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Salomeで作ったメッシュを使ってPrePoMaxで解析する【ピラミッド要素が含まれる場合は要注意】

2022/10/30に公開

CAE

0.概要

この記事ではSalome-Mecaで作ったメッシュをPrePoMaxで解析する際の注意点についてまとめています．解析が上手くいかないなと感じたら，以下のリンクに載せている記事も合わせてご覧ください．もしかしたら問題が解決するかもしれません．

Salome-Mecaで下記3パターンのメッシュを作成し，PrePoMaxで解析を実施してみました．Salome-Mecaからのメッシュのエキスポートはunv形式で行っています．解析モデル自体は片持ち梁用の単純なものです．

4面体2次要素とピラミッド2次要素の混合モデル
4面体2次要素のみから構成されるモデル
6面体2次要素のみから構成されるモデル

結論から言うと，1のピラミッド要素を含む場合は解析が上手くいきませんでした．2と3のモデルは解析が成功しました．これはSalome-MecaやPrePoMaxが悪いというより，unv形式というメッシュフォーマットに問題があると考えています．unv形式のメッシュフォーマットに関する情報を軽くググってみましたが，正確な情報に辿り着けませんでした．よって，これは私の推定を含む不正確な情報かもしれません．

unv形式のメッシュフォーマットは古くからあるメッシュフォーマットで，多くのCAEソフトで読み込みや出力ができる代わりにピラミッド要素を取り扱うことができないと，以前メッシュ職人の方に聞いたことがあります．この点に関して，正確な情報をお持ちの方が居たら，この記事へのコメントやTwitterのメッセージ等で教えて頂けますと幸いです．感想みたいなのでも結構です．

現状，ピラミッド要素を含む場合の解決方法を私は持ち合わせていません．Salomeでメッシングするときに，4面体もしくは6面体のみから構成されるように頑張ってメッシングするしかないのでしょうか？この点に関して，何か知恵をお持ちの方が居れば教えて頂きたいです．

<2022.10.31追記>
上記について，「PrePoMaxであれば接着境界の機能が使えるからそれを使えば良いのではないか？」というコメントをTwitter経由で頂きました．接着境界とは図aのように，節点を共有していない要素同士を無理やり接着(固着)させる境界条件のことです．接着境界は接触解析の機能をもつソフトであれば，実装されていることが多いです．

図a. 接着境界の例

メッシュを頑張って切ることばかり考えていましたが，確かに言われてみれば，接着境界を使えばあまりメッシングに拘らなくても解析ができますね．接着境界の機能を使えば，6面体要素と4面体要素の繋ぎ部分で発生するピラミッド要素の使用を回避できるので，メッシングをそこまで頑張らなくても解析ができそうです．

アドバイス下さった方，ありがとうございます！

下記で，各モデルを読み込んで解析した結果について簡単に説明します．

1. 4面体2次要素とピラミッド2次要素の混合モデル

Salome-Mecaで図1のようなメッシュを作りました．これは4面体2次要素とピラミッド2次要素から構成されるモデルです．モデル全体は単純な直方体形状ですが，図1ではその断面を表示しています．

図1. 4面体2次要素とピラミッド2次要素の混合モデル

図1のようなモデルをunv形式でSalomeからエキスポートし，PrePoMaxで読み込もうとするとエラーが出て読み込めません(図2)．これは，前節で述べたように，SalomeやPrePoMaxが悪いというより，unv形式というメッシュフォーマットに問題があると，現状考えています．Salomeで作ったメッシュを他のCAEソフトで解析する際はピラミッド要素を含まないようにメッシングするか，unv形式以外のメッシュフォーマットでメッシュをエキスポートするのが無難だと思います．

図2. PrePoMax側での読み込みエラー

2. 4面体2次要素のみから構成されるモデル

Salome-Mecaで図3のようなメッシュを作りました．これは4面体2次要素のみから構成されるモデルです．モデル全体は単純な直方体形状ですが，図3ではその断面を表示しています．

図3. 4面体2次要素のみから構成されるモデル

図3のようなモデルをunv形式でSalomeからエキスポートして，PrePoMaxでそのメッシュを読み込んで片持ち梁の解析を実施した結果を図4に示します．今度はメッシュの読み込みに成功し，解析自体も成功しました．4面体2次要素のみから構成されるモデルなのにPrePoMaxで解析できなかった方は以前書いた記事を参照してみて下さい．もしかしたら問題が解決するかもしれません．

図4. 4面体2次要素のみから構成されるモデルで片持ち梁の計算を実施

3. 6面体2次要素のみから構成されるモデル

Salome-Mecaで図5のようなメッシュを作りました．これは6面体2次要素のみから構成されるモデルです．モデル全体は単純な直方体形状ですが，図5ではその断面を表示しています．

図5. 6面体2次要素のみから構成されるモデル

図5のようなモデルをunv形式でSalomeからエキスポートして，PrePoMaxでそのメッシュを読み込んで片持ち梁の解析を実施した結果を図6に示します．今度はメッシュの読み込みに成功し，解析自体も成功しました．6面体2次要素のみから構成されるモデルなのにPrePoMaxで解析できなかった方は以前書いた記事を参照してみて下さい．もしかしたら問題が解決するかもしれません．

図6. 6面体2次要素のみから構成されるモデルで片持ち梁の計算を実施

まとめと感想

Salome-Mecaからunv形式でメッシュをエキスポートするときはピラミッド要素を含まないように注意する．

有料のCAEソフトでも複数のソフトを跨いで解析したときに，似たような問題に遭遇したことがあります．複数の解析ソフトを跨ぐのには色々と困難が伴いそうです．何か良い知恵をお持ちの方が居ましたら教えていただけますと幸いです．

環境

・OS: Windows 10
・Salome-Meca: ver.2021
・PrePoMax: ver.1.3.5

参考

[1]. Salomeで作ったメッシュを使ってPrePoMaxで解析する

0.概要

1. 4面体2次要素とピラミッド2次要素の混合モデル

2. 4面体2次要素のみから構成されるモデル

3. 6面体2次要素のみから構成されるモデル

まとめと感想

環境

参考

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