Windows 11 22H2 以降の HEVC サポートとは
はじめに
22H2 以降の Windows 11 では HEVC (H.265) がサポートされていると Microsoft からアナウンスが出ています。
しかし、「HEVC 再生できなくない?」と思ったので、今回改めて確認してみました。
HEVC 再生状況
環境
以下の環境で HEVC 動画を再生しました。
- Windows 11 Pro 23H2 クリーンインストール直後の環境
- Windows 11 Home 23H2 従前から使用している環境
- Windows 10 Pro 22H2(参考のための比較用、再生できないはず)
Windows に標準搭載されている、
- Windows Media Player Legacy(Windows メディアプレーヤー従来版)
- メディアプレイヤー(無印)
- 映画&テレビ
の 3 つのアプリで確認しました。
結果
結果は以下のようになりました。
Windows 11 Pro | Windows 11 Home | (Windows 10) | |
---|---|---|---|
Windows Media Player Legacy | ○ | × | × |
メディアプレイヤー(無印) | × | × | × |
映画&テレビ | × | × | × |
Windows 11 22H2 以降でも HEVC を扱えるのはかなり限られた状況のようです。
メディアプレイヤー
再生できない場合の挙動は環境によって異なりました。例えば、Windows 11 Home のメディアプレイヤー(無印)で再生しようとすると、親切な案内(有料版が必要)が出ます。
しかし Windows 11 Pro のメディアプレイヤー(無印)では、プログレスバーがしばらく動いた後、突然アプリが落ちました。
Windows Media Player Legacy
Windows Media Player Legacy が Pro でのみ再生可能な原因は分かりません。Home のほうは実環境としていろいろ使っているので、何か設定が変わってしまったためという可能性もあります。
その他
一口に HEVC といっても色々あるので、今回再生できなかったアプリでも再生できるものもあるのかもしれません。例えば、今回はコンテナは MP4、プロファイルは High、レベルは 4.1 ですが、他のパラメーターなら再生できる可能性もあるのかもしれません。
ちなみに、Windows 11 Pro のみ、エクスプローラーで HEVC のサムネイル表示ができました。
まとめ
Windows 11 22H2 以降での HEVC サポートは限定的で、アプリによって、環境によって、再生できないものも多いです。
より広範囲なサポートを得るには、引き続き 120 円の有料版 HEVC ビデオ拡張機能が必要なのかもしれません。
おまけ
私は既に 120 円の有料版を購入済です(今回の環境にはインストールしていませんが)。
購入したアカウントで HEVC を再生しようとすると、「新しいコーデックが必要です」と表示されるものの、「所有中」というステータスも表示されます。
しかし、これが表示されるということは、(購入済の)有料版コーデックを使用しようとしているということですから、やはり標準サポートでは不足しているということになります。
ちなみに、有料版をインストールしてある別の Windows 11 では(当然ですが)メディアプレイヤー(無印)で HEVC が再生できます。
確認環境
項目 | 環境 |
---|---|
OS | Windows 11 Pro 23H2 / Windows 11 Home 23H2 / Windows 10 Pro 22H2 |
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