AWS MCP Serversが登場したよ
はじめに
みなさんMCPを使ってますか?
AWSが、AWS MCP Serversをリリースしました。
このツールを使えば、開発者は Claude、ChatGPT、Geminiなどのお馴染みのAIアシスタントを通じて、AWSの最新ドキュメントへのアクセス、ベストプラクティスの参照、コスト分析情報の取得などが可能になります。MCPサーバーは、AIアシスタントがAWSの様々なリソースやサービスに関する情報を取得し、より適切な支援を提供するためのブリッジとして機能します。
本記事では、MCP(Model Context Protocol)の基本から、各サーバーの機能、セットアップ方法など、AWS MCP Serversの全体像をわかりやすく解説します。
MCPとは?
MCP(Model Context Protocol)は、Anthropic社が主導するオープンソースプロジェクトで、AI言語モデルとツールを連携させるためのプロトコルです。MCPを利用することで、AIアシスタントは様々なツールやシステムと接続し、より高度なタスクを実行することが可能になります。
詳細はこちらをご覧ください
AWS MCP Serversの概要
AWS MCP Serversは、AIコードアシスタント(Claude、ChatGPT、Geminiなど)がAWSのサービスやリソースに関する情報にアクセスするための特殊なサーバー群です。これにより、開発者はAIアシスタントを通じてAWSのドキュメント検索、ベストプラクティスの取得、コスト分析情報の参照などができるようになります。
このサーバー群は、開発者のローカル環境で動作し、AWSのベストプラクティスをAIアシスタントの回答に直接組み込むことができます。例えば、開発者がAIアシスタントに「S3バケットのセキュリティベストプラクティスは?」と質問すると、AWS Documentation MCP Serverが最新のドキュメントから関連情報を取得し、AIアシスタントの回答に反映させることが可能です。
主なAWS MCP Servers
AWS MCP Serversには、以下のような機能を持ったMCPサーバーが含まれています
言語対応が英語のみの場合もあるのでご利用の際はよくREADMEを読んでください。
Core MCP Server
- 他のMCPサーバーの管理と調整
- 自動インストール、設定、管理機能の提供
- AWS Solutions構築のためのプラン提供の支援
AWS Documentation MCP Server
- AWSドキュメントへのアクセスとベストプラクティスの提供
- ドキュメントの検索機能
- AWSドキュメントページのコンテンツ推奨機能
AWS CDK MCP Server
- AWS Cloud Development Kit(CDK)のベストプラクティスの提供
- インフラストラクチャ・アズ・コードのパターン提案
- CDK Nagによるセキュリティコンプライアンスの確保
Cost Analysis MCP Server
- AWSサービスのコスト分析機能の提供
- コスト関連情報へのアクセス
Nova Canvas MCP Server
- Amazon Nova Canvasを使用した画像生成機能の提供
Bedrock Knowledge Base Retrieval MCP Server
- Amazon Bedrockナレッジベースからの情報検索機能の提供
- 特定のタグ付けされたナレッジベースへのアクセス
技術的な仕組み
AWS MCP Serversは以下のような仕組みで動作します:
-
Model Context Protocol (MCP)の活用:MCPは、AIモデルとツールを連携させるためのプロトコルで、AIアシスタントがAWSサービスにアクセスするための標準化されたインターフェースを提供します。
-
ローカル実行:MCPサーバーは開発者のローカル環境で動作し、AIアシスタントとAWSサービスの間のブリッジとなります。
-
認証とアクセス:AWS IAM認証情報を使用して、セキュアにAWSサービスにアクセスします。開発者のIAM権限に基づいて操作が制限されるため、セキュリティが確保されます。
-
コンテキスト処理:AIアシスタントとの会話の文脈を理解し、適切なAWSリソースや操作を提案・実行します。
インストールと使用方法
AWS MCP Serversをインストールして使用するには、githubのドキュメントに記載されている以下の手順に従います
-
Astralから
uv
をインストール
uvはPythonパッケージマネージャーで、MCPサーバーの依存関係管理に使用されます。 -
uv
を使用してPythonをインストールuv python install 3.10
-
必要なサービスにアクセスできるAWS認証情報を設定
AWS CLIの設定または環境変数を通じて、適切なIAM権限を持つ認証情報を設定します。 -
MCPクライアントの設定に追加
使用するMCPクライアント(Cline, Claude Desktopなど)の設定ファイルにMCPサーバーを追加します。
{
"mcpServers": {
"awslabs.cost-analysis-mcp-server": {
"command": "uvx",
"args": ["awslabs.cost-analysis-mcp-server@latest"],
"env": {
"FASTMCP_LOG_LEVEL": "ERROR",
"AWS_PROFILE": "your-aws-profile"
},
"disabled": false,
"autoApprove": []
}
}
}
設定ファイルは使用するAIアシスタントによって適切な場所に配置します。
Claude Desktopを使用する場合は、claude_desktop_config.json
に記述します。
具体的な要件と構成オプションについては、個々のMCPサーバーの README を参照してください。
まとめ
AWS MCP Serversは、AIアシスタントがAWSの情報にアクセスするためのオープンソースツールです。ドキュメント検索、ベストプラクティス提供、コスト分析などの機能を通じて、開発者のAWS活用を支援します。
将来的には、EC2やS3などのAWSリソースを直接操作できるMCPサーバーが登場すれば、さらに便利になるでしょう。
AIアシスタントを通じてAWSサービスに関する情報にアクセスしたい方は、このツールを検討してみてください。
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