普通のエンジニアが知らない「個人開発」の特殊な世界
個人アプリをリリースして3年ほどが経ちました。
思うに「一般的なエンジニア」と「個人開発者」では、全く住む世界が違うといっても過言ではありません。
そんな、あなたの知らない個人開発の世界をちょっとだけ紹介します。
アプリが名刺代わり
一般的なエンジニアの場合、初対面だと、どこの会社か?何の言語を使っているのか?何年くらいエンジニアをやっているのか?...とかそんな話をしませんか?(よく分からないので推測です)
個人アプリの場合、まず紹介するのは 「自分のアプリ」 です。これが名刺代わりになります。どこの会社に勤めているとか、年収とかそんなの興味ないのです。そして速攻でアプリストアで検索して、ダウンロードします。知っているアプリの開発者だった場合、めっちゃ興奮します。これが個人開発の自己紹介です。
Xが重要
個人開発の新鮮な情報はWebの記事にはほぼありません。あっても鮮度が低い枯れた情報ばかり。新鮮な情報はXの投稿にあります。Xを通して、AppleやGoogleなどの仕様変更を知る。Xcodeのアップデート時には誰かの阿鼻叫喚の犠牲によって、解決策を知る。たまにダイヤの原石のような良質なアプリ情報も転がってくる。個人開発者の収益アップの投稿があると非常に興奮する。
それにXを通じて日本中に仲間ができます。個人開発者なんてリアルでは遭遇することなく、それはネット上にしか生息していません。ネットで出会った人とオフ会するなんて、偏見を持っている当時の私からすると信じられないことでした。ましてや一緒に旅行をするなんて(楽しかった)
このように、個人開発者にとって「X」は現実逃避含めてとても重要なのです。
飲み会やZOOMがめっちゃ楽しい
個人開発者は色んな悩みを抱えています。例えば、ダウンロードが伸びない、ASOが低い、広告運用が上手くいかない、収益が...。みんなが抱いている悩みなので、話す共通のネタはいくらでもあります。先日は福岡で飲み会をしたのですが、アプリ談義で5時間も盛り上がってました。
そして個人開発コミュニティでZOOMすると、ボスが収益画面を公開してくれるので、めっちゃ興奮します。実は最も具体的で貴重な情報は、この対面かZOOMにしかなく、普通は表に出ません。
お金の価値が全く違う
個人開発で成功する人はほんの一握りです。
普通にエンジニアをやっている方が、時給換算だと高い場合が多い。ただ、自分の時給にさえ満たない額でも、最初のAdMobの収益は嬉しい。いや、もしくはガッカリするかもしれない、たったこれだけなのかと...。でもそこからが本当のスタート。数百円のサブスクが売れた時は嬉しく、サブスク年間プランが売れるともっと嬉しい。それに売上げが先月分を越えた瞬間は毎回興奮します。やっぱり時給で働いた分だけ貰えるお金と、自分自身の力でゼロから稼ぎだしたお金の価値は全く違うものです。
癖が強い人が多い
個人開発の基本的な始め方として、日中は働きながら夜に地道に開発をしてアプリをリリースする場合がほとんどです。夜の貴重な自由時間を犠牲にしてまで、何ヶ月間も成功するか分からないアプリを作るなんて、正気の沙汰ではありません。やはり皆さん強い信念を持っている人が多い印象。
個人アプリをひとたびリリースすれば、日に何度もアナリティクスや収益ダッシュボード、アプリのレビューを閲覧してしまい、何か大きな変化があれば興奮します。だから職場に情緒不安定な人がいても、察してあげてください。
まとめ
上記から分かるように、個人開発者はよく 「興奮」 しています。でも普通に生活していて、そんなに興奮するような刺激的な出来事ってたくさんありますか?感情を揺さぶられるイベントが多い個人開発、ちょっとだけ普通のエンジニアより豊かな人生なのかもしれません。終わり。
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