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#002 pingの語源は潜水艦から──“ポーン”という返事
🔍 pingってなに?
ネットワークの疎通確認に使われるコマンド ping
。
たとえば:
$ ping google.com
と打つと、Googleサーバーに向けて「今そっち、生きてる?」と確認してくれる。
でも、なぜ「ping」っていうのか?
🌊 潜水艦の"ピン音"が由来だった
ping
の語源は、ソナーの音(=水中で物体の有無を調べるための音波)に由来する。
ソナーは水中に「ポーン」という音(ping)を発して、その反射音で相手の位置を把握する。
まるでこう言っているようだ:
「誰かいるかー?」
「ポーン……あ、いるわ。」
この音のことをping音(ping sound)と呼ぶ。
💻 コンピューターの世界に来た "ポーン"
1983年12月、米国陸軍弾道学研究所(Ballistic Research Laboratory)の Mike Muuss 氏が、UNIXネットワーク用に ping
コマンドを開発。
ICMP(Internet Control Message Protocol)を使って、「生きてる?」を確かめるツールだ。
彼はソナーのエコーロケーション原理にインスパイアされて、この名前を付けた。ソナーが音波パルスを送信してエコーを聞くように、pingも電子的な「パルス」を送信して応答を待つのだ。
📡 返ってくる=生きてる、返ってこない=沈黙
ping
を打って返事(=パケット応答)が返ってくると、相手は生きている(reachable)とわかる。
返ってこなければ、どこかで通信が途絶しているか、相手が沈黙している。
これはまさにソナーで潜水艦を探している感覚に似ていないだろうか?
🧠 エンジニア視点の"哲学的おまけ":Pingは存在の確認である
ping
はただの技術ではない。
それは、相手が「そこにいるかどうか」を確認するという、
いわばデジタルな存在確認でもある。
- あのサーバーはそこに「いる」か?
- あのデバイスはまだ「生きて」いるか?
これって、まるで「デジタル世界の点呼」だよね。
「おーい、誰かいる?」──そんなシンプルな問いかけに、
「ポーン」と返ってくる返事が、僕らを安心させてくれる。
🧾 参考文献
- Internet Systems Consortium. "History of BIND software development". Archived from the original on 2008-11-18
(https://web.archive.org/web/20081118071434/https://www.isc.org/software/bind/history) - RFC 792: Internet Control Message Protocol (ICMP) - https://datatracker.ietf.org/doc/html/rfc792
- ICMP Uses - https://www.geeksforgeeks.org/internet-control-message-protocol-icmp/
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