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国家公務員死因調査データの可視化と分析
目的
この記事では、Tableau のスキルアップを目的とし、e-Stat にホストされている、2014年〜2023年の間に行われた4回の「国家公務員死因調査」のデータの分析結果を紹介します。
背景
Tableau の DATA SABAR プログラム の学習の一環で、独自のViz を作り、Tableau Public にアップする必要がありました。e-Stat でデータを物色していた際、「国家公務員死因調査」を見つけ、面白そうだと思い、このデータを分析することにしました。🤔
国家公務員死因調査とは
この調査は、3年に1回行われている調査で、国家公務員の死亡者数と、18〜60歳の国民の死亡者数を比べたデータです。e-Stat には、2005年度の調査結果からアップロードされていますが、国民の死亡者数が、性別毎に分かれていなかったりと、直近の調査結果と分析の仕様が変わっていたため、2014年〜2023年の間に行われた、直近4回の調査結果のデータを使いました。
分析の設計
今回は、Tableau のスキルアップが主たる目的だったため、分析課題や背景の設定等は、行わず以下の問いを設定しました。 😌
- 国家公務員と、国民(18〜60歳)の死亡者数は、死因別に経年でどのように推移しているか?
- 人口増加を是とした場合、どのような打ち手が考えられるか?あるいは、現在の打ち手で良いのか?
結論
観察事項
国家公務員の死亡者数について
- 国家公務員の死亡者数は、200〜250名前後で推移しています。
- 死因別に見ると、「がん」の死亡者数は、減少傾向にあります。
- 一方、「その他 病死」は、2020年度から2023年度に20名増加しており、コロナウイルスに関連する疾患等が含まれている可能性が考えられます。🤔
- 「自殺」は、2020年度に32名で底を打った後、2023年度に再び増加に転じています。
国民(18〜60歳)の死亡者数について
- 国民(18〜60歳)の死亡者数は、大凡90,000〜100,000名で推移しています。
- 死因別に見ると、国家公務員同様「がん」での死亡者数は、経年で減少傾向にあります。
- 他方「その他 病死」は2017年度から増加傾向にあり、21,452名だった死亡者数が、2023年度には25,823名に増加しています。
- それ以外の死因はほぼ横ばい、もしくは微増・微減傾向にあります。😌
観察から得られた示唆
- 国家公務員と一般国民(18〜60歳)の死亡者数を死因別に比較すると、国家公務員は「自殺」が増加傾向にある のに対して、一般国民(18〜60歳)の死因は「その他 病死」を除き、全て横ばいでした。
- どちらも「がん」の死亡者数は減少傾向にあります。これは、早期に治療を始めれば、癌は不治の病ではなくなってきている ことを示唆しています。
- このため、人口増加を是とした場合、最多の死因である「がん」治療を強化することは、理に適っている と言えそうです。🤔
- 「心疾患」や「脳血管疾患」は、2014年度〜2023年度に行われた4回の調査では、大きな推移は観察されませんでした。
- 一方で「その他 病死」は経年で増加傾向にあるため、具体的にどのような疾患が含まれているか?は、深掘りに値するかもしれません。
打ち手
医師や看護師といった職業が免許制であること、これに伴って「医師1人が診れる患者数」には上限があることを踏まえると、依然、最多の死因である癌治療に注力することが、人口増加には効果的である と言えそうです。🤔
学び
今回の分析を通じ、得られた学びは、以下の通りです。
- 分析を進めるにあたり、DATA SABAR プログラムで学んだ ビジュアル・アナリティクスのフレームワーク を使いました。このフレームワークのお陰で、楽に分析を設計することができました。結果、データのクレンジングから、Tableau Public への Viz 投稿まで、3時間程で終える ことができました。🤓
- テクニック面では、パラメーターを使ったViz の表示切替や、線グラフの二重軸化、合計に対する割合を使った横棒グラフ等を使ってみました。
- 元データは、そのまま分析に使えなかったため、スプレッドシート上で、データを作り直しました。😓
- 「その他 病死」等、Tableau で Viz を作ることを見越した上で、ラベルをつけておくと、後から「別名の編集」機能等を使わずに済む ことが分かりました。🤔
- 当初、Tableau Desktop でViz を作っていましたが、Tableau Public にアップロードする際、Tableau Public アプリケーションをインストールし、アップロードし直しました。😓Tableau Public にアップロードする際は、最初から Tableau Public アプリケーションでViz を作る方が手戻りが少なくて済みそう です。
- 国や地方自治体が行なっている基幹統計には興味深いデータが多く、引き続き、面白そうなデータを探し、分析してみます。
Discussion