💪

リモートワーク時代の健康管理

2023/12/27に公開

こんにちは。PORT株式会社、開発部随一の健康マニア(自称)、フロントエンド・エンジニア@sigwygです。この記事はポート株式会社 サービス開発部 Advent Calendar 2023の11日目の記事になるはずだったものです。

ところで先日、社内LTで「エンジニアは身体が資本」という話をしました。この記事は、その発表スライドを書き起こして加筆修正したものです。もちろんLTなので、5分で話しました。

TL;DR

  • 8時間ちゃんと寝る
  • 定期的に運動する身体を動かす
  • 毎日、体重計に乗る

免責:引用としてYouTube多めですが、筆者はそこまでストイックに考えていないので、緩く判断してます(あとWIREDが好きです)。いちお論文から引用しているものを選んでいるので、気になる方はご自身で読んでみてください。

人は寝すぎることができない

まず睡眠に関して。適切な睡眠時間には個人差がありますが、「寝たいだけ寝る」ことによって測れます、という話。

  1. 7時間前後の睡眠が最も健康的。
    • ショートスリーパーは極めて稀。睡眠不足の自覚がないだけ。
    • 適切な睡眠時間は遺伝子で決まっていて、鍛えることはできない。
  2. 10時間とか寝てしまうのは睡眠障害。
    • 十分眠れていないから、長くなっている
    • 自覚的に「十分眠れている」若者の睡眠負債は平均1時間。
    • 完済するには4日間ほどかかる。
      • つまり土日では足りない…
    • 睡眠は貯金できない(寝溜めできない)
  3. まず量が大事。質はその次。
    • 十分に眠れているなら、昼に眠くならない。
    • 昼寝するなら20分くらいが良い
      • それ以上は深睡眠になってしまう。
    • アルコールによる睡眠は昏睡
      • 深睡眠がなく、中途覚醒が多い。
      • 質がすごく悪い
      • 酒を抜いてから寝るべき。
        • ❌寝酒(日本人には特に多い)
        • 🙆‍♂️夕食後の嗜み
  4. 何時に眠るのが良いか、というのは人によって違う。
    • 入眠時間よりも、規則正しくするのが大事
    • 睡眠不安は学習される
      • 寝なきゃいけないのに寝れない状態
      • 「早く眠らなきゃ」が強迫観念となり、これが学習される
        • パブロフの犬状態
        • ますます眠れなくなる
      • ベッドにいる時間を短くし、眠くなってから寝るのが良い

つまり目覚まし時計をやめて自然に目が覚める状態を意識すると、睡眠が足りてなければ、翌日以降の睡眠時間が長くなります。

参考:睡眠学者、柳沢正史だけど質問ある? | Tech Support | WIRED Japan

睡眠障害のリスク

以下には非常に強いエビデンスがある。

  1. メタボになる
    • 夜更かしするとお腹が減るやつ
    • 実験的に再現もできている。
      • 4時間の睡眠制限を2週間続ける実験
      • 摂取カロリーが300kcal増えた
      • 体重が1.5kg増えた
      • 内臓脂肪が11%増えた
    • 逆に1.5時間多く寝るだけで改善
  2. メンタルが不安定になる
    • イライラする。落ち着かない。
    • キレやすくなる
    • 集中力が続かない
      • 泥酔時と同程度のパフォーマンスになるらしい
  3. 認知症になりやすい
    • 睡眠不足により発症リスクが4倍になる
    • 65歳の非認知者1041人を対象にした実験

ラジオのパーソナリティが不眠を続けてみたら発狂して、一生元に戻らなかった、て有名な実証実験もありましたね。

参考:睡眠不足でどんどん太る、認知症リスクが4倍に!睡眠の世界的権威、柳沢正史が解説[再編ver]

定期的に運動する

9月のトレーニング頻度と量の記録。月はフルレストで火水木はトレーニング、土日ロングライドするかに合わせて金は調整、といったルーチン

リモートワークなら通勤時間がないので、「運動する時間がない」は嘘です。

  • ❌運動する時間がない
  • 🙆‍♂️リモワなら通勤時間分(往復1−2時間)はある

少なくとも浮いた通勤時間から片道分は、歩いたり走ったりできるはずですね。

最寄りより1つ遠いコンビニ行くとか。
ゴミ出しついでに散歩するとか。
MTGの合間に飲み物取りに席を立つ、くらいでもいい。
とにかく身体を動かしましょう。チャンスはたくさんあります。

物理出社するなら「一駅分歩く」とか「エスカレーターではなく階段を使う」とかできますね。フルリモートだと、「家から出る」か「家の中で動く」の二択。筆者は後者です。

パーソナル懸垂システム 室内トレーニング・キット
TEDDY WORKS】 KENSUI kaku Zwift用に室内ローラーを置いています

運動を習慣化させる

オススメはルーティーンを設定すること。参考までに筆者の場合。

  1. 1日2回のコーヒーブレイク
    1. お湯沸かす間に懸垂
    2. 湯が適温に冷めるまでプランク
    3. ドリップしてる間に腕立て&スクワット
  2. 昼休みに走る
    • 個人的な気分の問題として、陽が出てないと動く気にならない
    • 朝は早起き(早寝)が安定しない
    • 昼なら確実に1時間作れる

