IoTの話がしたくて勉強会を開催した話
これは SMat Advent Calendar 2024 の12/24分の記事です。
エスマットでエンジニアをしているpotix2です。12/10に、S-Mat Tech Nightと題してIoTエンジニア向けの勉強会を開催しました。この記事では、イベントの様子を紹介しつつ勉強会の運営視点での振り返りを行い、今後同じようにオフラインでの勉強会を開催しようとする方の助けになればと思います。
勉強会開催のきっかけ
きっかけは大きく二つあります。一つ目は、エンジニアの採用強化に向けて社外への技術情報発信を強化したいという思いです。もう一つは、センサーデータの扱い方やIoT関連サービスの開発で遭遇しやすい課題について、気軽に話せる勉強会が少ないと感じていたため、IoTエンジニア同士が交流できる場をつくりたいと考えたことです。
実はこの勉強会を企画する前から、「誤差論についての教科書を読んで、気になった箇所を議論する」という、かなりニッチな読書会を開催していました。
当初は社内で行っていた読書会をそのまま社外に公開し、「興味がある方はどうぞ」という程度の軽い告知しかしていませんでした。それでもわずかながら興味を示してくださる方がいました。
この読書会を通じて、IoT関連のサービス開発に関わるエンジニアは少ないうえに、IoT特化のテーマを扱う勉強会自体がほとんどないのではないかと感じました。
そこで、「ないならば自分たちでつくろう」と思い立ち、今回の勉強会を開催するに至りました。
当日までの準備
勉強会の開催概要の検討
- テーマは広くIoTエンジニア向けの勉強会としました
- 参加者同士でのコミュニケーションを大事にしたかったのでイベントはオフラインのみで行うことに
- 弊社は五反田にありますが、参加者の利便性を考えて渋谷周辺で開催することに
- 参加人数は社員参加も含めて、最大30人としました
会場の手配(開催1ヶ月半前)
会場と日程が決まるともう、あと戻りできないので自分たちを追い込むためにもまずは会場の手配からスタートしました。10/22時点で会場の選定まで行っていました。
- スペースマーケットを利用して検索して決めました。立地と会場の雰囲気を重視しました。
- 最終的に、スペースマーケットを通じて、コワーキングサロンSLOTH 渋谷神南さんの会場をお借りすることにしました。もともとアパレルの店舗区画だったらしく内装がすっきりしていて雰囲気がよかったことと、プロジェクターや音響など各種設備が充実していたことが決め手となりました。
イベントページの作成(開催1ヶ月前)
11/11頃にイベントページをconnpassに作成しました。はじめはlumaと併用しようとしていたのですが、今後継続して勉強会を開催していくことを考えてconnpassに統一しました。
軽食の手配
オフラインでの開催なので、軽食と飲み物の準備も行いました。ピザとか寿司も考えましたが、以前参加した勉強会でごちそうになった軽食が美味しかったのと、おしゃれな雰囲気が良かったので真似してみたいなと思いました。
最終的にシェフコレというサービスを利用して肉のヒマラヤさんのオードブルを利用しました。何人前頼めばいいのかが非常に難しいのですが、料理は余ると困るので想定来場者数より少なく注文をしました。当日届いた料理は期待以上で、コスパもよく味も見栄えも良かったです。
イベントの告知
今回、イベントの集客のための告知は正直なところあまりうまくいきませんでした。11月下旬頃から関係者個人のSNSなどでイベント開催の情報を投稿したり、草の根的に知り合いに声をかけるなどの活動をしていました。
1週間くらい前からXを中心としたSNSでの呼びかけを行いましたが参加者を思った以上に増やすことができませんでした。
オフラインのみでの開催であることや勉強会テーマが伝わりにくいことなどいくつかの要因があったと思うので、しっかり振り返りをして次回の開催に活かしていきたいと思います。
当日の進行
今回の勉強会は参加者同士でのコミュニケーションを大事にしたかったので、イベントの最初から飲食の提供を行いました。3本のトークを行いましたが、質問の時間は短めに設定しトークの合間に歓談の時間を設けました。結果、狙い通りトークの後にスピーカーに話しかけたり近くの参加者とトークの内容について話をしたりと大いに盛り上がりました。
テックトーク1 「誤差を上手に扱いたい」 by 野島 大誠
センサーや計測機器から取得したデータには、ノイズや計測誤差がつきものです。この発表では、「誤差」の基本概念から、IoTサービスにおいて誤差がどのように問題になるのかまで、具体例を交えながらわかりやすく解説されました。発表後には「同じような課題に直面したことがある」といった共感の声が寄せられました。(発表資料)
テックトーク2 「IoTゲートウェイを用いたプロトタイプ構築」 by 若林 敬太郎
若林さんの発表では、PoC(概念検証)プロジェクトで導入した「Armadillo」というIoTゲートウェイ製品の活用方法が紹介されました。メーカーのマニュアルだけでは把握しきれない導入時のつまずきポイントと、その対処方法が具体的に示されており、Armadilloの導入を検討している方や、IoTゲートウェイを用いたPoCプロジェクトを計画中の方にとって有益な内容でした。
テックトーク3 「DuckDBを使ったシンプルで安価なデータマネジメント」 by 山田 直行
山田さんの発表では、軽量データベースであるDuckDBの概要を踏まえつつ、ローカル環境においてシンプルかつ低コストでデータ管理を実現する方法が紹介されました。クラウドストレージを直接利用する際に生じる、不意にコストを増加させてしまうかもしれないという不安や、データを扱いづらくなるといった課題を解消できる点が、多くの参加者から共感を集めていました。(発表資料)
まとめと今後の展望
今回、IoTエンジニア向けの勉強会を初めて開催しました。参加者数こそ多くはありませんでしたが、テックトークをきっかけに、IoTに関連するネットワークの話題や国内外のスタートアップ企業に関する情報など、多岐にわたる議論が交わされました。その結果、参加者同士の交流が深まり、有意義な時間を共有できたと感じています。
今後は定期開催を視野に入れ、より多くのエンジニアにご参加いただけるよう、テーマ設定や告知方法を改善していきたいと考えています。今後の勉強会にもぜひご期待ください。
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