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100日後にRustをちょっと知ってる人になる: [Day 38]非同期処理クレートと Web フレームワーク

2022/10/03に公開

Day 38 のテーマ

Day36Day 37と Rust 用の Web フレームワークを見てきました。そして、この Web フレームワークを見始めた理由としては、Rust での非同期処理について学ぼうと考えていたのが発端でした。
フレームワークという見方をかえるとすると、Rocketactix-web もいずれも非同期処理の機能を提供するモジュール(クレート)を使用しているということになります。

非同期処理のクレート

非同期処理という点では、Day 34Rust 1.64 の特徴を紹介した中で IntoFuture による非同期処理について見てみました。その文脈で、非同期処理の仕組みとして await/async キーワードについて簡単に説明しています。
async を使って非同期処理を行う関数を定義し、await をどこかにつけることによって、その関数の処理待ちをしながら次の処理に進んでいくというものです。

例えば、以下のように非同期処理の関数を定義できます。

async fn hello_rust() {
    println!("hello, Rust!");
}

そしてこの関数を動かすために次のように書くでしょう。

async fn main() {
    hello_rust().await;
}

しかし、これはコンパイルが通りません。main 関数はチウ上では非同期化できない (async キーワードを fn キーワードの前につけることができない) からです。そこで、別途非同期処理ランタイムなクレートを用いて非同期化のサポートをしてもらいます。

この非同期処理ランタイムに期待する機能は、主に次のようなことです。

async 定義した関数の実行スケジューリング
✅ スケジューリングした関数の発火 (実際の実行)
✅ 非同期 I/O やネットワークのための API 追加

Web フレームワークのベースとして使われている非同期処理ランタイムには次のようなクレートがあるようです。

非同期処理ランタイムと Web フレームワーク

Day36 に代表的な Web フレームワークを調べてみました。ここでは、そのフレームワークが、どの非同期処理ランタイムをベースにしているか、調べて見ました。

tokio

次のフレームワークが、tokio をベースにした Web フレームワークです。

名称 公式サイト GitHubリポジトリ ドキュメント
actix-web https://actix.rs/ https://github.com/actix/actix-web https://docs.rs/actix-web/latest/actix_web/
Thruster - https://github.com/trezm/Thruster https://docs.rs/thruster

async-std

次のフレームワークが、async-std をベースにした Web フレームワークです。

名称 公式サイト GitHubリポジトリ ドキュメント
Tide - https://github.com/rustasync/tide https://docs.rs/tide

hyper

次のフレームワークが、hyper をベースにした Web フレームワークです。

名称 公式サイト GitHubリポジトリ ドキュメント
rocket https://rocket.rs/ https://github.com/SergioBenitez/rocket https://rocket.rs/v0.5-rc/guide/introduction/
warp - https://github.com/seanmonstar/warp https://docs.rs/warp/
gotham http://gotham.rs/ https://github.com/gotham-rs/gotham/ https://docs.rs/gotham/
Thruster - https://github.com/trezm/Thruster https://docs.rs/thruster
salvo - https://github.com/salvo-rs/salvo https://docs.rs/salvo/
axum - https://github.com/tokio-rs/axum https://docs.rs/axum
Poem - https://github.com/poem-web/poem https://github.com/poem-web/poem/blob/master/poem/README.md
Viz https://viz.rs/ https://github.com/viz-rs/viz https://docs.rs/viz/

Day 38 のまとめ

非同期処理が必要となる様々な Web フレームワークにはベースになっている非同期処理ランタイムを提供しているクレートがあることが分かりました。それは主に次の3つでした。

今日はこれらの非同期処理ランタイムでフレームワークを分類してみました。一方で、まだそれぞれの非同期処理ランタイムの特徴をきちんとは調べていないので後日調べてみようと思います。

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