カフェインは疲労感や痛みの軽減に効果があるとのことで、トレーニング後のコーヒーは筋肉痛対策にもなって一石二鳥です。ちなみに、筋肉痛そのものは「筋肥大に関連しない」というのが最近の研究です。逆に言えば筋肉痛でもトレーニングすれば筋肥大は起こる。

なお、筋トレは軽い負荷でも効果があります。正確には、1週間の総負荷量が同じであれば、週1回より週3回のほうが効果が大きい。つまり懸垂を1日で10回3セットやるのと、3日かけて1セットずつでやるのは、後者の方が効果が高いということですね。週3回と週6回のトレーニングに優位差はありませんが、大事なのは総負荷量なので、反復しないなら毎日やった方が楽ですね。

懸垂1日目 1ヶ月後
1日目の背中。肩幅の懸垂ならできる 1ヶ月後の背中。心なしか大きくなってる。

筆者の場合、自宅に懸垂バーを導入して1日目はワイドスタンスで1回もできなかったのが、1ヶ月後には6−8回できるようになりました。10回3セットとかダルい反復はしてなくて、1セットをできるだけやるだけです。ただし、原則として毎日やる。ちなみに現状は3ヶ月目が終わろうとしており、10回は安定してこなせるようになってきました。

ガチ勢に怒られるかもなので補足しておくと、やればやるだけ伸びる初級者の人の話です。「デカくしたい」とか「パフォーマンスを上げたい」とかって明確な目標がある場合は、適切な負荷調整と休息が重要になってきますね。とはいえ大多数の人にとって重要なのは健康維持であり、この記事は運動という行為が習慣になっていない一般人に向けて書いてます。

なので大事なのは、やらなくなるより、続けられる方が良いという事実。HIITみたいなキツいトレーニングを数日やって止めてしまうより、緩くても毎日続くウォーキングのほうが価値があります。ちなみに、維持するだけなら頻度より強度の方が大事なので、週一で良いらしいです。一度付いた筋力は2〜3週間は維持されるみたいなので、病気などでルーチン壊れてしまってもやる気を失わないように。緩く続けていきましょ。

Threadsで記録 成果のグラフ化
毎日プランクしたら呟いている 限界時間をグラフ化してみると、ムラはあるものの概ね右肩上がり

プランクもだんだん時間が伸びてるので成果がわかりやすいです。

重ねて言いますが、まず習慣化すること。それから(パフォーマンスを求めるなら)負荷を上げていき、食事や休息を絡めて計画的にチャレンジしていきましょう。ガチ勢トレーニーは多いので、研究やエビデンスは山ほどあります。

日光を浴びよう

これは筆者(フルリモート)も実践できてないのですが、大事なことです。

  • 日光浴びるとビタミンDが生成される
    • 健康&鬱対策
    • 北欧諸国とか高井戸地域は日照時間が足りないので、鬱が社会問題とか
    • 冬季うつは、冬に日照時間が極端に短くなる高緯度地域に多い(北海道も)
  • ビタミンDは食品からも摂れるが、難しい
    • 大事なのは日光というか紫外線
      • したがって、日焼け止めの塗布やガラス越しでも効果も低減される
      • 肌が露出している面積が多ければ、より早く必要量まで生成される
      • 半パン日光浴が大正義
  • 週3回15−30分程度が目安

これに関しては物理出社勢が羨ましいですね。通勤してれば自動的に賄える計算なので。
筆者はロードバイクが趣味なので土日のロングライドで賄えていると信じたいところですが、フルリモートだと気分が沈みがちって人は気をつけてみてください。

毎日、体重計に乗る

地味に一番だいじなこと。現状把握は全ての基本。

体重の推移 各種データ
12月の体重変化のグラフ。概ね±2kg以内に収まっている 体脂肪、骨格筋量、耐水分量など
  • 体重の変化は、体調の変化。
  • 毎日決めた時間に、体重を測り、統計をとる。
    • オススメは朝起きた直後や、風呂に入る前。
    • スマート体重計だとアプリでグラフが見れる。

なお、毎日計量すること自体が目的であって、数値そのものは重要ではありません。家庭用体重計では正確な体脂肪は測れないし、汗かいたり水飲んだりで短期間で1〜2kgくらい簡単に増減します。短期の増減で一喜一憂するのではなく、長期の推移で傾向を判断しましょう。

増える分には「不摂生かな?」で片付けられるけど、急に減り始めた時は注意が必要です(癌とか糖尿病の兆候)。

その他Tips

あとは、こういうネタもありますよーという。

  • 酒は一滴でも毒
  • 適切なカフェイン量
  • ダイエットはカロリー計算から
  • 「体重を減らす」のと「体型を整える」のは違うよ
  • ロードバイクのトレーニングについて

次回のLTで話そうかと思ってます。

終わりに

ほとんど「リモートワーク」関係ないとか突っ込んではいけない。Afterコロナにあってフルリモートを維持するためには、心身ともに健康でなくてはいけないのだよ…!つまり筋肉は全てを解決する。

PORT株式会社は健康で文化的な開発体験を支援しています。

Discussion