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Rust: 所有権を失ったスタック上の変数について

shuyin02shuyin02

log

user

rustで

fn change_ill(s: String) {
  s.push_str("_world");
}

このような関数を定義したところ、

cannot borrow `s` as mutable, as it is not declared as mutable
cannot borrow as mutablerustcClick for full compiler diagnostic
ownership.rs(64, 15): consider changing this to be mutable: `mut `

このようなエラーが出てしまいました。

ChatGPT

Rustのエラーメッセージからわかる通り、関数内で s を可変の参照として扱おうとしていますが、s は不変の String として宣言されています。したがって、このエラーを解消するには、可変の参照を許可するために s を可変に宣言する必要があります。以下のように修正できます:

fn change_ill(mut s: String) {
    s.push_str("_world");
}

fn main() {
    let mut my_string = String::from("hello");
    change_ill(my_string);
    println!("{}", my_string); // エラーが発生しないことを確認
}

この修正により、change_ill 関数は可変の String を引数として受け取り、その中身を変更できるようになります。したがって、この関数は "_world" を追加した新しい文字列を生成し、元の文字列 my_string には影響を与えません。

また、上記のコードでは main 関数内で my_string を可変に宣言しています。これは change_ill 関数が可変の String を必要とするためです。

user

その後、main(){}の中で、

  let mut s9 = String::from("hello");
  change_ill(s9);
  println!("{}", s9);

このようなコードを書いたところエラーが出ています。

ChatGPT

エラーが発生しているのは、change_ill 関数が String を借用しているためです。具体的には、change_ill 関数内で s が所有権を持っており、関数が終了するときに s はドロップされ、元の変数 s9 の所有権はもう存在しないため、println! マクロで s9 を使おうとするとエラーが発生します。

この問題を解決するためには、change_ill 関数が s9 の所有権を奪わないように修正する必要があります。これを行う方法は、change_ill 関数が String の代わりに &mut String を受け取るようにすることです。以下は修正例です:

fn change_ill(s: &mut String) {
    s.push_str("_world");
}

fn main() {
    let mut s9 = String::from("hello");
    change_ill(&mut s9);
    println!("{}", s9); // "hello_world" が出力されます
}

この修正により、change_ill 関数は s9 の &mut String 参照を受け取り、それを変更できます。そして、main 関数内で &mut s9 を渡すことで、s9 の中身を変更し、正しく "hello_world" が出力されるはずです。

user

元のコードについて、sがドロップされて、s9の所有権はなくなるかと思いますが、スタックメモリ上のs9はどのような扱いになるのでしょうか。

ChatGPT

元のコードでは、s と s9 はスタック上に存在します。s が change_ill 関数に所有権を奪われてドロップされると、s9 の所有権は影響を受けません。ただし、s9 の値自体は変更されません。

Rustでは、変数の所有権が移動したとしても、変数自体(スタック上のメモリ)はそのまま残ります。所有権が移動しても、元の変数(s9)は有効なままで、以後もその変数を使うことができます。つまり、s がドロップされても、s9 は引き続き使用できます。

以下のコードを見てみましょう:

fn change_ill(mut s: String) {
    s.push_str("_world");
}

fn main() {
    let mut s9 = String::from("hello");
    change_ill(s9.clone()); // クローンを渡すことで所有権を移さない
    println!("{}", s9); // "hello" が出力されます
}

このコードでは、s9 のクローンを change_ill に渡すことで、所有権を移さずに関数を呼び出しています。そのため、s9 はそのまま使え、出力結果は "hello" となります。

user

s9は所有権を失い、その値を呼び出すことができなくなるかと思いますが、スタックのその領域は今後使えなくなってしまうのでしょうか。

ChatGPT

Rustでは、変数が所有権を失った場合でも、変数自体(スタック上のメモリ領域)は引き続き使えます。所有権が移動した場合、その変数は無効になりません。変数自体はスコープ内で生存し、以後も利用可能です。

具体的に言えば、元のコードでsがchange_ill関数に所有権を渡すと、sの所有権はchange_ill関数内で消費され、関数が終了するときに解放(ドロップ)されます。しかし、s9自体はそのまま有効であり、スタック上のメモリ領域は引き続き利用できます。

以下のように変数s9をスコープ外で使用することができます:

fn change_ill(mut s: String) {
    s.push_str("_world");
}

fn main() {
    let mut s9 = String::from("hello");
    change_ill(s9); // s9の所有権が移動
    println!("{}", s9); // ここでs9を使用しようとするとエラーになる
} // s9はここでスコープを抜けるため、ドロップされる

このコードはコンパイルエラーを引き起こします。println! マクロで s9 を使用しようとすると、所有権が移動したためにコンパイラエラーが発生します。しかし、s9 のメモリ自体は解放されず、スタック上の領域は引き続き使えるわけではありませんが、その領域は無効になります。つまり、s9 のスコープを抜けると、変数 s9 はもう使えません。

user

ここまでは理解できました。ありがとうございます。
疑問に思っているのは、このようにスタック上で無効になった領域があまりに増えすぎることは問題にならないかと考えているのですが、この点ではいかがでしょうか。

ChatGPT

Rustの所有権システムにおいて、スタック上のメモリ領域が無効になった場合、それが問題になることは通常ありません。Rustのデザインでは、スタック上のメモリ領域のクリーンアップ(解放)はコンパイラによって自動的に行われます。スコープを抜けると、そのスコープ内で定義された変数は自動的にドロップされ、メモリが解放されます。

このメモリのクリーンアップは効率的に行われ、メモリリーク(メモリが解放されずに消費され続ける状態)やダングリングポインタ(無効なメモリ領域を指すポインタ)の問題が発生しないようになっています。したがって、スタック上のメモリ領域が無効になること自体は一般的には問題になりません。

ただし、Rustプログラマは所有権とスコープに注意を払う必要があります。特に大規模なデータ構造やリソースを操作する場合、適切なスコープと所有権の管理が重要です。不要な長寿命の変数がスタック上に残ってしまうことは、メモリ使用量を増やし、パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、これらの問題は適切なRustの設計とプログラミング慣習によって十分に制御できます。

総括すると、Rustの所有権システムはメモリリークやダングリングポインタの問題を効果的に防ぐために設計されており、スタック上のメモリ領域が無効になること自体は通常問題にはなりません。プログラマはスコープと所有権の適切な管理に注意を払うことで、メモリ効率を向上させることができます。

user

「不要な長寿命の変数がスタック上に残ってしまうことは、メモリ使用量を増やし、パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、これらの問題は適切なRustの設計とプログラミング慣習によって十分に制御できます。」

という回答で納得がいきました。所有権システムである程度コンパイラがメモリを管理してくれてはいるものの、本質的に理解してどのように設計するかを考えることも、Rustを記述する上では求められるということですね。

ChatGPT

正確です!Rustの所有権システムはメモリ安全性を確保するための強力なツールですが、それを効果的に使用するためには適切な設計とプログラミング慣習が必要です。メモリリークやパフォーマンスの問題を回避するために、変数のライフタイムとスコープについて考え、所有権を適切に管理することが非常に重要です。

Rustはパフォーマンスと安全性の両方を追求するためのモダンなプログラミング言語であり、その学習曲線は高いですが、正しい手法を身につければ非常に強力な言語となります。所有権システムを理解し、適切に活用することで、安全性と効率性を両立させるプログラムを書くことができます。継続的な学習と実践が鍵です。質問があればいつでもお気軽にどうぞ!

このスクラップは2023/09/29にクローズされました