AutoGen Studio(0.4.0系)を動かしてみた
はじめに
AutoGenとは
これにより、イベント駆動型、分散型、スケーラブルで回復力のあるエージェント アプリケーションの作成が簡素化されます。
AI エージェントが連携して自律的に、または人間の監視下でタスクを実行するシステムを迅速に構築できます。
AutoGen Stuio
AutoGen Studioは、AutoGenをGUI上で利用できAIエージェントを素早くプロトタイピングするためのローコードインターフェースです。
AIエージェントやマルチエージェントなどをローコードで構築して実行/検証が可能となります。
実践
今回は安定版の0.2系ではなく開発版の0.4系を動かしてみました。
0.2系と0.4系の違いについて
(10/02/24) AutoGen 0.4 is a from-the-ground-up rewrite of AutoGen. Learn more about the history, goals and future at this blog post. We’re excited to work with the community to gather feedback, refine, and improve the project before we officially release 0.4. This is a big change, so AutoGen 0.2 is still available, maintained, and developed in the 0.2 branch.
公式からもこのようなアナウンスがあります。
直訳すると以下のようになります。
AutoGen 0.4 は AutoGen を根本から書き直したものです。歴史、目標、将来について詳しくは、このブログ投稿をご覧ください。 0.4 を正式にリリースする前に、コミュニティと協力してフィードバックを収集し、プロジェクトを改良し、改善できることを楽しみにしています。これは大きな変更であるため、AutoGen 0.2 は引き続き 0.2 ブランチで利用、保守、開発されます。
詳細についてはgithubにて動向を追うことができます。
環境整備
今回はdockerを使ってautogenstudioの環境を作ることにしました。
基本的にはこちらの公式が用意しているページを参考に進めていきます。
pythonの仮想環境を用意し、
pipなどで autogenstudio==0.4.0.dev45
をインストールするだけで環境構築完了です。
今回は執筆時点で最新の0.4系(開発中のバージョン)をインストールしました。
最新のリリースバージョンについてはこちらのURLにてご確認ください
起動
helpコマンドで色々とコマンドの詳細を確認できます。
コマンドを実行する際に DeprecationWarning
が出ますがこれは開発中のバージョンを利用しているためだと思って気にせずに進めます。
$ autogenstudio ui --help
Usage: autogenstudio ui [OPTIONS]
Run the AutoGen Studio UI.
Args: host (str, optional): Host to run the UI on. Defaults to 127.0.0.1 (localhost). port (int, optional): Port to run the UI on. Defaults to 8081. workers (int, optional): Number of workers to
run the UI with. Defaults to 1. reload (bool, optional): Whether to reload the UI on code changes. Defaults to False. docs (bool, optional): Whether to generate API docs. Defaults to False.
appdir (str, optional): Path to the AutoGen Studio app directory. Defaults to None. database-uri (str, optional): Database URI to connect to. Defaults to None.
╭─ Options ────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────╮
│ --host TEXT [default: 127.0.0.1] │
│ --port INTEGER [default: 8081] │
│ --workers INTEGER [default: 1] │
│ --reload │
│ --docs --no-docs [default: docs] │
│ --appdir TEXT [default: None] │
│ --database-uri TEXT [default: None] │
│ --upgrade-database --no-upgrade-database [default: no-upgrade-database] │
│ --help Show this message and exit. │
╰──────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────╯
今回は仮想環境上での実行のためhost
を指定して実行します。
$ autogenstudio ui --host 0.0.0.0
2024-12-25 17:10:30.054 | INFO | autogenstudio.web.initialization:__init__:40 - Initialized application data folder: /root/.autogenstudio
INFO: Started server process [73]
INFO: Waiting for application startup.
2024-12-25 17:10:30.065 | INFO | autogenstudio.web.app:lifespan:35 - Initializing application...
2024-12-25 17:10:30.067 | INFO | autogenstudio.web.app:lifespan:39 - Managers initialized successfully
2024-12-25 17:10:30.067 | INFO | autogenstudio.web.app:lifespan:42 - Application startup complete
INFO: Application startup complete.
INFO: Uvicorn running on http://0.0.0.0:8081 (Press CTRL+C to quit)
これで起動します。
アクセスしてみるとこのような画面が表示されます。
ちなみに0.2系はこんな画面でした。
実行準備
チーム作成
まずは左のタブからTeam Builderを選んでエージェントやLLMの設定などをしていきます。
Agentにはassitant_agent
と user_proxy
の2種類があります。
AssitanAgentとは
言語モデルを使用し、ツールを使用する機能を備えた組み込みエージェントです。
UserProxyとは
ユーザーがプロセスに介入するための 1 つの方法を提供する組み込みエージェントです。いわゆるヒューマンインザループを実現させるためのエージェントですね。
今回はAssitantAgentを2つ用意して議論させてみたいと思います。
たけのこエージェント
きのこエージェント
エージェントのnameの部分ですがここは英語で設定しないとうまく動作しないので必ず英語で設定する必要があります。
実行結果
左のタブのplaygroudから実行します。
きのこの山とたけのこの里どっちが人気ですか?
