100日後にRustをちょっと知ってる人になる: [Day 17]トレイト
Day 17 のテーマ
Day 16 でクロージャの扱いについて考えている中で、きちんと Rust のトレイトという仕組みのことを理解した上でないと説明しきれないところがあると思いました。
ということで、今日はトレイトについてまとます。
トレイト
基本に立ち戻り、The Rust Programming Language でのトレイトの定義を見てみようと思います。
A trait defines functionality a particular type has and can share with other types.
つまり、特定の型に対して任意の振る舞いを設定するための機能 です。言い換えると、複数の型で利用目的や呼び出し方法が共通である関数があるとき、それらをトレイトとしてまとめて使用します。
トレイトの定義
trait
キーワードを使用してトレイトの定義を行います。
トレイトは次の3つの項目から構成することができます:
- 関数とメソッド
- 型
- 定数
trait TraitName {
fn method_name()
}
たとえば、FooBar
というトレイトを定義しまう。ここでは、とりあえず何処理を行うのみのメソッドを定義しています。
trait FooBar {
fn do_something(&self);
}
トレイトの実装
impl
キーワードを使用してトレイトの実装を行います。
impl
キーワードの後に実装するトレイト名を宣言し、for
キーワードを置いて実装対象の型名を指定します。型名は構造体定義を使うことが多いかなと思いました。
たとえば、Foo
とBar
という構造体があったとします。その構造体に対してトレイトを使用して処理を追加することができます。それぞれの構造体に対して println!
マクロで標準出力をする処理を追加しました。
struct Foo;
impl FooBar for Foo {
fn do_something(&self) {
println!("Foo");
}
}
struct Bar;
impl FooBar for Bar {
fn do_something(&self) {
println!("Bar");
}
}
呼び出し
以下のようにして呼び出すことが可能です。
トレイトを実装した構造体 Foo
とBar
のインスタンスを生成し、実装したメソッドを呼び出しています。
let foo = Foo;
let bar = Bar;
foo.do_something();
Bar::do_something(&bar);
FooBar::do_something(&foo);
FooBar::do_something(&bar);
Day 17 のまとめ
今日はトレイトについていろいろと見てみました。Rustは厳密なオブジェクト指向ではないですよね。継承がRustにはないですが、トレイトを使ってポリモフィズムができるので、オブジェクト指向風にはプログラムを書くことができそうですよね。
このトレイトを上手に使うことが Rust のプログラムを作っていく肝にもなりそうな気がしました。
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