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Gigazine『Googleが公開すれば「インターネット全体に利益をもたらす」という「鍵」とは?』のメモ
記事のサマリ
DKIMは、送信元のなりすましを防ぐために開発された認証技術
- STEP1:送信元メールサーバーが管理している鍵ペアの公開鍵をDNSサーバーに登録
- STEP2:送信者は、秘密鍵でメールに電子署名を行い送信
- STEP3:受信者はDNSサーバーから公開鍵を取得し、メールの電子署名と付き合わせることで、送信元の正当性を確認
しかし、DKIMの利用目的が本来の目的とはずれてきているらしい。
- 本来の利用目的:メールの送信経路上でのなりすましを防ぐために、送信者の正当性を送受信の間だけ保証すること
- 実質的な利用目的:メール送信者の正当性を長期にわたって保証すること
Gmailでは、定期的にDNSサーバー上の秘密鍵の交換頻度が低い(前回は2016年)ため、DKIMを使って「送受信中のメール」だけでなく「メールボックス内のメール」の正当性まで検証できるようになっているとのこと。
ということで、ジョンズ・ホプキンズ大学の暗号研究者・Matthew D. Green氏は、「インターネット全体の利益のため、DKIMの秘密鍵を公開すべき」と主張している。
- 定期的にDNSサーバー上の秘密鍵を交換するようにすれば、メールボックス内の古いメールの正当性をDKIMによって保証することはできなくなる
- 秘密鍵を盗み取って送信元をなりすましていたハッカーがいた場合、攻撃を無効化できる
現在DKIMで行われているような過去のメールの正当性検証はDKIMではなく、GnuPGなどの暗号化ソフトを利用するべき(=PGP暗号化が有効)であるという主張らしい。
PGPとは
参考:Pretty Good Privacy(PGP)を利用した電子メール
- PGP(Pretty Good Privacy)は公開鍵の交換を事前に当事者間で行ない、その間で電子署名や暗号化されたメールのやり取りを可能にする仕組み
- 事前に当事者間で公開鍵を交換することを前提としており、認証局のような公開鍵の所有者を保証する仕組みはない
PGPによるメール送受信の流れ
- 送信者は公開鍵暗号方式の公開鍵・秘密鍵のペアを作成し、何かしらの方法で受信者に公開鍵を渡す。
- 送信者は送信する電子メールの文書を作成し、秘密鍵を利用して電子署名を作成する。
- 送信する電子メールの文書に電子署名を添付し、受信者に送信する。
- 受信者は電子署名が添付された電子メールを受信する。
- 送信者の電子証明書から公開鍵を取りだし、電子署名を検証する。
- 復号された電子署名と電子メールの本文を照合し改ざんの無い事を検証する。
このスクラップは2020/11/29にクローズされました