Claude Codeを雑に使ってみた
はじめに
はじめまして。2023年9月に SKIYAKI へ入社し、現在は3年目。業務は主にバックエンドを担当しています。
本記事は細かな検証やベンチマークなしの、雑に触ってみた個人の所感です。
「AI 学習コストが大きい」という現実を踏まえ、導入が軽くて日々の開発を少しでも楽にする視点でまとめました。生成 AI の話題は盛り上がる一方、現場では学習や運用の負担もあります。まずは「手軽に効く」を基準に、Claude Code を雑に使ってみた感想を紹介します。
Claude Code とは(超ざっくり)
Anthropic が提供する、ターミナル常駐型の“エージェント的”コーディングツール。アイデアを伝えると、計画 → コード編集 → コマンド実行 → コミットまで一気通貫で支援してくれます。IDE そのものではなく、ターミナルから動くのが特徴です。
VS Code 連携もありますが、普段 RubyMine 派の自分でも CLI 中心で問題なく使えました。
できることの例:機能実装の下ごしらえ(計画→コード生成)/バグ調査と最小修正/コードベース Q&A/退屈作業の自動化(lint 整理・マージコンフリクト解消・リリースノート生成 など)。必要に応じて外部ツールやドキュメントへアクセスできる拡張(MCP)もあります。
導入はシンプルで、Node.js 18+ とアカウントがあれば OK。
npm i -g @anthropic-ai/claude-code
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claude    # 初回はログイン
きっかけ:AI は“学ぶこと”が多すぎる
生成 AI は強力ですが、前提知識・設定・プロンプト作法の習得にまとまった時間が要ります。
作業の合間に使うには、「覚える」よりも“すぐ効く”が大事。手元のワークフローに溶け込む Claude Code を試しました。
“手軽さ”の具体(ビフォー/アフター)
ビフォー(導入前)
- PR 説明文をフォーマットに合わせて書くのが手間で、抜け漏れが出がち
 - バグ調査やレビューで論点の洗い出しに時間がかかる
 - 文言作成や細かなコーディングなど手を動かす作業が多く、チェックに割ける時間が減る
 - テストコードや機能テストの雛形づくりが地味に負担
 
アフター(Claude Code運用後)
- PR 説明文はフォーマット(目的/変更点/影響範囲/リスク/動作確認 など)に沿って自動生成 → 抜け漏れが減る
 - 調査・レビューは「広い概要+着眼点」まで提示 → 自分のレビューと重ねて取りこぼしが減る
 - ターミナル常駐×CLI 連携が強く、よく使う普段のコマンドに合わせて実行例を提案→そのまま実行→差分を反映、まで一気通貫で回せる“楽さ”がある。
 - 自分が書く文言・コードは減り、その分チェックの質と回数を上げられる
 - テストコード/機能テストは雛形生成と境界条件の洗い出しが効いて、書き始めが圧倒的に楽
 
運用のコツ(自分流)
- 長文一発より、短い指示を分けるほうが方向ズレが少ない(気がする)
 - 壁打ち⇄手を動かすを切り替える:議論 → 差分生成 → 再議論の小回し
 
触って分かった“手軽さ”
- 認知負荷が低い:ターミナルやエディタの延長で会話でき、新しい UI 学習がほぼ不要
 - “選択範囲だけ見て”話せる:巨大な前提説明を毎回せず、小さく投げて小さく返す運用がしやすい
 - ドキュメント整形がうまい:雑な箇条書きメモを読みやすい骨子にまとめてくれる
 - コミット/PR の下書き:変更要約から説明文のたたきまで任せられ、文章作成の負担が軽い
 
ここは“まだ人が握る”と思ったところ
- 責務の切り方・命名:方向性は良くても、最終的な粒度の判断は人がやる
 - 広範囲のリファクタ:一気にやるより小刻みガイドが安全
 - コンテキスト投入:丸投げより、必要部分を選んで渡す癖が必要
 - チーム規約の順守:一般解よりローカルルールを優先(最初に“柵”を用意)
 - クリティカルシンキング:レスポンスは鵜呑みにせず、自分が納得するまで検証
 
日々の開発で“効く”場面
- Lint や整形の準備運動:自動修正 → 危険箇所だけ目視
 - 境界条件の洗い出し:バグ報告やテスト失敗の論点整理が速い
 - 雛形の自動生成:テストや新規ファイルの書き始めが楽
 - コミット/PR 説明文:目的・変更点・リスクのひな形をすぐ作れる
 
コード調査:現象→候補の“的”をすぐ絞ってくれる
- ざっくりした事象(例:「会員登録後にメールが送られない」)を伝えるだけで、当たりに近い箇所まで候補を絞ってくれる
 - 入口関数/主要モデル/コールバック/ジョブ/設定値など、探索の経路を提示 → 自分は候補を当てに確認と再現へ集中
 
おわりに
正直、体感では同じ作業が“半分の時間”で終わるようになりました。設定やプロンプトを詰めれば、まだまだ短縮の余地があるでしょう。しかも“雑に使って”の結果でここまでの効果を感じることができるのであれば、やらない理由がないと思います。まずは小さく取り入れて、開発体験を向上していきましょう
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