPT ありきになってしまっている

🎉 実践、ふりかえりのふりかえり

ふりかえりのふりかえりは postalk を使って行いました!

ツールとしては Miro とか FigJam などもありますが、機能が限定的なので、直感的に迷わず使える点で個人的には気に入っています。
(後述しますが、その後のふりかえりは FigJam になりました)

🌀 流れ

  • ツール練習 5 分
  • 良いこと、続けたいこと(Keep) 15 分
    • 書き出し 7 分
    • 共有 8 分
  • 改善したいこと、気になっていること(Problem) 15 分
    • 書き出し 7 分
    • 共有 8 分
  • トライしたいこと(Try) 15 分
    • 書き出し 7 分
    • 共有 8 分
  • ふりかえりのふりかえりのふりかえり
    • Fun Done Learn 5 分

ツールとやり方を同時に変えると負荷が高いと思い、今回はあえて慣れた KPT で実施することにしました。

💡 やってみて発見したこと

↗️ これまでのふりかえりのポジティブな面の共有ができた

これは KPT のいいところでもあると思いますが、ネガティブ面だけではなくポジティブ面にも目を向ける機会になりました。
結果、「ふりかえりの雰囲気がいい」「感謝しあえるのが良い」など、チームとして大切にしたいことを改めて確認することができました。

🤝 やっぱりみんな感じていたことの確認ができた

「こう思うのは自分だけ?」と思っていたことを文字にすることで、チーム内で共有できたのもよかったです。
「やっぱり Notion で KPT するのちょっと辛い」と感じていることとかですね。
こういったいわゆる部屋の中の象 🐘 に関して話せました。

👀 新たな視点の意見があった

例えば「90 分以上あるので、中間で休憩が欲しい」という意見が出たのですが、これには「言われてみれば確かに。。。!」となりました。

元々は 1 時間くらいで終わっていたのが徐々に伸びていったので、なんとなくそのまま続けることになっていましたが、集中してミーティングするなら途中の休憩も必要だよねという結論になりました。

「普段言うほどじゃないけれど気になっているなぁ」という事柄に関しても話せたのは、とても有意義でした。

🌱「ふりかえり」を超えたチームの改善

メインは「ふりかえりという活動をどうするか」という話でしたが、ふりかえりの枠を超えた話も出たのも興味深かったです。

「もう少しチームメンバーで話す時間が欲しいよね」との意見から、週 1 日 30 分の雑談タイムを設けてみることにしました。

これもまた「ふりかえりのふりかえり」の効果かなと感じています。

♻️「ふりかえりのふりかえり」のふりかえり

「せっかくの機会だから KPT 以外もやりたい!」というわがまま込みで、「今日のふりかえりのふりかえり、どうだった?」とふりかえる、「ふりかえりのふりかえりのふりかえり」をやってみました。

実践したのはおなじみ(?) Fun Done Learn
Fun Done Learn でふりかえりのふりかえりのふりかえり

その場でさっとふりかえってみることで

  • 記憶の定着
  • 感情の共有

ができたかなと思います。

✋️「やって終わり」にしない工夫

「いっぱい話せてよかったねー、ふりかえりのふりかえりできたねー」では片手落ち。。。
ふりかえりで出てきたトライはタスク化して、徐々に進めていきました。

ふりかえりのふりかえりで出てきた Try

実はこれ、偶然の産物でして。。。
というのも、計画の段階で「Try のアクションに関して話す時間」を確保するのを忘れていたため、仕方なくタスク化したのでした。(笑)

結果としては、話し合って前提が合っている状態なので、詳細を非同期で Notion 上でやりとりできたのは、効率の面でも良かったなと感じています。
また、KPT あるあるの「出した Try の 2,3 個しか話されない」も回避することができました。🙌

☺️ ふりかえり After

では、ふりかえりのふりかえりを経て、チームのふりかえりはどう変わったのでしょうか?

まず、大きな変更としては 二部制 になりました。
開発だけのメトリクスのふりかえりを午前中に、チーム全体のふりかえりを午後に行うようになりました。

また、プロジェクトの進捗確認などは日々の朝会で行うこととし、ふりかえりの時間はふりかえることにフォーカスするようにしています。

そして、タイムラインと KPT は FigJam を使うようになりました!

ふりかえりで使われる FigJam

絵文字で反応できたりスタンプ押せたりと、楽しさが増しました!
ボードは FigJam に慣れているメンバーが準備してくれているので、助かっています!

まだまだ慣れない部分もありますが、以前よりもチームの活動にフォーカスしてふりかえりできていると感じています!

🗒️ まとめ

「いつものふりかえり」をふりかえってみることで、同じことの繰り返しでは気づかなかったことに気付けたり、もっと良くすることができました!

特に入社 1 年以内のメンバーが多いチームだったので、各々の経験をシェアすることを通じて、チームのコミュニケーション自体も良くなったように感じています!

ふりかえりに関してはアジャイルなチームをつくる ふりかえりガイドブックを大いに参考にさせていただいてます!
(一貫してひらがな表記の「ふりかえり」なのも、この本の影響です。)

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脚注
  1. Keep(続けたいこと)と Problem(問題)を挙げ、 Try (改善のためのアクション)を考えるふりかえり手法 ↩︎

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