今回はこちらの問いに対してAIエージェントに答えてもらおうと思います。
結果は少し長いので折りたたんでいますので気になる方は以下をクリックして見てください。
結果
非常に詳細な分析が提示されていますので、さらにこのアプローチを具体化していきましょう。
1. 販売データの確認
-
具体的なアクション:
業界誌やレポートを定期的にチェックし、過去数年分のデータを収集します。必要に応じて、企業に直接問い合わせることも考慮に入れます。また、主要な小売チェーンと提携しているデータ分析会社の情報も活用します。
2. ブランド認知度
-
具体的なアクション:
マーケティングリサーチ会社のレポートを購入または閲覧します。特に、消費者意識調査の結果をまとめたものがあれば、それを基にしてブランドのロイヤルティや認知度を数値化します。また、アンケート調査を独自に実施し、直接的なデータを集めることも視野に入れます。
3. ソーシャルメディアでの分析
-
具体的なアクション:
Googleトレンドを使って、検索数やトレンドグラフを記録します。また、HootsuiteやTweetDeckなどのツールを使って、SNSでの言及やエンゲージメント率をリアルタイムで分析します。ハッシュタグの使用状況を追跡し、プロモーションキャンペーンに関連するデータも収集します。
4. プロモーション活動の効果測定
- 具体的なアクション: 過去のプロモーション活動についてのデータを分析し、参加者数やSNSでの言及数を記録します。特に、特定のプロモーション施策後の販売数の変化を追跡します。さらに、消費者のフィードバックを集めて、プロモーションの成功度を測ります。
5. その他の消費者インサイト
- 具体的なアクション: オンラインレビューサイト(例えば、Amazonや食べログなど)を活用して、消費者の感想や評価を定期的に収集します。評価のトレンドや、リピート購入率などのデータを集め、製品に対する満足度を比較します。
結論
これらの具体的なアプローチを実施することで、より詳細な人気評価を行うことができます。また、得られたデータを元に、家庭用やトレンドに沿ったマーケティング戦略を考案することも可能になるでしょう。継続的なデータの収集と分析が、今後の人気動向の予測に貢献します。定期的に更新を行うことも忘れずに行い、最新の消費者傾向を常に意識しておくことが重要です。
なるほど、どちらが人気かとうよりもどのように分析すればよいかという結論を出してくれたようですね。
その他の参考情報
きのこエージェントとたけのこエージェントの回答の一部も乗せておきます。
mushroom
「きのこの山」と「たけのこの里」はどちらも日本の人気菓子ブランドで、長年にわたりライバル関係として知られています。それぞれに独自のファン層が存在し、どちらが人気かは時期や地域によって異なることがあります。 具体的な人気を示すデータとしては、次のような指標があります:
- 販売数や売上: メーカーである明治の提供する公式データや、複数の小売チェーンでの販売データが参考になりますが、これらのデータは公開されていないことが多いです。
- ブランド認知度やシェア: マーケティング調査会社が行った市場調査の結果も重要です。
- ソーシャルメディアやオンライン調査: ツイッターやインスタグラムなどでの言及数や、検索トレンドを確認する方法もあります。たとえば、Googleトレンドで「きのこの山」と「たけのこの里」の比較を行うと、どちらが話題になっているかがわかります。
- イベントやキャンペーン: 企業が行うプロモーションイベントやキャンペーンの反応も人気を測る一つの方法です。 過去には、明治が公式に「きのこの山 vs たけのこの里」キャンペーンを行ったこともあり、それにより一時的に人気の方向が変わることもあります。 もし具体的なデータが欲しい場合、これらの情報元を定期的にチェックするか、直接市場調査を行うことが必要です。
Bamboo_shoots
「きのこの山」と「たけのこの里」の人気比較についての分析をもう少し深めてみましょう。
1. 販売データ
これらの製品の販売数や市場シェアのデータがあれば、どちらが人気かを客観的に評価できます。ただし、最近の具体的な数字は公開されていないため、過去のトレンドや傾向を確認する必要があります。
2. ブランド認知度
マーケティングリサーチ企業が行う調査データを探し、消費者の認知度や好意度を比較することで、人気の指標とすることが可能です。このようなデータがあれば、どちらが消費者に受け入れられているかを明確に示すことができます。
3. ソーシャルメディア
GoogleトレンドやTwitter、InstagramなどのSNSでの言及数を比較することで、現在のトレンドを把握可能です。例えば、最近のキャンペーンやリリースがあれば、それがどちらに影響を与えたかを分析することも重要です。
4. プロモーション活動
企業が行うイベントやキャンペーンも調査の対象です。例えば、「きのこの山」と「たけのこの里」のファンを対象にしたキャンペーンの効果を測定することで、人気の変動を見ることができます。 ### 結論 具体的な人気の指標を測定するためには、販売データ、マーケティング調査、SNSのデータ、プロモーション活動の反響など、複数の要素を考慮することが重要です。現在のトレンドや調査結果が手に入れば、より正確な人気の評価が可能になるでしょう。直近の調査やデータを確認したい場合は、各種マーケティングリサーチのレポートや、SNSの分析ツールを活用すると良いでしょう。
ヒューマンインザループ
サンプルのチームがあったのでそのまま実行してみました。
サンプルではチャットのような感じでAIエージェントと対話できるようです。
まとめ
今回はAutogen Studio(0.4.0系)を動かしてみました。
コードをほぼ書かずにAIエージェントやマルチエージェントを体感することができました。
マルチエージェントではAIエージェント同士で議論をさせるのではなく、AIエージェント同士で協力しながらタスクを完遂させるのが向いているのかもしれません。
これからAIの業界で間違いなく流行になるAIエージェントに一度触れてみる良い機会ではないでしょうか?
ローコードで体感することができるのでハードルはかなり低いかと思います。
設定画面がまだ未完成だったりとこれからどんどん開発が進んで完成度が高くなって行くのが楽しみです。
注意点
- 本ツールは研究プロトタイプであり、本番環境での使用は想定されていません
- セキュリティ機能は限定的で、本番環境では追加の実装が必要です
関連情報
Autogenフレームワークについては以前に記事を書いたのでよろしければこちらもぜひご覧ください。
まだ0.2系が主流だった頃ですので0.2系の話となります。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
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