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[統計学] 畳み込み積分と確率変数の和 を読みました

2023/02/23に公開

前書き

先日, 畳み込み積分の解説書「徹底解説「確率変数 2」: 畳み込み積分と確率変数の和 徹底解説!統計学 Kindle版」を見つけたので読みました. その中でいくつか誤植と思われる部分を見つけたので購読される方向けにメモを残しておきます. 著者の方に連絡したかったのですが, 連絡先が書いておらず, コミットする方法が分からなかったため公開に至りました. 著者の方と連絡が取れましたらこの記事は非公開になる可能性があることをご了承ください.

3.連続確率変数の和

該当部分5ページ: 第三行目の第一項の分数部分の分子がz-kになっていますがzと思われます.

\begin{align*} f_z(z) &= \int f_X(z-k) f_Y(k) dk \\ &= \int e^{-\frac{z-k}{\lambda}} e^{-\frac{k}{\lambda}} dk \\ &= \int e^{-\frac{z}{\lambda}} e^{\frac{k}{\lambda}} e^{-\frac{k}{\lambda}} dk \\ &= \int e^{-\frac{z}{\lambda}} e^{\frac{k-k}{\lambda}} dk \\ &= \int e^{-\frac{z}{\lambda}} e^{\frac{0}{\lambda}} dk \\ &= \int e^{-\frac{z}{\lambda}} \cdot 1 dk \\ \end{align*}

該当部分6ページ: kの積分範囲を求める部分で, zの範囲になっています.

\begin{align*} 0\leq z-k\leq \infty,\quad 0 \leq k \leq \infty \end{align*}

1つ目の条件を変形し, 両方の条件を満たす範囲を求めると次のようになります

\begin{align*} 0&\leq z-k \\ 0+k&\leq z-k+k \\ k&\leq z \end{align*}

よって

0\leq k \leq z

4.差・積・商の分布

  • YのPの部分が消えていて()のみになっています.
  • F_X(\frac{z}{k})=\frac{1}{k}f_X(\frac{z}{k})の記載ミス? 指数分布の場合(0\leq xの範囲なので)F_X(x) = \int_0^x f_X(x) dx.
  • f_X(g(z))のxに対する積分(F_X(x))のzの微分を考えているのでf_X(g(z))g'(z)になるところに注意します.
\begin{align*} \frac{d}{dz} \int P(X \leq \frac{z}{k}, Y=k) dk &= \int \frac{d}{dz} P(X \leq \frac{z}{k})P(Y=k) dk \\ &= \int f_Y(k)\big( \frac{d}{dz} F_X(\frac{z}{k}) \big) dk \\ &= \int f_Y(k) \big( \frac{d}{dz} \int_0^{\frac{z}{k}} f_X(x) dx \big) dk \\ &= \int f_Y(k) \big( f_X(\frac{z}{k}) \frac{d}{dz} \frac{z}{k} \big) dk\\ &= \int \frac{1}{k} f_X(\frac{z}{k}) f_Y(k) dk \end{align*}

参考文献

Discussion