AWS MCP Serversが登場したよ

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はじめに

みなさんMCPを使ってますか?
AWSが、AWS MCP Serversをリリースしました。
このツールを使えば、開発者は Claude、ChatGPT、Geminiなどのお馴染みのAIアシスタントを通じて、AWSの最新ドキュメントへのアクセス、ベストプラクティスの参照、コスト分析情報の取得などが可能になります。MCPサーバーは、AIアシスタントがAWSの様々なリソースやサービスに関する情報を取得し、より適切な支援を提供するためのブリッジとして機能します。
本記事では、MCP(Model Context Protocol)の基本から、各サーバーの機能、セットアップ方法など、AWS MCP Serversの全体像をわかりやすく解説します。

https://github.com/awslabs/mcp

MCPとは?

MCP(Model Context Protocol)は、Anthropic社が主導するオープンソースプロジェクトで、AI言語モデルとツールを連携させるためのプロトコルです。MCPを利用することで、AIアシスタントは様々なツールやシステムと接続し、より高度なタスクを実行することが可能になります。

詳細はこちらをご覧ください
https://zenn.dev/shirochan/articles/37e5aea29c4e46

AWS MCP Serversの概要

AWS MCP Serversは、AIコードアシスタント(Claude、ChatGPT、Geminiなど)がAWSのサービスやリソースに関する情報にアクセスするための特殊なサーバー群です。これにより、開発者はAIアシスタントを通じてAWSのドキュメント検索、ベストプラクティスの取得、コスト分析情報の参照などができるようになります。

このサーバー群は、開発者のローカル環境で動作し、AWSのベストプラクティスをAIアシスタントの回答に直接組み込むことができます。例えば、開発者がAIアシスタントに「S3バケットのセキュリティベストプラクティスは?」と質問すると、AWS Documentation MCP Serverが最新のドキュメントから関連情報を取得し、AIアシスタントの回答に反映させることが可能です。

主なAWS MCP Servers

AWS MCP Serversには、以下のような機能を持ったMCPサーバーが含まれています
言語対応が英語のみの場合もあるのでご利用の際はよくREADMEを読んでください。

https://awslabs.github.io/mcp/

Core MCP Server

  • 他のMCPサーバーの管理と調整
  • 自動インストール、設定、管理機能の提供
  • AWS Solutions構築のためのプラン提供の支援

AWS Documentation MCP Server

  • AWSドキュメントへのアクセスとベストプラクティスの提供
  • ドキュメントの検索機能
  • AWSドキュメントページのコンテンツ推奨機能

AWS CDK MCP Server

  • AWS Cloud Development Kit(CDK)のベストプラクティスの提供
  • インフラストラクチャ・アズ・コードのパターン提案
  • CDK Nagによるセキュリティコンプライアンスの確保

Cost Analysis MCP Server

  • AWSサービスのコスト分析機能の提供
  • コスト関連情報へのアクセス

Nova Canvas MCP Server

  • Amazon Nova Canvasを使用した画像生成機能の提供

Bedrock Knowledge Base Retrieval MCP Server

  • Amazon Bedrockナレッジベースからの情報検索機能の提供
  • 特定のタグ付けされたナレッジベースへのアクセス

技術的な仕組み

AWS MCP Serversは以下のような仕組みで動作します:

  1. Model Context Protocol (MCP)の活用:MCPは、AIモデルとツールを連携させるためのプロトコルで、AIアシスタントがAWSサービスにアクセスするための標準化されたインターフェースを提供します。

  2. ローカル実行:MCPサーバーは開発者のローカル環境で動作し、AIアシスタントとAWSサービスの間のブリッジとなります。

  3. 認証とアクセス:AWS IAM認証情報を使用して、セキュアにAWSサービスにアクセスします。開発者のIAM権限に基づいて操作が制限されるため、セキュリティが確保されます。

  4. コンテキスト処理:AIアシスタントとの会話の文脈を理解し、適切なAWSリソースや操作を提案・実行します。

インストールと使用方法

AWS MCP Serversをインストールして使用するには、githubのドキュメントに記載されている以下の手順に従います

  1. Astralからuvをインストール
    uvはPythonパッケージマネージャーで、MCPサーバーの依存関係管理に使用されます。

  2. uvを使用してPythonをインストール

    uv python install 3.10
    
  3. 必要なサービスにアクセスできるAWS認証情報を設定
    AWS CLIの設定または環境変数を通じて、適切なIAM権限を持つ認証情報を設定します。

  4. MCPクライアントの設定に追加
    使用するMCPクライアント(Cline, Claude Desktopなど)の設定ファイルにMCPサーバーを追加します。

example
{
  "mcpServers": {
    "awslabs.cost-analysis-mcp-server": {
      "command": "uvx",
      "args": ["awslabs.cost-analysis-mcp-server@latest"],
      "env": {
        "FASTMCP_LOG_LEVEL": "ERROR",
        "AWS_PROFILE": "your-aws-profile"
      },
      "disabled": false,
      "autoApprove": []
    }
  }
}

設定ファイルは使用するAIアシスタントによって適切な場所に配置します。
Claude Desktopを使用する場合は、claude_desktop_config.jsonに記述します。
具体的な要件と構成オプションについては、個々のMCPサーバーの README を参照してください。

まとめ

AWS MCP Serversは、AIアシスタントがAWSの情報にアクセスするためのオープンソースツールです。ドキュメント検索、ベストプラクティス提供、コスト分析などの機能を通じて、開発者のAWS活用を支援します。
将来的には、EC2やS3などのAWSリソースを直接操作できるMCPサーバーが登場すれば、さらに便利になるでしょう。
AIアシスタントを通じてAWSサービスに関する情報にアクセスしたい方は、このツールを検討してみてください。

参考ソース

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