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【Tips 紹介】 Tableau の『ビジュアル分析のサイクル』を使いViz を企画・設計する方法

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目的

この記事では、Tableau が提唱する『ビジュアル分析のサイクル』を使い、ゼロ・ベースでもViz を企画・設計できるようになること を目指します。😁

背景

DATA Sabar プログラム コミュニティ活動の一環で、Tableau に関する記事を書く必要があり、『ビジュアル分析のサイクル』の使い方について、書くことにしました。🤔

結論

なぜ『ビジュアル分析のサイクル』を使うのか?

巷に溢れるTableau に関する書籍や、動画、オンライン・コースの多くは、操作スキルに習熟することを目的としています。これらの教材は、ハンズオンのスキルを身につけることには適していますが、分析目的やTask に対し、最適なViz を考え、企画・設計するスキルを養うことまでは踏み込んでいません。 そこで、『ビジュアル分析のサイクル』を使い、Viz を分析する訓練を思いつきました。💡

『ビジュアル分析のサイクル』の使い方

参考書籍等に載っているViz を観ながら、以下の問いの答えを書き出します。

  • Task は何だろう?

  • 必要なデータは、何だろう?

  • 最適なビジュアルは、何だろう? 又、使われている Preattentitive Attributes は何だろう?

  • データのどこを見るべきだろう?

  • どんなインサイトがありそうだろう?

  • どんな行動に繋がりそうだろう?

参考書籍等に載っているViz の多くは、作り方を解説したものが多く、Viz が作られた背景やTask は、書かれていない こともあります。😓 こういう場合は、仮説で良いので、答えを書き出すこと をお勧めします。🤓

分析例

『Tableauユーザーのための伝わる!わかる!データ分析 × ビジュアル表現 トレーニング』 第0章に掲載されている「0.1 サブカテゴリ毎に売上の棒グラフを作る」を分析した例です。

  • Task は何だろう?
    サブカテゴリ毎の売上を上げる。

  • 必要なデータは、何だろう?
    ディメンション: サブカテゴリ
    メジャー: 売上(合計)、利益(合計)

  • 最適なビジュアルは、何だろう? 又、使われている Preattentitive Attributes は何だろう?
    最適なビジュアル: 横棒グラフ
    Preattentitive Attributes: 長さ、色相、色彩

  • データのどこを見るべきだろう?
    サブカテゴリ毎の売上と利益の違い

  • どんなインサイトがありそうだろう?
    サブカテゴリの中でも、椅子、コピー機、本棚、アプライアンスは 売上・利益ともに高い。
    一方、テーブルの売上は中程度で、利益は赤字 である。

  • どんな行動に繋がりそうだろう?
    1. サブカテゴリ毎の目標売上・利益、可能な打ち手を確認する。
    2. 目標と現状の差を求める。
    3. 特にテーブルの不調が目立つため、不調理由の仮説を立てる。
    4. 打ち手の優先順位をつける。
    5. 打ち手を実行する。
    6. 効果を検証する。

このようにViz の作り方をトレースするだけでなく、Viz の元になっているTask や、作った後の打ち手までをワンセットで考えることで、より実践的なデータ分析の訓練を積むこと ができます。😁

示唆

  • 『ビジュアル分析のサイクル』は、Tableau の開発思想を表すフレームワークの一つだと感じました。🤔
  • Tableau が真価を発揮するには、Viz を作成した後の行動まで、見据える必要があります。
  • 各問い - 特に行動に関する問いの答えは、必ずしも一つとは言えないため、分析者が何をTask と捉え、どんな行動を発想・提案するかで、分析の価値が大きく変わってきます。 🫨
  • 普段の仕事でも『ビジュアル分析のサイクル』を意識することで、手を動かし始める前に、Task を書き出し、必要なデータのあたりをつけ、最適なビジュアル表現を考えることで、短時間で本質的なViz を作れる ようになります。😁
  • 他部署や上司からの依頼で分析を行う際も、先ず Task は何かを問いかける、どんなインサイトがあったか、どんな打ち手が打てそうかまで報告・提案することで、分析者の価値が大きく高まる ことが期待できます。🙂‍↕️
  • これまで数多くのViz を作ってきた方は、経験が整理され、より実践的で、再現性の高いスキルに変えること が期待できます。🤓

出所

Discussion