自分の裁量を超えた意思決定が必要なときはレポートラインを上手く使おう
自分の裁量を超えた意思決定はどうするのか
仕事をしていると時々、自分の裁量を超えた意思決定を迫られることがある。
例えば、
- 社外の知人から相談された案件やイベント共催
- 明らかに会社に取って良さそうなツールの導入紹介
- 会社限定セール・キャンペーンの紹介
- リファラルで人を紹介したい
このようなとき、自分が所属している組織の構造とレポートラインを理解できているかどうかが重要になる。
レポートラインとは
レポートラインとは、組織内の指示・報告の流れを示す命令系統のことだ。
例えば、あなたが開発チームのメンバー1であるとき、あなたのレポートラインは以下のようになる。このように情報を上に流すため伝える経路をレポートラインという。
なぜレポートラインが必要なのか
なぜレポートラインが必要なのか。それは、意思決定の範囲を明確にするためだ。
- メンバーなら自分に任されたタスク内の意思決定
- リーダーならチーム内の意思決定
- 部長なら部門内の意思決定
- 社長なら会社内の意思決定
それぞれの役割には意思決定可能な範囲(裁量)がある。その範囲を超えそうな時は、上のレイヤーに相談するといい。裁量とは「ここまでは自分で決めてよい」という信頼の証である。裁量内なら自分で決め、超える場合はレポートラインを辿って相談する。
会社では大量の判断が必要なため、範囲ごとに階層構造で分担している。レポートラインを知っておくと、誰に相談すればよいか分かりやすい。ゲームステージのようなものなので、覚えておこう。
レポートラインと裁量を理解すると何が嬉しいのか
レポートラインと裁量を理解すると、意思決定が必要なシーンで迷いなく相談相手がわかる。
- チーム内の相談はリーダーに
- 部門内の相談は部長に
- 会社内の相談は社長に
というように、相談相手がわかる。しかし、ここで落とし穴がある。それは「基本的にはレポートラインを無視してはいけない」ということだ。なぜなら前述した通り、上のレイヤほど多くの物事を相手にしているため、小さいことには時間をなかなか避けないからだ。
まずは自分の1個上に相談して解決や次の一手が生まれるかを待とう。レポートラインを超えるのは暗黙のルールで禁じ手になっているので「本当に必要な時」以外は避けるべきだ。いつもやっていると信用を失うので、普段は使わず必殺技として残しておこう。「この人が超えてくるってことはちゃんと聞いたほうがいいな」と思ってもらいやすい。
自分の部署を超えた意思決定が必要なときは経路を辿ろう
時々、自分の部署を超えた意思決定が必要なことがある。
- 福利厚生や会社限定セール・キャンペーン
- リファラルで人を紹介したい
といった自分の部署を超えた判断が必要なケースの場合は、組織の経路を順番に辿っていくとスムーズに事を進められる。
あなたがメンバー1だとして、例えばこういった組織構造の場合は、
- リーダーに相談
- 開発部長に相談
- CTO/VPoEに相談
- 人事部長に相談
といった経路を辿る。組織が小さいなら1,2,3を同時に相談してもいい。その後、隣の部署に相談しに行こう。多くの場合は、自分のレポートラインに伝達するだけで済むことも多い。
コツとしては、自分の部署を超えた意思決定をするときは、自分のレポートラインを全部クリアにしておくことだ。大人は「(自分が)聞いてない」ということを嫌がる。意思決定層は特に「自分の裁量内で見えていない重要な意思決定が起きる」ことを避ける。なぜなら彼らの仕事は不確実性をコントロールして、組織を安全に着地させることだからだ。自分のレポートラインのメンツを潰さないようにしよう。
もしレポートラインを超えて相談していた場合、組織のルールを無視する人間としてマークされる。良かれと思ってやったことが自分の信用貯金を減らすことになるのは避けたい。気をつけよう。
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